エデンの東

●304 エデンの東 1955

 山脈を挟んだ農地サリナスと漁港モンテレー。その間25km。1917年モンテレーの町外れ。銀行から出てきた女性ケートをキャルは尾行し、家までついて行く。ケートも気づいており、家にいたジョーに追いはらわせようとするが、キャルはケートと話したがる。

 キャルはサリナスの家に戻ってくる。キャルの兄アーロンは恋人アブラと父アダムの買った氷室を見に行く。そこにキャルも便乗する。アダムは冷凍技術を用いニューヨークにレタスを運ぶことを思いつき商売にしようとしていた。

 アーロンとアブラは氷室で会話をするが、アブラはキャルのことを怖いと言い、それを影で聞いていたキャルは氷室の氷を外へ放り出してしまう。

 夜アダムはキャルに反省させようと聖書を読ませるが、キャルは死んだと聞かされている母親のことについて父に尋ねる。そしてまたモンテレーに出向き、ケートが経営する酒場に行く。そこでケートの部屋に忍び込むが、気づかられて追い出されてしまう。キャルはケートが自分の母親だと気づいていた。

 キャルは保安官事務所へ連れて行かれる。保安官は父アダムの友人で、両親が離婚したことも、ケートがモンテレーにいることを承知していた。保安官はキャルを家に連れて帰る。

 キャルは父アダムのレタス事業を手伝うようになる。その時アーロンに弁当を持ってきたアブラとキャルは話をする。キャルは自分の父親が再婚した時に結婚指輪を捨てた話をし、キャルは喜ぶ。

 アダムの冷凍レタスがニューヨークに向けて旅立つが、途中雪崩事故に会い、氷が溶け出しレタスがダメになってしまう。それを知ったキャルは知り合いのウィルにレタス事業での負債を返すために金儲けがしたいと相談を持ちかける。そして大豆の先物取引きならば、戦争が始まるため儲けられるが5000ドルが必要だと知る。

 キャルはケートに会いに行き、5000ドルを借りる。その際、両親の間に何があったのかを聞き、自分はまじめな父ではなく、母親に似たのだと知る。

 戦争が始まる。楽勝ムードだと言われていた。アーロンは戦争には反対だった。しかし戦況は厳しく、長引きそうだと言われ始める。アメリカ在住のドイツ人が攻撃され始める。アダムは徴兵委員をすることになる。

 祭りが行われる。キャルは祭りの場でアブラを見かける。アーロンが来るまでの間2人は一緒に過ごすことに。観覧車に乗り、アブラはアーロンが亡き母を理想化しており、それを自分に求めていることに戸惑いを覚え始めたことを告白する。そして2人はキスをしてしまう。戸惑う2人だったが、そんな時トラブルで停止していた観覧車の下でドイツ人が騒ぎを起こし、それをアーロンが止めに入っているのが目に入る。キャルは急いで観覧車を降り、騒ぎの中のアーロンを助けに入る。しかしアーロンはアブラがキャルの上着を持っていたことやキャルや皆が暴力で事を解決しようとしたことに腹をたてる。それに怒ったキャルはアーロンを殴り倒す。キャルは殴った事を悔い酒を飲む。夜、キャルはアブラの家に行き、明日父の誕生日パーティをする準備を手伝って欲しいと話す。アブラは同意する。

 2人で誕生パーティの準備をし、父アダムを迎え入れる。キャルは相場で儲けた5000ドルを父にプレゼントするが、アーロンはアブラとの婚約を発表する。アダムは喜び、キャルからの5000ドルを見てどうやって手に入れたかを聞く。話を聞いたアダムは戦争で儲けた金は受け取れないと話す。キャルは絶望し庭に出て泣く。アブラが慰めに行くが、アーロンはキャルを罵倒し、アブラに近づくなと話す、。キャルは母親のことを話し出し、アーロンをモンテレーのケートの店に連れて行き2人を会わせる。

 キャルは1人家に戻り、父に怒りを爆発させる。そこへ保安官がきてアーロンが酒に酔い暴れ、志願入隊しに行くと列車に乗ったと話す。皆駅へ向かう。アーロンは列車に乗り行ってしまう。

 家に戻ったアダムは倒れ、脳卒中だと診断される。キャルは父に謝罪し部屋を出て行く。アブラはアダムに、キャルに優しい言葉を掛けてあげて欲しいと懇願する。アブラはキャルをもう一度部屋に呼び入れアダムと会話をさせる。アダムは自分の世話をキャルに頼む。

 

 若い頃、名作だと知り観たが正直今イチピンとこなかった。今回この歳になって久しぶりに鑑賞したが、やはりそのイメージは変わらない。親の愛情を求める、親の離婚により愛情をあまり受けられなかった、一方で兄弟は父にしっかりと認めてもらっている、など事情は理解できるが。

 今回wikiで調べ、この話はカインとアベルがベースにあると初めて知った。人類初の殺人、と言われるカインとアベルか。教訓めいたことが必要だとは思わないが、神の愛を受け入れる側にもそれ相応の態度が必要、ということなのか。やっぱり聖書のことは理解が不足してるんだろう。

 キャルの心理状態を表すような不安定なカメラワークだったり、認めてもらえない拗ねたキャルを演じるジェームズ・ディーンがさすがに見事だったり、やっぱり忘れられないテーマ曲だったり。こんな昔に作られた映画としては観るべき点は多いと思うが、これが自分にとって名作かと言われるとやっぱり、うーむ、と言わざるを得ない。