さすらいのカウボーイ

●277 さすらいのカウボーイ 1971

 ハリー、アーチ、ダンの3人の男が西海岸を目指し旅をしている。ある街に着いた3人は酒場で酒を飲む。その場でハリーは一緒に西海岸には行かず、家に帰ると言い出す。家には妻がいるはずだが7年間帰っていなかった。ハリーとアーチは7年間一緒に流浪の旅をしていた。

 夜ハリーとアーチが酒場で飲んでいると銃で撃たれたダンが入って来て倒れて死んでしまう。撃ったのはサムで、サムの妻をダンが襲おうとしていたからだと話す。2人はダンを埋葬する。

 2人はダンの馬が盗まれたことに気づき、馬を取り戻しにいく。そこはサムの家だった。2人はサムの足を撃ち、馬を取り返す。

 2人はハリーの妻ハンナの住む家に行く。そこには娘のジェイニーもいた。ハリーは家に戻ると話すが、ハンナは認めなかった。ハンナはジェイニーに父親は死んだと話していた。ハリーは使用人として働かせて欲しいと提案し、ハンナは受け入れる。ハリーとアーチは一緒に使用人として働き始める。

 ある日2人は街への買い物を頼まれる。街でアーチはハンナが使用人と寝ているという噂を聞く。それを聞いたハリーは夜、ハンナに確かめるがハンナはあっさりと認める。

 翌日ハリーは街へ行き、自分の名前で使用人は不要という張り紙を貼って廻る。

 その夜、ハンナはアーチに、ハリーがいなかった期間に男たちと寝たことを正直に話す。アーチはハリーに残って欲しかったら正直に話せと伝える。

 アーチは西海岸に行くと言い出す。ハンナは、アーチはハリーにとっての浮気相手と一緒、そんな人と一緒に暮らすのは嫌だと話す。アーチは家を出て行く。ハリーとハンナは夫婦として暮らし始める。

 ある日1人の男が家にやって来てハリーと話す。アーチの指を見せお前が来なければ一本ずつ指を切ると言っていると話す。アーチは止めるが、ハリーは男と一緒に行く。途中男を殺したハリーはサムの家にたどり着く。

 そして撃ち合いが始まり、ハリーは撃たれてしまう。瀕死のハリーの元へ歩み寄ったサムだったが、アーチが銃を奪いサムたちを撃つ。その隙にハリーはサムを撃ち殺すが、ハリーもアーチに抱かれながら死んでしまう。

 そしてアーチはハンナの家に帰って行く。

 

 西部劇だと思って見て肩透かしにあってしまった感じがする。ニューシネマの1本とされるのかなぁ。ラストへの流れがちょっとやりきれなさがそんな感じ。

 流浪の旅に疲れた男が自分の妻のいる家に帰る話だが、その間に妻も自分に正直に生きており、男たちが強かった西部劇の時代とはちょっと異なる。ラストでほのめかされる男同士の友情を超えたモノも気になるし。

 ただアーチが家を出て行くとなった時に、ハンナがハリーに語る「男同士の感情と男と女の感情」については妙に納得してしまった。