黄金

●288 黄金 1948

 1925年メキシコ。タンピコの街でダブズは金に困っていた。同じアメリカ人を見つけては金を恵んでもらう生活だった。それでもダブズは宝くじ売りの子供から少しの宝くじを買う。ダブズは公園で同じアメリカ人のカーティンと出会う。彼もまた貧しい暮らしをしていた。

 ある時ダブズは同じアメリカ人に金をせびりそれを指摘される。その後酒場から出て来た男に同じように金をせびろうとすると、その男マコーミックに仕事を紹介すると言われ、彼について行く。そこにはマーティンもいた。彼らは工事作業をし、街へ帰ってくる。賃金を取りに行くと言ってマコーミックが姿を消し、その後待ち合わせた店でダブズたちは騙されたことを知る。

 金のない2人は安宿に泊まる。そこにいた宿泊者ハワードから金鉱探しの話を聞く。翌日2人は街でマコーミックを見かけ賃金の支払いを求める。誤魔化そうとする彼を2人は殴り、賃金を受け取る。金を手にしたダブズは宿で聞いた金鉱探しの話をカーティンに持ちかけ、ハワードに会いに行くことに。

 ハワードは金鉱探しには金が必要だと話す。ハワードの金と2人の賃金でも少しお金が足りなかった。そこへ宝くじ売りの少年が現れ、当選金の10%をくれとねだる。そこでダブズは宝くじが当たったことを知り、金鉱探しの金も準備できたことになった。

 3人は列車で山へ向かう。途中列車強盗に会うが、皆で対抗し強盗たちを追い払う。

 3人はロバを買い山へ向かう。険しい山道にダブズとカーティンは苦戦する。途中ノーザーと呼ばれる強風にも襲われるが、なんとか金を見つける。

 3人は金鉱探しの準備を整え、金を掘り出し始める。見つけた金の分け方について話し合い、3人それぞれが自分の分け前の金を隠すことになった。

 金鉱堀を続けるが、ダブズが坑道にいる時に坑道が崩れてしまう。カーティスが彼を助け出す。ダブズはカーティスに感謝する。その夜、3人は金を見つけたら何がしたいかの話をし、カーティスは果樹園をやりたいと話す。ハワードは金の上限を決めようと提案するが、ダブズのみが上限を高く設定し、話し合いにならなかった。

 深夜目が覚めたダブズはハワードがいないことに気づき、外に出て行く。ハワードはロバの様子を見に行っていただけだったが、自分の金を奪われるかもしれないとダブズは思ったのだった。この頃からダブズは他の2人を信用しないようにな理、街への買出しにも行くことを拒否する。

 カーティスが街へ買出しに行き、同じアメリカ人のコーディと出会う。彼はカーティスたちが山へ入っていることを知っており、一緒に山へ入りたがるが、カーティスは断る。彼は山へ戻り2人にコーディのことを話す。そこへコーディが現れる。ダブズは敵対心をむき出しにする。夜は3人で交代で見張りをする。翌朝コーディは金鉱掘りの仲間に入れて欲しい、ダメなら役人に通報すると3人に持ちかける。ハワードは3人だけで話したいと言い、コーディはその場を離れる。3人が出した結論はコーディを殺すことだった。3人でコーディの元へ行くと、コーディは山賊たちがこちらに向かって来ていることを告げる。3人はコーディも味方にし、応戦することに。

 4人は山賊と撃ち合いに。銃撃戦でコーディは撃たれて死んでしまう。山賊たちは軍隊が来たため逃げ出す。3人はコーディの遺品から、家族からの手紙などを見つける。

 3人は金の産出が減って来たため、金鉱掘りを終わりにすることに。そして山を降りる。途中夜営をしていると、地元の住民が子供が意識を失ったと言って、助けを求めてくる。ハワードが村へ行き、子供を蘇生させる。ハワードは2人の元へ帰るが、村人がやって来てお礼がしたいので村へ来て欲しいと話す。ハワードは自分の金を2人に託し村へ向かう。3人はドゥランゴの街で落ち合う約束をする。

 2人だけになったダブズとカーティス。夜カーティスはハワードの金をドゥランゴへ届けずに奪ってしまうと言い出し、カーティスと揉める。ダブズが銃を出すがカーティスは銃を奪い、ハワードの金は街へ届けると宣言、この夜からカーティスは寝ずの番をすることに。しかし睡眠不足のカーティスは寝てしまったところをダブズに襲われ、撃たれてしまう。撃たれたカーティスは何とか這ってその場から逃げ、現地人に助けられる。

 村で聖人扱いを受けていたハワードの元へカーティスが来たことが知らされる。ハワードはカーティスからダブズとの間で何があったかを聞く。そして金を取り戻しに街へ向かう。その頃ダブズは1人街へ向かっていたが、疲れ果てていた。そして山賊の生き残りと出会い、殺されてしまう。山賊たちはダブズが連れていたロバを盗み街へ売りに行く。しかしロバには烙印が押されており、盗んだものだとバレて山賊たちは処刑される。

 遅れて街に着いたハワードたちは、山賊騒ぎのことを聞き、金の入った砂袋の行方を確かめる。そして山賊たちが砂袋を捨てたという修道院へ行くが、ノーザーと呼ばれる強風が吹き、全てを吹き飛ばしてしまっていた。それを知ったハワードとカーティスは大声で笑う。2人はこれからについて話す。ハワードは村に戻ると言い、カーティスはコーディの家に行くと話す。そして2人は別れて行った。

 

 高校生の時にカサブランカを見て以来のボガードファンのつもりだが、この映画は初見。なぜか見る機会がなかった。

 1948年と古い作品だが、先の展開が読めないのと、ボギーがだんだんと疑心暗鬼に陥って行く様が非常に面白かった。良く出来たストーリーだと思う。

 金(きん)の虜になってしまうボギーだが、これを金(かね)と読めば現代にも通じる話。10ヶ月の苦労が無駄になったことを知り笑い飛ばしたハワード爺さんのような生き方が一番、ということか。途中ボギーがカーティスを殺し笑うシーンがあるが、あれはラストのハワードとカーティスが笑うシーンへの伏線だったのか。この映画でアカッデミー賞を受賞したのが、ハワードを演じたウォルター・ヒューストンだというのも頷ける。

 しかし悪人役のボギーもカッコ良いじゃん。