ミッドナイト・イン・パリ

●281 ミッドナイト・イン・パリ 2011

 パリの様々な風景が描かれる。

 ギルは映画の脚本家だが小説家になる夢を持っている。そして1920年代のパリを愛していた。ギルは恋人イネズとその両親とともにパリへ出かけ、皆で食事をする。その場でイネズの友人ポールとキャロルのカップルと出会い、行動をともにすることに。しかしギルはポールのエセ知識人としての振る舞いが気に入らなかった。

 ギルはパリで暮らしたいと望むが、イネズは受け入れない。彼らはワインパーティに参加、次の店で踊りたいという皆とは別にギルは1人夜のパリの街を彷徨う。深夜0時の鐘の音を聞くと彼の前に古いプジョーが停まり、車に乗っていた男が彼に一緒に来るように誘う。ギルは彼らについていく。

 彼らに誘われ着いた店は、なぜか1920年代の店。そこにいたのは、フィッツジェラルドヘミングウェイ。ギルはヘミングウェイに自分は作家で小説を書いていることを話す。ヘミングウェイは彼の書いた小説を批評してやると言い、ギルはホテルに原稿を取りに戻ろうとするが、既にさっきまであった店はなくなっていた。

 翌日イネズの買い物に付き合ったギルは、夜彼女をヘミングウェイに合わせるために、昨夜の場所へ連れていくが、一向にプジョーは現れなかった。呆れたイネズは帰ってしまう。そして0時の鐘が鳴り、またプジョーが現れる。ギルは連れて行かれた先でガートルードスタインやピカソ、そしてピカソの愛人アドリアナと出会う。アドリアナはギルの小説の書き出しが気に入ったと話し、また会う約束をし別れる。

 翌日ピカソの絵を見に行ったギルはイネズたちの前で、ガートルードスタインが話した絵の批評をそのまま喋る。そして夜、イネズと両親との食事を断り、夜の街へ繰り出す。そしてまたアドリアナと会い話をするが、ギルに婚約者がいることを知られてしまう。彼女はその場を去る。ギルはそこでダリと出会う。

 翌日ギルは1人で行動する。イネズの父はギルの行動を怪しみ、探偵を雇い、彼の行動を調査させる。

 ギルは夜ガートルードスタインから自分の作品の批評を聞く。

 翌日ギルはイネズたちには付き合わず、小説の手直しをする。そして1人で出かけ、古書でアドリアナの本を見つけ、彼女が書いた自分についての文章を読む。ギルは文章に書かれていた通り、アドリアナにピアスを送ろうとし、イネズのものを持ち出そうとするが、そこへイネズたちが帰ってきて慌てる。泥棒騒ぎになるが、なんとかごまかす。

 ギルは店でピアスを買い、また夜ガートルードスタインに会い、アドレアナに会いに出かける。そして結婚に迷っていることを正直に打ち明け、夜の街を歩き、ピアスを渡す。すると2人を誘う馬車が現れる。2人がついた場所は、アドリアナが憧れていた1890年代のパリだった。ロートレックゴーギャンドガと出会う。彼女は彼らに1890年代が素晴らしいと話すが、彼らはルネサンス期が黄金期だと話し、アドリアナにバレエの衣装係としてリシャールに紹介しようとする。感激したアドリアナは、ギルにこの時代に残ると言い出す。ギルは、どの時代の人も過去を黄金時代と考えルガそれは幻だと話すが、アドリアナはその場に残り、ギルは1920年代へ。

 ギルはガートルードスタインに小説の批評を聞くが、主人公の婚約者が浮気していることを見抜けないのはおかしい、というアドバイスを受ける。

 現代に戻ったギルはイネズにポールとの浮気のことを話す。イネズはそれを認め、彼らは別れることに。そしてギルはパリに住む決意をする。

 

 タイムスリップものだが、こんな手があるとは、と驚かされた。確かに日本の小説などでも、タイムスリップをして過去の偉人と出会い事件を解決する話などがあるが、この映画では、タイムスリップ先で出会うのは偉人がメインなのではなく、パリの街そのものであるのが、オシャレ。しかもタイムスリップものによくある現代に残った過去のもの(アドリアナの著作)を使うシーンもある。

 多くの有名人が出てきて、半分ぐらいしか知らなかったが、問題はないでしょう。映画の原案をギルが告げた相手のことはwikiで調べたけど(笑

 ウディアレンの作品は若い時に観たけど、このブログを始めてからは初めて。なかなか印象に残る一本だった。