がんばれ!ベアーズ

●309 がんばれ!ベアーズ 1976

 バターメーカーは議員であるホワイトウッドから少年野球チームベアーズの監督をするよう頼まれる。ホワイトウッドはチームを一つ増やし、強豪ぞろいのリーグに入れたのだった。バターメーカーは集まった少年たちと練習を始めるが、誰も下手くそで口ばかりうるさい少年たちだった。バターメーカーはユニホームのスポンサー探しまでしなくてはいけなかった。バターメーカーは元マイナーリーグの投手だったが、今はアル中で練習中にもビールを飲み、倒れてしまう始末だった。

 リーグ戦が始まる。初戦の相手はヤンキースだったが、1回表の相手の攻撃で26点も取られ、バターメーカーは試合を放棄する。少年たちは彼の言葉を聞かず皆帰ってしまう。一人黒人少年のアマフドが木に登ってしまったと連絡が入る。彼のそばまで木を登ったバターメーカーは、試合でエラーをして気落ちするアマフドに、足が速いからスイッチヒッターになってもらうつもりだったと話す。

 初戦を大差で負けたことを知ったホワイトウッドは、試合に出た息子がショックを受けていると話し、チームは解散させるとバターメーカーに話す。

 バターメーカーは別れた恋人の娘アマンダに会いに行く。彼女は女の子にもかかわらず良いピッチャーだった。しかし彼女は野球などするつもりはないと話す。

 グラウンドに戻ったバターメーカーは、少年たちから学校でバカにされたからもう野球は辞めると皆で投票で決めたと言われる。彼は少年たちに監督として失格だったと謝った後、練習に強制参加させる。そこで彼は少年たちに野球の基本を教え始める。

 初戦の相手ヤンキースの監督ロイが、ベアーズがまだ練習をしているのを見て止めに入る。議員も辞めさせると言っていると話す。しかしバターメーカーはリーグ戦で2位までに入り、決勝戦に出るつもりだと答える。

 2戦目アスレチックス戦。最終回まで試合は出来たが、18対0で負ける。ヒットは1本もなく24個のエラーがあった。気落ちする少年たちをバターメーカーは励ます。そしてまたアマンダに会いに行く。そして彼女を挑発し、野球をやらせることに成功する。

 3戦目メッツ戦。アマンダが登板し0対0のまま最終回相手の攻撃を迎える。しかしルーパスのエラーで負けてしまう。ルーパスを責める少年たちに、勝ちも負けもチームの責任だと話す。

 練習をしている時に不良少年ケリーがグラウンドの外に出たボールを遠投して返してよこす。それを見たアマンダはケリーをチームに入れようと提案、彼がいるゲームセンターに遊びに行き、エアホッケーで勝負するが負けてしまい、一緒にコンサートに行くことに。

 しかしケリーはベアーズの練習に顔を出しチームに参加し、アマンダの投げた球を打ち返す。エースと強打者が入ったことによりベアーズは勝ち始める。

 そしてベアーズは最終戦で勝てば決勝に行けるところまで来る。何としても勝ちたいバターメーカーはセンターを守るケリーに取れるフライは全部取れと命じる。そしてケリーは他の少年の守備範囲まで行きフライを取ってしまう。試合には勝つことができたが、少年たちはケリーのやり方に不満を持ってしまう。

 試合後肘を冷やすアマンダはバターメーカーに明日の決勝戦に母が来ること、そして明日以降のことを話そうとする。しかし彼は明日の決勝戦のことしか話さず、アマンダの母とは2年前うまくいかなかったと言ってキレてしまう。アマンダはその場を去って行く。

 そして決勝戦当日。試合前の練習でもケリーは皆から相手にされなかったため喧嘩となる。喧嘩を止めたバターメーカーは理由を聞き、命じたのは自分だ、皆勝ちたいだろと話す。試合が始まる。相手チーム、ヤンキースの監督も選手に厳しい指示を出していた。乱闘があったり、微妙な審判の判定もあり、両監督ともエキサイトする。

 バターメーカーはルディにデッドボールになるように指示するが、彼はヒッティングをしてしまう。バターメーカーはベンチで怒りを爆発させ、少年たちを叱り飛ばす。しかし少年たちは黙って彼を見つめる。バターメーカーは冷静さを取り戻す。

 試合は敵が1点リードのまま最終回前のベアーズの攻撃。今日当たっているエンゲルバーグがバッターボックスに。ヤンキースの監督は息子であるピッチャーに投球の指示を出すが、息子は彼を三振に取りたがる。次球で息子は危険球を投げてしまう。それを見た監督は息子を殴る。試合は続行され、エンゲルバーグはピッチャーゴロを打つが、それを取った息子はどこにも送球せず同点となってしまう。息子はマウンドを降り、父親である監督にボールを渡しグラウンドから去って行く。

 そして同点で迎えた最終回ヤンキースの攻撃。バターメーカーはこれまでベンチで控えていた少年たちを試合に出す。ピッチャーも肘が悪いアマンダを降板させる。そして5点を取られてしまうが、最後にルーパスが外野フライを取り少年たちは歓喜する。

 最終回裏のベアーズの攻撃。簡単に2アウトとなった後、フォアボールなどがあり満塁となり、ケリーがバッターボックスに。そして外野へヒットを放ち、ケリーもホームに突っ込むがアウトになってしまう。

 試合には負けたがベアーズはベンチでビールで祝杯をあげる。そして試合後の挨拶に臨む。ヤンキースからシーズン中にバカにしたことへの謝罪の言葉や敗者への応援の言葉が送られるが、来年を見てろよと叫びビールファイトが始まる。

 

 これこそ子供の時に見て以来、何十年ぶりに見ただろう。非常に楽しく観た記憶、「カルメン」の音楽、一癖ありそうな監督の顔。本当に懐かしかった。ストーリーは覚えていなかったので、ラストまで楽しく観ることができた。

 良く出来たストーリー。大勢の子供が主役というだけでイケてるのに、音楽も良いし、定番通りの助っ人〜エースと四番〜の参加も良い。さらに終盤決勝戦でのエピソード。相手チームのピッチャーが最後に取る行動〜大人に対する反逆〜も良いし、ダメダメだったルーパスが最後に外野フライを取るのも最高。

 この歳になって観ると、既にアカデミー賞を取っているテータムオニールや、「サブウェイ・パニック」で観た顔じゃんというウォルターマッソーなど俳優陣のことも気になるが、やはり主役はその他大勢の少年たちだ。子供が大人にひと泡ふかせる映画は、やっぱり大好きだなぁ。