魔法使いと最後の事件 東川篤哉

●魔法使いと最後の事件 東川篤哉

 東川篤哉の魔法使いシリーズ4冊目。これで完結?

 

 いずれも「魔法使いと〜」の副題。

 「〜と幻の最終回」

 遺産目当てで人気作家である叔父を殺害した犯人。上手くいったように見えたが、叔父の助手である女性に殺害を疑われる。ポイントは作家の使っていた筆記具。

 

 「〜と隠れたメッセージ」

 自分よりも高収入である妻にバカにされ衝動的に妻を殺してしまった夫。妻が最後に書いたダイイングメッセージを見つけ現場から持ち去る。しかしカーボンコピーで他にも残っていたのに気づき偽装工作をするが…。ポイントは、カーボンコピーではない複写。

 

 「〜と五本の傘」

 職場の憧れの女性と先輩が結婚すると聞いて驚いた後輩、先輩からバカにされる言葉を言われ逆上し先輩を突き飛ばしたところ、打ち所が悪く先輩が死んでしまう。雨が降っていたため現場に傘を残して行くが…。ポイントは雨の日の喫茶店の傘立て。

 

 「〜と雷の奇跡」

 叔父の所有する土地にマンションを建てることを夢想し叔父を殺害した甥。正当防衛に見える芝居をし目撃者も作り成功したかに見えたが…。ポイントは雷とキノコ。

 

 

 前作終わりで姿を消した魔法使いはあっさりと戻ってくる(笑 そりゃそうだ、彼女がいないと事件解決しないからね。最終巻のようだが、それをはっきりと示すことは書いていない〜タイトルだけ、か。ただ主人公の刑事と魔法使いマリィが結婚するのでこれでハッピーエンドということだろう。

 事件解決につながるトリックはこの作品が一番の出来かも。最終話は知識の披露という感じだが、それ以外の3話は上手く使えば、ドラマなどで上手く使えば、効果的なトリックだと思える。

 なんだかんだ言って、東川篤哉のシリーズものは3つ読み終えてしまった。他のシリーズにも手を出すか…。