鬼平犯科帳 第7シリーズ #14 逃げた妻

第7シリーズ #14 逃げた妻

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 盗賊改方は盗賊一味を捕らえるため盗っ人宿を強襲する。しかし一味の燕小僧は取り逃がしてしまう。陣頭指揮に当たった小林は鬼平に謝罪する。その時燕小僧の人相書きを同心三井が持ってくる。鬼平は三井を見廻りに同行させる。鬼平のお供が出来ない忠吾は面白くなかった。

 忠吾は一人居酒屋鮒宗へ。そこで店の女将お千代から顔見知りの藤田が後添えをもらったという話を聞く。奥の座敷で飲んでいた藤田は忠吾を座敷に誘い一緒に飲むことに。藤田の前妻おりつは2年前に行方知れずになっており、女将の口添えもあって米屋の娘おみねと一緒になったのだった。藤田の娘お由美も懐いていた。

 鬼平に同行していた三井は鬼平を見失ってしまう。茶屋で休んでいる時に船に乗っている燕小僧を見かける。三井は鬼平に報告、鬼平は船宿を調べさせる。

 後日鮒宗で藤田は忠吾に相談を持ちかける。前妻おりつから助けを求める手紙をもらったということだった。忠吾はおりつと今更会ってどうするのかと聞くが藤田は復縁もあり得ると話す。忠吾は相手が悪党だとすると心細いと彦十に相談する。彦十は鬼平に相談すればと言う。結局忠吾は鬼平に事情を説明し応援を求める。その時燕小僧の乗った船の船宿と行き先が判明する。

 鬼平はおりつが待ち合わせ場所に指定した茶屋へ出向く。そこでおまさと会って場所周辺の事情を聞く。そこで鬼平は燕小僧を見かけ、おまさと鬼平が跡をつけることに。

 忠吾はおりつの身を預かることを鮒宗の夫婦に頼むが、藤田とおみねの仲人の二人は良い顔をしなかった。おりつと別れる約束をするならばという条件で承諾させる。

 燕小僧は仲間がいる家へ。そこには仲間の浪人と女がいた。燕小僧は鬼平が自分を探していることを知り上方へ逃げることにすると言い、浪人に当座の金を渡し家を出る。おまさが燕小僧をつけ、鬼平は家の中へ。浪人を倒し女を捕まえる。女はおりつだった。燕小僧は盗っ人宿と思われる小間物屋へ入っていく。

 忠吾が夜遅く役宅に戻ると鬼平から呼ばれる。鬼平は藤田の件は全て片付いたと話す。役宅に藤田が呼ばれ浪人の面通しをする。藤田は浪人を内田と呼び、昔近所に住んでいたと話す。次に藤田は内田と暮らしていた女だと言っておりつに会わせられる。おりつは謝るが藤田は怒る。しかしおりつは内田と逃げた後は地獄だったと言い身体中のあざを見せ藤田に言い寄る。

 鬼平は忠吾におりつと内田、そして燕小僧のことを告げる。そして三井のことも。

 藤田は鮒宗でおりつと会っていた。おりつは藤田が再婚しているため体を許さず、藤田に離縁を迫る。そこへおみねがやってきて二人が一緒にいるところを見てしまう。

 盗賊改方は盗っ人宿の小間物屋へ乗り込み一味を捕らえる。

 忠吾は鮒宗へ出向く。主人夫婦から藤田がおりつと逃げたと聞かされる。おみねとお由美はおみねの実家の米屋にいた。忠吾と鮒宗主人はおみねに謝りにいく。その頃藤田はおりつに骨抜きにされていた。忠吾は五鉄で藤田のことを怒るが、鬼平はおりつは藤田では満足できず、やがて藤田は捨てられスゴスゴ帰ってくるだろうよと話し、その通りになる。

 

 女の怖さを描く鬼平の話は多いが、これもその一本。ただこの話では、それよりも男のダメっぷりが目立ってしまっていたが(笑 うじきつよしがそのダメ男を上手く演じていた。男の視聴者が多いであろう「鬼平犯科帳」で、男のダメっぷりを描いているのが、この話がドラマ化されてこなかった理由か?

 話としては、捕り物で取り逃がした燕小僧と忠吾の知り合い藤田の逃げた妻からの助けを求める手紙が途中でリンクしていく、というパターン。出来過ぎの感はあるが、そこは仕方なしだろう。

 ちょっと珍しいのは、冒頭とラストで盗賊改方の大捕物シーンが描かれていること。さらに話の途中で鬼平が家の中で浪人と対決するシーンもあること。つまりチャンバラシーンが多いのが、ここ最近のシリーズでは珍しい。ひょっとしてこの話も原作が短すぎるのか?

 とうとう第7シリーズも後1本となってしまった。第8、第9は短いシリーズなので、ある程度の長さを保ったシリーズはこの第7シリーズが最後。あぁ最終話、見たいような、見たくないような。