捨雛ノ川 居眠り磐音江戸双紙 佐伯泰英

●捨雛ノ川 居眠り磐音江戸双紙 佐伯泰英

 磐音シリーズ第18作。季節は年末から新春。佐々木道場土中の甕と亀戸村大賭博取り締まり〜竹村武左衛門大目玉、池田左衛門尉借金引き取り〜帰り道夜盗、佐々木道場師範鐘四郎の恋、唐人偉陽明暗殺事件、鐘四郎幼馴染お千代襲撃と野州無宿の烏川矢平次捕縛とおそめ縫箔屋奉公へ。

 シリーズ恒例の年末年始の様子を描く1冊。今作も色々と賑やかに事件が発生。道場改築中の土中から甕が見つかり、中から曰くありげな刀が二振り見つかり、天神髭の百助に研ぎを佐々木玲圓が依頼する。また大晦日前日に賭博場への取り締まりに磐音品川竹村が潜入、竹村が単独行動を取り、笹塚に大目玉を食らう。また磐音は大晦日に借金取りに付き添い、帰り道に金を奪い返しに来た輩と戦うことに。要は年末に2日続けて磐音は徹夜仕事をし、おこんたちに呆れられる。

 ここまでは年末の様子で、残り3話はまた別の話の展開。道場師範鐘四郎に恋の話が持ち上がる。それも店先で女性を助けそれがそのまま結婚の話まで進むというあまりにありがちなドラマ(笑 しかも鐘四郎が結婚を決める前に幼馴染の姿が見たいと言い出し、磐音を伴い会いに行き、その相手一味に襲われるという話も。

 最後は今津屋に奉公している幸吉の幼馴染おそめが1年の奉公を終え縫箔屋へ奉公先を変更する話。相変わらずの幸吉も登場し、ちょっと和む。

 道場師範の恋もあれば、まさかの唐人暗殺者まで登場。今後の展開はどうなるんだろう(笑