探梅ノ家 居眠り磐音江戸双紙 佐伯泰英

●探梅ノ家 居眠り磐音江戸双紙 佐伯泰英

 磐音シリーズ第12作。季節は冬。盗賊吉祥天の伯王偽物事件、今津屋吉右衛門後添え探し〜鎌倉の旅、品川柳次郎万栄丸勾引かし、佐々木道場2人の新弟子〜利次郎と辰平、国端淳庵桜子磐音白梅屋敷と七福神巡り。

 珍しく今後も登場するであろう新しいキャラが複数登場する一冊。吉右衛門の後添いとなるであろう佐紀、佐々木道場の新弟子の2人。また淳庵の医者仲間の国端が桜子と結びつきそうな感じもする。桜子騒動も一段落するか。一方で父親金兵衛からの話で、おこんに見合いの話が湧き上がる。

 残念なのは、このシリーズには珍しい盗賊話の第1話。吉祥天の伯王のキャラがなかなか立っていて良い感じだったが、あっさりとお縄になってしまった。ちょっと鬼平を彷彿とさせる話で、まだまだ盛り上がりそうな感じもしたのに、ちょっと残念。