●289 日本沈没 1973
小島が沈没したことを受け、深海探索機わだつみに乗り、田所博士が調査をする。操縦者は小野寺だった。博士は日本海溝海底で異常を発見する。
小野寺は上司から葉山で女性を紹介される。彼女は阿部玲子という名前で小野寺と意気投合する。2人が海辺で愛し合っていると山が噴火する。
総理大臣は会議を開き、被害状況を確認する。その後学者たちから日本海溝についてマントルの流れが原因だと説明を受ける。その会議の場で田所博士は今後のことについて覚悟をして欲しいと首相に話す。
田所は箱根の老人に呼び出され、自然現象の異常について話を聞かれる。田所は大陸移動説について説明する。研究室に戻った田所の元へ政府の人間たちがやって来てD計画について話をする。D計画は日本海溝についての調査を進めるものだった。田所は調査結果のデータから、日本列島が沈没する可能性を示唆する。
関東に大地震が発生、大きな被害が出る。政府は全力で対応するが、死者行方不明者が360万人となる大災害になってしまう。
3ヶ月後、国内はなんとか落ち着きを取り戻す。田所博士たちは箱根の老人にD2計画の話を持ち込む。首相もD2計画のため、内閣改造を行う。D2計画とは日本沈没の前に、日本国民を全世界に受け入れてもらうものだった。しかし世界各国は中々良い返事をしなかった。
その頃田所博士はTVで日本沈没を予言し大騒ぎとなる。博士は辞表を用意して発言したのだった。首相は箱根の老人に会い、今後の日本国民についての提案書を受け取る。新しい国建国、外国に帰化、難民化などを想定していたが、国外脱出を図らず運命を受け入れるという案もあった。
日本沈没が10ヶ月後だというシミュレーション結果が出る。政府は2週間後に発表をすることとする。しかしアメリカの学者が日本沈没の説を発表してしまう。
小野寺は玲子とともに外国に脱出する予定を立てる。しかし出発の日に玲子は噴火に巻き込まれてしまい、空港へ行けなくなってしまった。小野寺は玲子を探しに行く。
国連でもまだ日本からの受け入れは進んでいなかった。しかし日本沈没が各地が始まり、首相が直接外国と交渉した結果、世界各国から救助が日本へ向かい、日本人の受け入れも進んだ。
首相はD2計画の中止を決定、最後に箱根の老人の元に挨拶に行く。そこに田所博士が現れ、博士は日本に残ると話す。
地球のどこか別々の場所で、列車に乗る玲子、小野寺の様子が映し出される。
先日観た「猿の惑星」と同様、子供の頃に観て印象に残っている映画の一本。同じ原作でのドラマもあり、そちらでも小林桂樹さんが田所博士を演じていた。小林桂樹さんはこの時の苦悩する博士役のイメージが強かったが、その後森繁の社長シリーズを見て180度違う役柄にビックリした記憶もある。
ドラマは長丁場だった(wikiによれば26話)が、映画は2時間23分。最初の1時間が、日本沈没のメカニズムを丁寧に?説明し、後半の約1時間半は沈没に至るパニック部分を描いている。
しかし今回見て気づいたのは、後半はパニック映画というよりも、政府の対応や世界の対応が描かれているという点。10ヶ月後には国土がなくなる、となった場合、政府はどうするのか。世界は1億人の日本人を受け入れてくれるのか、という点をリアルに描いていた。しかもパレスチナ難民のことを例に挙げて。大地震の対応も描かれているが、この政府の対応はまるで「シン・ゴジラ」を簡易版のようなものだった。この部分ももっと丁寧に描いていれば先駆けた傑作と言われたかもしれない。丹波さんの首相の演技も堂に入っているし。箱根の老人との会話で涙するシーンはさすがである。
実際には、主人公小野寺と玲子のストーリーにも半分重点を置いてしまっているので、政府論の部分はちょっと物足りない。しかし小野寺と玲子についても、大混乱の中でなぜか出会える、というような安直な話にはなっておらず、まぁ合格点か。
この時代の映画なので、顔のわかる俳優さんが多数出演しているが、2人だけ。
中村伸郎さん。国連大使役の方だが、どこかで観た記憶があって調べたら、「悪魔の手毬唄」の多々良放庵じゃん。めちゃくちゃ特徴ある人だものなぁ。
もう1人は箱根の老人のそばにいる角ゆり子さん。パッと見た目に木村文乃さんかと思った(笑 美形の女優さんだが観たことがなかったのでwikiで調べたが、話題作に出た後あっという間に引退されたようで。残念。
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