ショーシャンクの空に

●318 ショーシャンクの空に 1994

 1947年アンディは妻とその愛人殺しの容疑で裁判にかけられ、無罪を主張するが有罪となる。

 刑務所ではレッドが仮釈放審査会に臨んでいた。終身刑20年目での申請だったが却下される。アンディがレッドのいるショーシャンク刑務所に服役してきた。この刑務所では新入りが夜騒いだだけで看守に殴り殺されるようなひどい刑務所だった。

 アンディは何でも手に入れることを商売にしているレッドに声をかけ、ロックハンマーを注文する。レッドはアンディのことが気に入る。アンディは囚人のボッグズに目をつけられ何度も襲われる。

 1949年刑務所内の作業として壁塗り工事が行われることになり、アンディやレッドはその業務につく。その作業中、看守が話した遺産を受け取る話を聞いたアンディは銀行員時代の経験を生かし、税金対策を看守に教える。引き換えに作業者に毎日ビールを奢らせることを要求する。

 アンディとレッドは仲良くなって行く。アンディは石の加工が趣味だと話す。また映画女優を手に入れてくれとレッドに頼む。アンディはまたボッグズに狙われるが、激しく抵抗しボコボコにされ、1ヶ月入院することに。ボッグズも懲罰房に入れられるが、房を出た後、看守にボコボコにされ特別刑務所に移送される。

 入院生活から戻ったアンディに皆から石のプレゼントが贈られる。

 所長から目をかけられたアンディは図書室係に変更される。その代わり彼は看守たちから資産運用などについて相談を持ちかけられるようになる。アンディは図書室係の立場を利用し、議会に図書室の充実を訴える手紙を出し続ける。アンディの銀行員としての知識は所長や看守たちに大いに利用されるようになっていく。

 図書室係としてアンディの先輩のブルックスが騒ぎを起こす。彼は50年目にして初めて仮釈放されることになり不安を感じていた。彼は外界での生活を始めるが、それに慣れず自殺してしまう。

 刑務所に大量の本が届けられる。アンディの訴えが通ったためだった。彼は贈られてきた荷物の中にあったレコードをかけ、刑務所内に放送して流す。看守や所長が激怒し止めようとするが、アンディは聞き入れなかった。彼は懲罰房に入ることに。

 懲罰房から出てきたアンディを仲間たちが心配するが、彼は希望の重要性を訴える。

 レッドは30年目の仮釈放の審査会に臨むが、またも却下されてしまう。

 アンディの議会への訴えは続き、とうとう図書館として作り直すことになる。所長は刑務所を矯正施設として前進させる政策を打ち出す。しかしそれは賄賂などを生み出し、所長の私腹を肥やすこととなる。それらにアンディは力を貸し、架空の人物を作成しその人物の口座に賄賂などの金を入金、隠すことにする。

 1965年トミーが服役してくる。彼は妻が子供を産んだことを機会にアンディに勉強を教えてもらうことに。トミーは1年間高卒の資格を取るためにアンディの元で勉強に励む。そして試験に臨む。トミーはアンディの罪状を聞き、他の刑務所で一緒だった囚人から聞いた話をする。その囚人はアンディの妻と愛人を殺したことを自慢していた。

 その話を聞いたアンディは所長に再審のためにその囚人を探して欲しいと頼むが、所長は受け入れない。アンディは賄賂の件は話さないと言うが、その言葉で所長は逆に激怒してしまい、アンディは懲罰房に入れられてしまう。

 トミーは試験に合格していた。トミーは所長に呼び出され、アンディの件が本当かどうか確認する。トミーは間違いないと話すと、看守に射殺されてしまう。所長はアンディにトミーは脱獄しようとして射殺されたと話す。

 懲罰房を出たアンディはレッドと、刑務所を出たらメキシコのシウアタネホに行き暮らしたいと話す。そしてレッドに釈放されたら、バクストンの牧草地にある大木の元に黒曜石があるのでその下を掘るように頼む。

 その日の夜、レッドは様子がおかしかったアンディのことを心配する。彼はロープを手に入れていたと聞いたので、ブルックスのように自殺してしまうのではないかと心配する。翌朝点呼の際にアンディは独房から出てこなかった。看守や所長が調べると、アンディの独房の壁のポスターの裏に脱獄用のトンネルが掘られていた。彼は20年をかけてトンネルと掘っていた。そして所長の賄賂用の口座名を名乗り、口座にあった37万ドルを持って逃げ、所長の賄賂や看守の殺人をマスコミにリークした。看守は捕まり、所長は逮捕直前に自殺する。

 レッドは40年目の仮釈放の審査に臨む。彼はもう仮釈放を望まなかったが、許可が出る。彼は外界でブルックスと同じように暮らし始める。そしてアンディとの約束を思い出し、バクストンへ行き、アンディからの手紙を受け取り、シウアタネホへ。アンディと再会を果たす。

 

 昔からタイトルだけは目にしていて、傑作なんだろうと思っていた。今回が初見だったが、これが見事な大傑作。刑務所モノと言えば、「アルカトラズからの脱出」や「グリーンマイル」が思い浮かぶが、主人公の罪状、脱獄方法など、この映画は刑務所モノの王道といった感じがする。「グリーンマイル」も傑作だったと思うが、同じ原作者なのね。どちらも囚人や看守の話が良くできている。

 映画のテーマは「希望を持つこと」だと思うし、ストーリーに置けるそのテーマの説得力が半端ないので、それだけでも傑作だと思うけど、この映画は他にも、アンディとレッドの男同士の静かな友情も見応えあるし(モーガン・フリーマンがカッコ良い)、主人公が本当に無実だったことも判明するし(映画冒頭の裁判シーンで無実を訴えている)、何より映画女優のポスターが伏線となっているのがサイコー。映画の中で3回ポスター(女優)が変わるのも、クスッとさせるけど、もっと大きな意味があったのねと最後にわかり唸ってしまう。

 ブルックスの自殺がありレッドが囚人の心理を話す場面も説得力があるので、アンディやレッドが自殺してしまうのかも、というちょっとしたハラハラ感もあり、その分ラストの二人の再会シーン、青い海のキレイなこと、気持ち良さそうなこと。

 いやぁ久しぶりに全く知らない映画で感動させてもらった。