エイリアン

●293 エイリアン 1979

 宇宙貨物船ノストロモ号は地球への帰還を目指していた。人工冬眠していた乗組員が起きると、船のマザーコンピュータが信号をキャッチしていたため、地球ではなく別の惑星の調査に進路を変更していた。乗組員の中には反対する者もいたが契約で取り決められていたことだった。

 船から調査船を出し惑星に着陸するが、その際船が故障する。故障修理を進めると同時に、3人が惑星に降り立ち調査を開始する。人工物を発見し中を調査すると、化石化した地球外生命体を発見。さらに調査をするうちにケインは謎の卵を見つけ、卵から孵化した生物に顔面に取り憑かれる。一緒に調査に出た2人がケインを船に連れて帰る。

 リプリーは船内に入れることを拒否するが、科学主任であるアッシュが3人を船内に入れてしまう。慎重にケインの顔面に取り付いた生物を調べる。そして生物の足を切断すると、体液が流れその体液が船の一部を溶かしてしまう。生物の調査は打ち切る。

 するとケインの顔面に取り付いていたはずの生物がいなくなる。室内を調査し生物を発見するが、既に死んでいた。船の故障がある程度終わったため、急いで惑星から飛び立つことに。

 ケインが意識を取り戻す。皆で食事をするが、その最中にケインが暴れ出し、エイリアンが彼のお腹を食いちぎって飛び出す。

 乗組員たちは手分けして船内でエイリアンを探すことに。動くものに反応するセンサを使い調べている時に猫が飛び出してくる。調査の邪魔にならないように猫を捕まえようとブレットが1人で探している時に巨大化したエイリアンと遭遇、殺されてしまう。

 調べているうちに、エイリアンがダクトを使って移動していることが判明、火炎放射器を用い、エイリアンを船外へ放出できる部屋へ追い込む作戦を開始するが、1人でダクトに入っていた船長ダラスもエイリアンの餌食になってしまう。

 リプリーはマザーコンピュータの回答が出ないことやアッシュの態度に疑問を持ち、自らマザーコンピュータを操作する。するとエイリアン確保が最優先されている指示が出ていることを知る。秘密がバレたことでアッシュはリプリーに襲いかかる。パーカーやランバートリプリーを助ける。その際、アッシュがロボットであることが判明する。リプリーはアッシュからエイリアンの殺し方を知ろうとするが、アッシュもその方法を知らなかった。

 生き残った3人は、脱出用シャトルで船から離れ、船を爆破させようとする。パーカーとランバートは脱出機に必要なボンベを取りに行く。そこでエイリアンと遭遇、2人はやられてしまう。1人残ったリプリーは船の爆破装置を作動させ、シャトルに乗り込もうとするが、エイリアンに見つかってしまう。リプリーは急いで爆破を止めに入るが、間に合わなかった。時間のないリプリーシャトルへ向かい乗り込み、爆破寸前に船から脱出する。

 ホッとするリプリーだったが、シャトルにエイリアンが乗り込んでいた。彼女は気づかれないように宇宙服を着て体を固定し、扉を開けることでエイリアンを船外へ放出、ワイヤーで止まっていたエイリアンを噴射口を用い切り離す。

 

 言わずと知れたSFエイリアンものの名作。何度も観ているが、今回初めてこの作品が1979年公開だと知った。あのスターウォーズ未知との遭遇からわずか2年後。この2本の映画もSFの名作だが、どちらも「地球人」が宇宙に出て行った話ではない。この映画では、地球人が宇宙へ宇宙船で出て行く、ということを当時の知識でリアルに映像化した、と言えるだろう。今から見れば、船内でタバコを吸ったり、船内に猫がいたり、とちょっとおかしなシーンも多いが、当時は宇宙船内とはこんなものだろうと考えていたということだろう。

 昨年「コクーン」を観た時に、未知との遭遇から8年後の映画だが、宇宙人が好意的なところはその影響を受けたんだろう、と書いたが、たった2年後にこんなに好戦的な宇宙人をもう映像化していたんだね(笑

 エイリアンが腹を食いちぎって飛び出たり、ロボットクルーが顔だけで話したり、リプリーが下着同然の姿でエイリアンと戦ったり、と印象的なシーンが多い映画。久しぶりに観たけどどのシーンもハッキリと覚えていた。名作と言われる所以だな。