地獄への逆襲

●359 地獄への逆襲 1940

 前作「地獄への道」のラストシーンから映画はスタートする。ジェシーが昔の仲間に撃たれて死んでしまう場面。新聞では列車強盗ジェシーが殺害されたこと、兄フランクも死亡か、と報じられる。

 フランクはベンという偽名を使い、昔の仲間の息子クレムと下男ピンキーと平和に暮らしていた。クレムがジェシーがフォード兄弟に殺害されたことを聞き込んでフランクへ知らせる。クレムは当然ジェシーの敵討ちに行くものだと思っていたが、フランクは法の裁きに任せると話す。

 その後新聞でフォード兄弟が恩赦で釈放されたことを知ったフランクは一人街へ向かう。釈放されたフォード兄弟は街で嫌われていた。新聞社を営むコッブは兄弟にフランクが許しておかないと話すとフォード兄弟は西へ旅立ってしまう。フランクはコッブに会い、フォード兄弟が西へ行ったことを知る。そこへピンキーがやってきてクレムがフランクを追って家を出たことを知らせる。

 フランクはフォード兄弟を追う資金を稼ぐために鉄道会社の給料を盗むことに。集配所で給料を盗もうとしていたところ、そこへクレムが現れる。二人で話している際に誤って発砲してしまい見つかってしまう。周りから銃撃を受け二人は逃げるが、集配所の人間が流れ弾で死んでしまう。

 二人はデンバーへ。そこで南の街でフランクが死んだと嘘情報を流す。それを聞きつけたデンバー新聞社の社長の娘エレノアがその情報を聞かせて欲しいと近く。二人はフランクが死んだ時のことを詳細に話す。エレノアはそれを記事にし、全国に配信されることに。

 二人は街でフォード兄弟がジェシー殺しを舞台にしているのを知り、舞台を見る。フォード兄弟は自分たちで舞台に出ていたが、フランクを見て舞台から逃げ出す。二人は兄弟を追う。山中に逃げ込んだ兄弟だったが、一人が撃ち合いの最中に誤って転落死するが、兄ボブは逃げる。

 新聞社のエレノアの元を鉄道会社に雇われた探偵がやってきて、フランクの死亡記事は誤報だと話す。探偵は二人がいるホテルで待ち伏せをするが、二人は隙をついて探偵を縛り上げホテルから逃げ出す。フランクはエレノアと会い、彼女からピンキーが集配所での殺人に関与したとして縛り首になると聞かされる。しかしその場にクレムがフォード兄弟の兄ボブの居場所がわかったと知らせてくる。フランクは無実のピンキーを助けるためではなく、ボブを追うことを優先する。しかし途中で考えを変え、ボブを諦め、無実の罪で縛り首になろうとしているピンキーを助けるために戻ることを決意する。馬を乗り換え、列車を止めミズーリへ戻る。

 そしてフランクの裁判が行われる。罪状は集配所の現金強奪と殺人だった。フランクの弁護にはコッブがつく。南北戦争の記憶も新しい中での裁判でフランクに好意的に裁判は進む。裁判所にボブが現れる。判決はフランクが全て無罪となる。その瞬間ボブは逃げ出す。フランクは追いかけようとするが、エレノアが止める。その時外から銃声が聞こえる。飛び出したフランクはクレムが撃たれているのを目撃、クレムは死んでしまう。周りにいた人間の証言からボブは馬小屋へ逃げたことがわかりフランクは馬小屋へ。そこで銃撃戦となり、追い詰められたボブは自殺する。

 エレノアはフランクに別れを告げ街から去って行く。

 

 前作の続編で翌年に製作されたらしい。前作が相当ヒットしたのか。また前作のラストシーンから始まる映画というのも珍しい。

 前作は母親を殺されたジェシーの生涯を描くものだったが、本作は弟を殺された兄が復讐に及ぶ短い期間の話。その分話の内容は濃い。登場人物も前作から引き続き登場する人が多い一方、フランクの新しい仲間クレムや、ヒロインとなる新聞社のエレノアなども登場する。

 終盤の3分の1が裁判場面に使われ、南北戦争の影響が描かれる。このころはまだ南部側と北部側の人間の間にしこりがあったことがわかる。

 実話だから悲劇で終わる前作に比べ、フランクが裁判にかけられるが無罪放免となり、しかも仇の2人を倒す本作は続編として成功しているのではないか。

 残念なのは、前作含め、ジェームズ兄弟が有名ではない日本のため、無茶な邦題をつけられたことでしょう(笑

 

 

地獄への逆襲 [DVD]

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  • 発売日: 2009/11/25
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