無月ノ橋 居眠り磐音江戸双紙 佐伯泰英

●無月ノ橋 居眠り磐音江戸双紙 佐伯泰英

 磐音シリーズ第11作。季節は秋。包平を研ぎ師鵜飼での御小普請支配逸見との揉め事と今津屋借金取り用心棒での松平家との争い、与力笹塚辻斬りから逸見成敗、女郎屋一酔楼乗っ取り事件、鳥取藩桜子との宮川での食事と鳥取藩刺客猪野畑との闘い、白鶴大夫紅葉狩り騒動。

 磐音が巻き込まれる事件の相手がだんだんと大きくなってきて、藩単位の悪者になってきている。まぁ磐音の周りには与力もいれば、側衆もいるし、何しろ将軍様まで磐音のことを知っているのだから、無敵といえば無敵だが(笑

 11作の他のエピソードとしては、豊後関前藩の船第2陣が江戸に着いたことか。1陣と同様帰りの船に積む荷が問題となるが、これも今津屋の計らいで解決する。

 さらに第4章のタイトルが「おこん恋々」。とうとうおこんが磐音にその思いをぶつける場面が出てくる。まして奈緒(白鶴)の紅葉狩りが問題となっている状況で。でもまだ盛り上がりには欠けるかなぁ。ところで「恋々」の意味を今回初めて知った(笑

 さて敵が大物になってきて、おこんとの恋もどうなっていくのか。やはり次の一冊を読みたくなる。