●魔法使いは完全犯罪の夢を見るか? 東川篤哉
東川篤哉の新しいシリーズを読み始め。ここのところ真面目な映画や本が続いたので、気軽に読めるものを、ということで(笑 4編で構成される短編集。
いずれも「魔法使いと〜」の副題。
「〜さかさまの部屋」
死体のあった部屋の家具などが上下や左右で逆さまになった状態で見つかる。ポイントは手を怪我していた犯人が重いブラウン管TVをどう逆さまにしたのか。
「〜失くしたボタン」
死体移動でアリバイ工作をした犯人が犯行現場の家に服のボタンを落として見つからない。犯人は第一発見者を装いそれをごまかす。ポイントは車庫と車の大きさ。
「〜二つの署名」
遺書を偽装することで犯行を自殺に見せかけた犯人。ポイントは手書きの遺書、左利きと万年筆。
「〜代打男のアリバイ」
野球選手が自分に似た顔を持つ男を利用しアリバイ工作をして殺人を犯す。ポイントは犯人が買ったスポーツ新聞。
魔法使いの少女と若い刑事という組み合わせがウリ。魔法使いが犯人を指摘、魔法では証拠にならないので、刑事がその証拠を探し見つける、という展開。全体的に推理小説というよりはユーモア小説、という感じで、映像化を狙ったんだろうと思われるシーンが多い(笑
4つともに証拠やトリックはユーモア小説にしては良く出来ていると思うが、刑事の相棒を「魔法使い」にする理由は何かあったのだろうか(笑 小説内でも指摘しているが、最後の1編を除き魔法使いにする必然性はないように思うんだが… やはり映像化が狙いか(笑
まぁ続編もきっと読みますけど…