真昼の死闘

●305 真昼の死闘 1970

 ホーガンが荒野で三人組の悪漢に襲われているシスターサラを助ける。ホーガンがその場をさろうとするとサラは死者を埋葬すべきだと話す。ホーガンは断るがサラはホーガンからスコップを借りて埋葬する。その後二人は別れようとするが、ホーガンはフランス軍を見つけ、サラに軍に助けてもらうように話す。

 しかしサラはメキシコ軍の軍資金集めに協力したため捕まってしまうと話す。ホーガンはサラを連れ逃げる。2人のそれぞれが機転をきかしフランス軍をやり過ごす。2人は一緒に野宿をする。その際ホーガンはサラがチワワに住んでいたことを知る。そこはフランス軍の駐屯地だった。ホーガンはサラに駐屯地の様子を詳しく聞く。ホーガンはサラをゲリラのところへ連れて行くと言い出し、ゲリラに加担し、フランス軍の要塞を落とす計画をたてる替わりにフランス軍の金の半分をもらうと話す。それを聞いたサラはフランス軍は7月14日の革命記念日ならばフランス兵は皆酒を飲んで酔っ払うと話す。

 2人は旅を始める。サラの乗った馬が怪我をし一緒に行くことが不可能だとホーガンは判断するが、サラは通りかかった地元民に馬とラバを交換し、旅を続けることに。途中野宿をしている時に偶然フランス軍から逃げて来た地元民と出会い、フランス軍がサンタマリアに汽車で向かうことを知る。その街にはゲリラたちが隠れていた。

 2人は旅を続ける。途中フランス軍居留地に立ち寄るが、その際メキシコ人が処刑されるのをサラは目撃する。そして死にそうな大佐にお祈りをと言われ連れて行かれるが、その男が「このアマ」と叫ぶのを十字架で口を押さえなんとか逃げるが、サンタマリア行きの汽車に武器弾薬を積むという情報を仕入れる。

 ホーガンは汽車が橋を渡るところで橋を爆破させようと考える。しかし橋に向かう途中、ホーガンは原住民に矢で射られてしまう。なおも危険な状況だったが、サラは十字架をかざし原住民たちから逃げる。ホーガンは胸を射抜かれていた。その傷の手当をホーガンが話し、サラが治療することに。無事治療は済むがホーガンがしばらく気絶し汽車の時間まであと少しになってしまう。

 2人は橋にたどり着く。爆薬を仕掛けようとするが、ホーガンは怪我で橋に登れないため、サラが行くことに。サラは高所恐怖症だったが、なんとか爆薬を仕掛ける。爆薬はホーガンがライフルで撃って爆破させるつもりだが、怪我をしているホーガンは両手が使えない。サラの肩を借りて射撃をするが、治療時の酒も残っていて狙い通りに撃てない。そして汽車が迫ってくる。サラはホーガンを殴り正気にさせる。そして爆薬を撃ち橋を破壊、汽車は転落する。

 2人は目当ての酒場に向かう。ホーガンはそこで合言葉を伝えるが、店の主人が病気のため息子しかおらず意味が伝わらなかった。店の主人の元へ行き話をし、ゲリラのリーダーであるベルトラン大佐の元へ連れて行って欲しいと頼む。

 2人はベルトランの元へ。チワワの攻略について話し合う。ホーガンはベルトランにダイナマイトが必要だと話すが、そんな金はない、自分の指示に従うのなら一緒に来いと答える。ホーガンとベルトランは一触即発の状態になるが、サラが自分の指輪を売りダイナマイトを買う資金にすれば良いと話す。

 ホーガンはダイナマイトを購入しチワワでベルトランたちと合流する。そしてフランス軍駐屯地が見下ろせる教会へ入る。しかしフランス軍兵たちは酔っていなかった。汽車が爆破されたことで警戒を強めているらしかった。ベルトランは撤退を提案するが、サラは駐屯地への秘密地下通路のことを話す。その入り口は娼館で、実はサラはそこの娼婦だった。夜になり通路から駐屯地地下へ入る。しかし地上への扉が施錠されていて出られなかった。そこでサラをフランス軍に引き渡しその際に扉を開けることにする。ホーガンがサラを連れ駐屯地を訪れる。しかしサラを地下牢へ連れて行かずその場で処刑しようとしたため、ホーガンは将軍たちを射殺、ゲリラたちも一斉に駐屯地を襲う。壮絶な撃ち合いになり、その隙にホーガンはフランス軍の金庫を奪い、サラの待つ娼館へ。二人は金を持ってまた旅立って行く。

 

 イーストウッドの西部劇は昨年12月の「ペイルライダー」ぶり。久しぶりにイーストウッドの初見の西部劇なので楽しみにしていたが、これまた一筋縄ではいかないストーリーで面白かった。イーストウッドマクレーンの絶妙なコメディタッチのロードムービーといった感じか。

 映画の中盤、2人が橋を爆破するシーン、それに成功した直後に、イーストウッドが矢で射られてしまい、治療するシーンまでが約20分ぐらいか。この部分だけで、1本の映画のラストになりそうな感じで、十分笑いも見ごたえもあった。

 しかしこのシーンで半分、残り半分のゲリラたちと合流し〜、は冗長すぎたか。ラストのフランス軍vsゲリラ軍の壮絶な撃ち合いを見せ場にしたかったんだろうけど、所詮ダイナマイトでボーン、だからなぁ(笑 でもこのシーンの前の、サラが実は娼婦だった、というのが本当のオチだから仕方ないのかなぁ。

 イーストウッドの西部劇の割には、個人の銃さばきはほぼないのが残念。その分、マクレーンとの掛け合いが可笑しいので「行って来い」なのか。マクレーンはあまり可愛く思えなかったが、タバコを隠れて吸ったり、酒を飲んだりするシーンは独特の可愛さがあった(笑 顔を見てもあまりピンと来なかったが、そう言えば「ハリーの災難」でも「アパートの鍵貸します」でも、独特の印象を残す女優さんだったもんなぁ。