戦う幌馬車

●300 戦う幌馬車 1967

 西部を荒野を金塊輸送幌馬車が駆けている。

 トウジャクソンが街に帰って来る。保安官事務所に現れた彼は刑務所は3年で仮釈放になったと話し、保安官事務所に出頭しろという命令書を差し出す。保安官は毎週月曜に顔を出すように言い、牧場はピアースのものになったと話す。トウは承知していた。

 トウはピアース倉庫に行く。そこで働くフレッチャーにリーバイ、ローマックス、ビリーの居場所と積荷が4日後に出ることを聞く。

 その頃金塊輸送幌馬車が街に戻って来る。幌馬車はピアースの会社のもので、金属で装甲された幌馬車だった。ピアースは事務所に戻る。彼にトウが街に戻ってきたことが報告される。トウは彼は手下2人を呼びランバートに行きローマックスを探し、1万ドルでトウの殺しを依頼するように命じる。

 トウは町の酒場に行きローマックスを探す。彼はトウのタバコの火を撃ち落とす。ローマックスはなぜ戻ってきたかと尋ねる。トウは金儲けだと答え10万ドルだと話す。ローマックスはトウを自分の部屋に呼び入れ話を聞く。トウは3年前自分の牧場をピアースに騙し取られ刑務所に入れられた。その牧場から金が出ていたため、トウはその金は自分のものだと主張、金を輸送するのを襲うと話す。しかしローマックスは幌馬車が装甲車であること、護衛が30人ほどいることから不可能だと話す。それでもトウは方法はあると話し、ローマックスが銃の名人で金庫破りもできるから仲間にしたいと話す。

 2人は街にいた。ローマックスが1人でいるところへ、ピアースの使いの者が現れ、彼の伝言を伝える。使いの者は2人が仲が良さそうなのを見て2人を倒そうと銃を抜くが、返り討ちにあう。

 2人は原住民リーバイを探しに行く。彼は盗賊の一味となっていた。しかし2人が見つけた時にリーバイは仲間たちから銃でリンチを受けていた。2人は策を施しリーバイを助け出す。トウはローマックスにチュビスコに行きビリーを連れてこいと命じる。

 ローマックスはチュビスコへ行くが、ビリーは酒場の外の地面で寝ていた。ローマックスは強引にビリーを連れて帰る。その際、ビリーの特技は爆弾だと知る。

 トウはローマックス、リーバイ、ビリーと一緒になる。そこへ妻を連れたフレッチャーがやって来る。彼は運び屋だった。ビリーは妻を気に入り話しかけるが、フレッチャーは妻に近づくなと怒る。5人は幌馬車を襲う計画について話し合う。

 トウはリーバイと共に原住民の部族に会いに行く。部族たちはピアースに住む地を追われ、土地から出て行くところだった。トウは幌馬車を襲うのに手伝ってもらうつもりだった。部族長が手伝うために物品を要求、トウは承諾する。

 街に戻ったローマックスは馴染みの女とカード勝負を始める。そこへピアースがやってきて、トウを殺す依頼についてローマックスに確認する。彼はトウ殺しの依頼を引き受ける。

 街でビリーと会ったトウはフレッチャーの家で待つように指示する。彼の家に行ったビリーは妻と会話する。年の離れた夫婦であることに疑問を持ったビリーはなぜ結婚したのか聞く。妻は20ドルと馬と自分が交換されたのだと話す。3人は計画について話す。ビリーはダイナマイトではなく、ニトログリセリンが必要だと答える。

 トウは酒場に行く。そこにローマックスがいた。さらに2人がいることを聞きつけ、ピアースも現れる。2人の間に緊張が走るが、そこにリーバイが来てトウに喧嘩をふっかける。それをきっかけに店中で喧嘩が始まり大混乱に。3人は店から抜け出る。

 トウはローマックスにビリーとニトロをピアースの農場に盗みに行くように指示する。ビリーが酔っ払いであることを嫌っているローマックスは断るが、金をもらえるならということで盗みに行くことに。

 3人はピアースの農場へ。トウがピアースと話している間にローマックスとビリーがニトロを盗み出す。

 そして装甲幌馬車で50万ドルを輸送する日が来る。馬車にはガトリング銃まで装備された。トウたちも色々と準備をする。ローマックスは通信ケーブルを切断し、先の地点での機械故障だと偽モールス信号を送る。そして計画を実行する。

 幌馬車の後方から原住民たちが多数の馬で襲い掛かり、馬車の前方にいた護衛隊たちを後方へ引きつけたところで撤退する。馬車が先行し橋を渡ったところで橋を爆破。護衛たちは遠回りせざるを得なくなる。さらに道を誤らせ、馬車に飛び移る。中にいた護衛たちは恐れをなして逃げようとするが、一緒に乗っていたピアースに撃ち殺されてしまう。トウは馬車を崖から落下させる。ピアースは死亡、トウたちは金を手に入れる。フレッチャーが樽の中に金を入れ、粉でごまかす。トウはフレッチャーが馬車にこっそりと金を盗み分けたのを見ていた。その時原住民たちがトウたちを襲って来て、フレッチャーが殺されてしまう。ニトロで返り討ちにするが、馬車が驚いて暴走を始める。トウが追いかけるが、暴走した馬車はその樽を次々を落下させてしまう。落下し樽が壊れると粉が散乱、そこに通りかかっていた原住民たちが粉を奪ってしまう。

 トウは金を諦めるが、フレッチャーの壊れた馬車のところへ行く。そこにローマックスとリーバイがやって来る。全てを悟ったローマックスは、分け前とは別に決めていた手伝い料1200ドルを寄越せとトウに迫る。金など持っていない、あるのは馬だけだと話すトウだったが、ローマックスはトウの馬を持って行ってしまう。トウは馬車に隠されていた金を取り出す。そこへビリーがフレッチャーの妻を連れてやって来る。トウは彼に分け前は半年後、当面の金だと言い少量の金を渡す。

 酒場に戻ったトウのところへローマックスがやって来る。分け前の話をするが、トウは半年後だと言い、それまで自分の護衛をするようにと話す。

 

 2大スター競演の西部劇。いかにも『らしい』映画だった。

 西部劇にありがちな「バディもの」。他者から見れば金で殺しを請け負うような相手なのに、酒場で話しただけで組んで仕事をすることに。

 これまた西部劇でありがちな「幌馬車強盗もの」。しかしこの映画の幌馬車は装甲しており、最終弾ではガトリング砲まで積んでいる。それでも奪われてしまうけど(笑

 西部劇ではどうなのかわからないが、「プロの腕を持った仲間集めもの」。金庫破り、爆破、運送、原住民対応(笑 。集める仲間が窮地に陥っているのも定番か。

 見せ場としては、「酒場での大乱闘」「橋の爆破」かな。

 あと足りないものと言えば、主演2人の恋物語か。しかしこの映画製作時でウェイン60歳越え、ダグラス50歳越えだから、もういいでしょ、ってところなのかな。若いビリーが不遇のフレッチャー妻と最後に一緒にいるのが、その代わりか。

 ダグラスが馬に乗る際に見せる動きは見事。ウェインは酒場での大乱闘が楽しそうだし。この2人を主役にしておいての話のオチもシャレている。

 それでもやはり西部劇終焉を迎える頃の1本だという感じは否めない。上手にまとまりすぎているというのかなぁ。娯楽活劇、と言えばそれまでだが。