ネバダ・スミス

●291 ネバダ・スミス 1966

 マックスが川で水汲みをしていると3人の男がマックスに人を探していると話しかける。それが父親の名前だったため、マックスは彼らに家の場所を教える。すると3人の男はマックスの馬を逃し、家に向かう。3人はマックスの父が金を掘り当てたと勘違いしており、金を要求する。拒む父の目の前でインディアンである母を川を剥ぐ。何とか馬を探し家に向かったマックスはそこで両親が惨殺されているのを目撃する。マックスは両親の死体とともに家を焼き、3人に復讐すること誓う。

 マックスは3人組の男たちを見つけ襲いかかる。しかしそれは両親の仇とは別人だった。彼らはマックスを許しともに食事をする。しかし翌日マックスが目覚めると馬も銃も盗まれていた。

 マックスは歩きで荒野を彷徨う。ある時1人で馬を連れている男を脅し、馬と食料を手にしようとするが、銃が使えないものだと見抜かれる。男はコードといい、銃の商人だった。マックスから事情を聞いたコードはマックスに銃の手ほどきをし、敵討ちのために必要なことを教える。

 マックスはコードと別れ、アビリーンの街へ行く。マックスは牛追いの仕事を見つける。ある晩仕事仲間たちと売春宿へ行く。そこで知り合ったインディアンの娘に事情を話し、傷のある男ジェシーの行方を聞く。娘は酒場にそんな男がいると話す。マックスはジェシーの馬を探しそこに父親の馬である印のSSの烙印を見つけ酒場へ行く。ジェシーを見つけ話しかけると彼は馬は買ったものだと言い出し、部屋に証拠があると話す。部屋までついて行こうとしたが、彼は突然逃げ出す。マックスは追いかけ乱闘になる。そしてマックスはジェシーを倒すが、自分も負傷してしまう。保安官に街を出るように言われたマックスはインディアンの娘に連れられ、インディアンたちの住居地へ行く。そこにはマックスの母の伯父がいた。ここでマックスは治療、体を回復させる。

 マックスは街へ戻り、他の男たちの行方を探そうと、ジェシーの部屋に忍び込む。そこにジェシーの妻が現れる。マックスはジェシーの仲間のことを尋ね、仲間の1人ビルがルイジアナで銀行強盗を計画していたことを聞き出す。

 マックスはルイジアナに向かう。途中新聞でビルが捕まったことを読む。そして銀行強盗をしマックスも捕まり、刑務所へ送られる。そこでマックスはビルが脱獄したことを聞く。しかし程なくビルは捕まり、刑務所へ戻ってくる。罰として鞭打ちの刑になったビル、川に放り込まれるが、マックスは彼を助ける。マックスはビルと仲良くなり、脱獄の計画を持ちかける。

 刑務所では月に一度地元の女性たちが囚人たちのところにやってきた。そこでマックスはピラーという女性と知り合う。彼女にも脱獄の話をし、ボートを用意して欲しいと頼む。そしてマックスはビルとともにピラーのボートで脱獄をする。

 しかし途中ピラーは毒蛇に噛まれてしまう。マックスはピラーを看病しながら逃亡するが、途中ビルが親の仇だと話し、彼を撃ち殺す。それを見ていたピラーは敵討ちのために自分が利用されたと思い、マックスにどこかへ行ってくれと話す。

 マックスは1人無事に逃げ延びる。彼は街に戻り、最後の1人トムを探す。トムはマックスがお尋ね者になっているのを知り、彼を恐れる。マックスはトムの名前を語り、街で保安官に捕まる。夜刑務所にいるマックスをトムの仲間が助け出す。トムの仲間に拷問されているところを神父が通りかかり、マックスを助ける。マックスは教会で体を回復させる。神父はマックスに復讐はやめろと言われる。

 教会を出たマックスはトムを見つけ、その仲間になる。トムはマックスを疑い、色々と聞くがマックスは偽名を使いそれを逃れる。そしてトムたちは金塊強盗をする。そして金塊を手に入れ、皆が山分けに夢中になっている時、1人マックスは遠くからそれを見ていた。それに気づいたトムは逃げ出すが、マックスに追い詰められ撃たれる。致命傷を与えないマックスにトムは早く殺せと怒鳴るが、マックスは途中で撃つのをやめトムの元を去って行く。

 

 冒頭で両親がむごい殺され方をし、マックィーンが復讐に向かう。とてもわかりやすい出だしで、これは久しぶりに本格的な西部劇かと思って観ていたら、あらビックリ。全く予想しない方向に話が進んで行った。

 1人目の仇討ちはまだしも、2人目の仇討ちのために自ら刑務所に入ったあたりからちょっと変調か。映画後半は脱獄もののように話が進む。しかも2人目を倒すのは随分とあっさりだったし。3人目に行く前に、神父に助けられ聖書の教えを告げられるマックス。ジョンウェインでも何本かあるし、以前にも同じことを書いた気がするが、やっぱり西部劇とキリスト教はセットになりやすいのか。この出会いがラストへ繋がるのだが、アメリカではこのラストがウケるのかなぁ。

 銃の扱い方や読み書き、含めマックスの成長物語であるのが、原作の狙いなんだろうなぁ。しかしこの映画製作時に30代半ばのマックィーンでは、成長物語はちょっとミスマッチなんだよなぁ。まるでこの前観た「助太刀屋助六」と同じ構図だ。