木槿ノ賦 居眠り磐音江戸双紙 佐伯泰英

木槿ノ賦 居眠り磐音江戸双紙 佐伯泰英

 磐音シリーズ第42作。季節は引き続き夏から秋。実高俊次江戸入りと江戸起倒流客分道場へ、照埜おこん母墓参りと武左衛門息子修太郎入門、正睦照埜旅立鎌倉へ、奈緒夫大怪我と吉原足抜け騒動、修太郎騒動と俊次教習により霧子負傷。

 前作で藩の騒動に決着がついたが、正睦照埜夫婦は半年近く江戸に滞在。その間に、藩主実高と養子俊次が江戸へ来て、俊次の養子が家治に認められる。豊後関前藩の騒動、跡継ぎ問題が全て解決し正睦夫婦が帰っていくが、途中お代の方に会うことに。

 で話は新たな方面へ展開する。一つは武左衛門の息子修太郎が道場へ入門。しかし親父に似たのか?稽古にあまり顔を出さなくなってしまう。母親勢津の甘やかしが原因だと早苗は考える。一方で武左衛門がとうとう真人間になった気配(笑 今度はその分息子が問題を起こしそうだが。

 もう一つは、三たび登場、奈緒のことが話題に。奈緒本人ではなく、夫前田内蔵助が大怪我をし体が麻痺しているとの情報が入る。本作ではここまで。しかしまだまだ続きそうな予感。

 最後は、関前藩跡継ぎ俊次が襲われ、それを警護していた霧子が大怪我を負ってしまい、国瑞や淳庵に治療してもらう。磐音と利次郎は、襲った起倒流道場へ乗り込み、道場主鈴木清兵衛と一線を交え、叩きのめす。

 前作最後での鑓兼を追い詰めた場面もスカッとしたが、今回霧子の仇を討つ利次郎の戦いにもスカッとした。利次郎のカッコ良いこと。

 さて奈緒の一件、磐音は今回どんな活躍をするのか。でも夫の怪我だしなぁ。