助太刀屋助六

●286 助太刀屋助六 2001

 ひょんなことから仇討ちの助太刀をすることを生業にした助六。7年ぶりに故郷上州へ帰り、母親の墓参りをする。父親が誰かも知らない助六。墓に黄色い野花が捧げられているのを見つける。墓が小さいことに改めて気づき、立派な墓を建てるため、街へ向かう。

 しかし街は人っ子一人歩いていない状態。助六が怪しんでいると幼馴染の太郎がやってくる。太郎は番太をやっており、これから街で仇討ちが行われると助六に話す。その頃太郎の妹のお仙は初めての化粧をし、着飾っていた。

 助六は仇討ちが行われることを聞き、自分も助太刀をしようと思いつく。そして仇討ちをする兄弟のいる酒場に入っていき話をする。そして仇討ちの相手が棺桶屋にいることを聞き出す。

 お仙は自分が着飾っているのが、仇討ちの検分役の取締出役、榊原織部の酒の相手をするために兄に15両で売られたことを知り怒り出す。

 棺桶屋では仇討ちの相手片倉が棺桶屋の娘タケノと話をしていた。片倉は自分が銃で狙われていること、もう逃げるつもりがないことをタケノに話す。そこへ助六がやってくる。片倉と話した助六はこれまでの仇討ちの相手と片倉の様子が異なることをきにする。

 街に榊原織部たちがやってくる。

 片倉は震える手で自分の戒名を書く。書き終わり、助六に手が震えるので刀を右手に縛り付けてくれと頼む。そして助六が助太刀をしないように助六を気絶させ、仇討ちの場へ向かう。

 仇討ちに向かう兄弟の1人涌之助が片倉になぜ兄を斬ったのかと尋ねると片倉はそこにいる榊原織部に聞けと答える。そして片倉は仇討ちとして兄弟たちに斬られる。

 気がついた助六は助太刀に行こうとするが、すでに勝負はついた後だった。棺桶屋に戻ってきた助六は棺桶の中に墓にあったのと同じ黄色い野花が入っていたことに気づき、片倉が自分の父親だったことに気づく。そして父の仇討ちをしようと考え始める。

 仇討ちを終えた兄弟と榊原織部は酒場で酒を飲んでいた。涌之助が榊原に片倉が行ったことの真意を確かめる。榊原は兄弟が江戸へ行けたのは賄賂などであったことをバラす。怒る涌之助だったが、仇討ちの助太刀の浪人に刺されてしまう。

 助六は太郎と棺桶を運びながら、昔話をする。そこで助六は太郎の妹お仙のことを聞く。酒場についた2人、太郎をもう一つの棺桶を取りに戻る。助六は店の中に入り、兄弟の兄を仇だと言って斬理、榊原と浪人を斬ると宣言、店の中は大混乱になる。

 お仙と会うことが出来た助六は2人で江戸へ逃げる約束をする。ドタバタの中で死体のふりをして、浪人を斬ることに成功。酒場に1人残った榊原にも棺桶に隠れて近づき、見事仇討ちを果たす。

 しかし店を出て父親の棺桶に向かって話しているところを銃で撃たれてしまう。村人が銃を撃った役人たちを追い払い、皆で助六の死を嘆く。お仙は愛馬を連れてきて、助六の死体を運び出す。

 村から離れたところで、死んでいたはずの助六が起き上がる。助六は逃げている最中に銃の弾を抜いておき、撃たれたふりをしただけだった。

 

 冒頭陽気な助六が映し出される。真田広之の演技がどうこうではなく、このシーンに違和感を覚えた。次に違和感を覚えたのは、鈴木京香が化粧をしてもらっているシーン。岸田今日子との会話から、お仙はおぼこであると告げられる。

 この後、助六が太郎と会話するが、その中で助六は7年ぶりにこの村に帰ってきたことがわかる。会話の中で、太郎とガキの頃喧嘩したこと、お仙が鼻を垂れていた娘だったこと、が語られる。つまり、助六もお仙も10代後半〜20歳前後ぐらいの年齢設定だということだ。

 そりゃ40代の真田広之と30代の鈴木京香では無理があるよなぁ。ストーリーそのものは、一昔前の時代劇にありがちなストーリーでそんなに悪いものではない。斬られることを覚悟している片倉役の仲代達矢も抜群の存在感があるし、岸田今日子小林桂樹天本英世など、もの凄いメンバーが脇役で出ている。

 どうせなら主役の2人をもっと若い役者さんで出来なかったのかなぁ。そしたら違和感なく見れただろうに。

 

 

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  • 発売日: 2002/08/21
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