名探偵も楽じゃない 西村京太郎

●名探偵も楽じゃない 西村京太郎

 世界が誇る名探偵、明智小五郎、エルキュールポワロ、エラリークイーン、メグレの4人が日本のミステリーマニアの会に招待される。その場に自ら名探偵だと名乗る左文字京太郎が現れる。その会場で連続殺人事件が発生。左文字が事件解決に乗り出すが…。

 

 約50年前に書かれた小説。中学生の頃、世界の推理小説シリーズを読んでいたので、ワクワクしながら読んだ記憶がある。

 犯人もトリックも記憶していたので、さすがに色々と無理がある、と思われる展開があるが、それでも「4人の名探偵」「吹雪の山荘もの(クローズドサークル)」「若い名探偵の登場」とミステリーファンにはたまらない設定が揃っている。

 西村京太郎のこの名探偵シリーズの第3作にあたる。第1作は3億円事件がテーマ、第2作ではルパンや怪人20面相まで登場、それを受けての第3作であるため、前2作に比べると地味であることは否めない。その分クローズドサークルでの連続殺人が見せ場となるが、そのトリックがちょっと卑怯な?手を使っているため、事件解明時にはちょっとがっかり。

 まぁでも数十年ぶりにあの頃に戻れたようで楽しかった。