追想

●284 追想 1956

 1917年ロシア革命によりロマノフ王朝が倒され、皇族は1918年に処刑された。しかし一部の皇族が生き延びたと噂され、皇帝の末娘アナスタシアを名乗る女性が現れる。

 1928年パリ、ロシア正教の復活祭の日、元将軍ボーニンはステパンからアンナ・コレフを見つけたと連絡をもらい彼女に会いに行く。彼女は病院でアナスタシアを名乗っていた。彼女は現在の状況に絶望し川に身を投げようとするところをボーニンに助けられる。

 ボーニンは仲間とアナスタシアを探し出し、その銀行預金を手に入れようとしていた。そのため関係者から資金を出してもらっていたが、アナスタシアを探し出せずにいたため、8日間だけ待つと期限を切られていた。ボーニンはアンナを仲間に会わせる。ボーニンも仲間もアンナを本物だとは考えていなかったが、ボーニンは期限が迫っていることもあり、礼儀や作法、知識を教え込み、皇女に仕立てようとする。

 ボーニンはパーティを開きアンナを貴族たちに会わせ、賛同を得ようとするが、51人中18人の署名しか得られなかった。ボーニンは最後の切り札として皇太后にアンナを会わせようとコペンハーゲンに行く。しかし皇太后は会ってくれない。

 仲間がリーベンバウム男爵夫人とボーニンが会う手はずを整える。彼女はボーニンに皇太后が木曜のチャイコフスキーのバレエを見に行くことを教える。ボーニンはアンナを連れ劇場へ行く。そしてポール公とアンナを引きあわせる。ポール公はアナスタシアの婚約者だった。ボーニンは皇太后に会いに行くが、皇太后は何人もの偽物の孫と会っており、もう誰にも会わないと話す。

 アンナはポール公とデートをする。アンナを気に入った彼は皇太后にアンナに会うよう進言し、皇太后はとうとうアンナに会いにホテルへやってくる。皇太后はアンナを偽物と決めつけ認めようとしなかったが、アンナも本音で話し始める。そして怖さからくる咳がアナスタシアの幼い頃からの特徴と一致し、皇太后はアンナをアナスタシアとして認める。

 アナスタシア発見とポール公との婚約を新聞記者を呼び発表することになる。パーティが開かれ、アンナはポール公と踊る。そこで話をするが、ポール公はアンナがアナスタシアとして振舞うことを求めていた。

 皇太后はお披露目直前にボーニンと会う。ボーニンは皇女探しの役割を終えこの場を去ると話す。皇太后はボーニンがアンナを愛していることに気づき、2人だけの時間を作る。そしてお披露目の時間となるが、2人は姿を消していた。皆が慌てる中、事情を承知していた皇太后は、芝居は終わった、と語る。

 

 映画を見ている途中で去年観た「王様と私」での勘違いの原因に気がついた。ユルブリンナーが最後にそっと姿を消すのは、この「追想」だった。彼のインパクトある見た目で映画を間違えて覚えていた(笑

 イングリッドバーグマンはいつ観ても本当に綺麗だ。特にこの映画では、冒頭の薄汚い格好をしている時から、ブリンナーに礼儀などを教えてもらうシーン、そして皇太后に認められ皇女としてのドレス姿になるシーンと、時が進むに連れ、どんどん輝きを増して行くのが素晴らしい。2回目のアカデミー賞受賞も納得。

 アナスタシアは様々なドラマや本などで取り上げられているテーマだが、今回初めてwikiでその真相を知った。真相が解明されるのは科学が進んだ現代としては当たり前だが、こんなファンタジーならば夢のままでも良かったかとも思う。

 

 

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