家族ゲーム

●332 家族ゲーム 1983

 中学3年の沼田茂之の元へ家庭教師として吉本がやってくる。茂之は成績が悪く、学校ではいじめにもあっていた。吉本は茂之に勉強を教えようとするが、茂之は吉本の言うことを聞かなかった。吉本は茂之をビンタし鼻血を出させる。その後茂之は吉本の言うことを聞き勉強をし始める。

 茂之が学校でいじめを受け怪我を負って帰ってきたと吉本は知り、勉強をしたら喧嘩の勝ち方を教えてやると話す。放課後いじめの相手土屋と対決することになり、殴り勝つ。その後家に土屋が訪ねてきて、二人は仲良く話をする。

 茂之は土屋と同じ西武高校には行きたくないため、神宮高校を受験するつもりでいたが、成績が上がってきたため父親が西武高校を受験するように話す。嫌がる茂之だったが、吉本に説得され西武高校を受験することに。そして見事合格。合格祝いのパーティが沼田家で行われ吉本も参加するが、父親が長男に説教をする中、吉本は沼田家全員を殴り倒し、家を出て行く。

 

 久しぶりに観た。あのボールのループコースター(スペースワープという商品名らしい)買ったもんなぁ。

 昔観たことのある多くの作品はその内容を覚えていないことが多いが、松田優作が好きだったからこの映画の松田優作のシーンはよく覚えている。ただストーリーはあまり覚えていなかったが(笑 それでも当時この映画には衝撃を受けた。これが映画なのか、と思ったものだ。ただTVドラマ「探偵物語」と同じように、松田優作が楽しんで演技?しているのがわかる気がしていた。

 久しぶりに観たが、今見るとやはり良くできていると改めて思わされる。当時から有名だった横一線に並ぶ食卓シーンはもちろん、BGMを使わず、それでいて食べる飲むに関する音がしつこいほど強調される。今ではASMRなどが有名になったが、この映画での飲食の音の意味はなんだったのか。

 ラスト、松田優作は沼田家一人一人を殴り倒して行くシーン。当時は優作のギャグだと思っていたが、あれはせっかく家庭教師として家庭を修復したのに、最後の食卓で父親も含め家族が何もわかっていないことに対する家庭教師吉本の怒りだったのか、と思う。船でやってきて、船で去って行くのは、結局家庭は何も変わらなかった、そんな象徴だったのかなぁ。

 優作ファンとしては何年かに一度観たくなる一本。