鬼平犯科帳 第8シリーズ #04 眼鏡師市兵衛

第8シリーズ #04 眼鏡師市兵衛

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 非番の忠吾は墓参りをし、茶屋で休む。その茶屋の隣は1年前捕物があった家だった。盗賊二人が女を巡り殺人事件を起こし、友次郎が殺され、女と犯人は捕まっていた。その話を茶屋女おふじと忠吾が話していると、隣の家を覗く男がいた。忠吾は男をつけ、男が眼鏡師市兵衛だと判明する。

 忠吾は彦十に相談、彦十は二人の盗賊の知り合いならば1年前の事件のことを知っているはずで、今さら家を訪ねるわけはないと話し、鬼平に相談してみてはと話すが、忠吾はもう一日様子を見るので手伝って欲しいと答える。

 市兵衛は昔蓑火の喜之助の配下で鍵作りの名人だった。市兵衛は友次郎から150両を預かっており、友次郎に会うために茶屋の隣の家を訪ねたのだった。その市兵衛の家を三雲の利八が訪ねてくる。利八は市兵衛の昔の盗賊仲間で鍵作りを依頼する。

 おまさが鬼平に昨日三雲の利八を見かけ、住処を確かめた、今は粂八が見張っていると報告に来る。鬼平は沢田を呼び、同心を集めるように命じる。

 市兵衛の家に泊まった利八に市兵衛は鍵作りは今回一度切りだと念を押す。

 役宅では忠吾がいないことが話題になっていた。忠吾は彦十とともに眼鏡師市兵衛の家を見張っていた。彦十は市兵衛を見て鍵師だと見抜く。市兵衛と一緒にいた利八を忠吾はつける。

 おまさと粂八は利八の家を見張っていた。そこへ浪人2人が入って行く。

 市兵衛は店のものに書き置きと40両の金を残し、旅立つ。彦十が市兵衛の後をつける。

 利八の家に利八が戻って来る。その後ろに忠吾がいることを見たおまさと粂八は驚くが様子を見る。家の中の様子を探っていた忠吾は浪人たちに捕まってしまうが、そこへ鬼平や同心tなちがやって来て、利八たちを捕まえ、忠吾を助け出す。

 役宅で忠吾から事情を聞いた鬼平は、利八の人相書きを忘れたのかと笑う。そこへ粂八がやって来て彦十と市兵衛がいなくなったと知らせて来て、市兵衛の置き手紙を見せる。鬼平は手紙を見て、市兵衛は利八から逃れるために江戸を出たのだと推理し、彦十がかわいそうだと話す。忠吾が彦十を探しに行く。

 忠吾と粂八は彦十を探しに行く途中で、駕籠に乗った彦十を見つける。彦十は市兵衛に気付かれて市兵衛と話し、利八が店を襲うことを聞いたため役宅へ戻る途中だった。忠吾は利八がすでに捕まったと話す。

 五鉄で忠吾、彦十、粂八と酒を飲み、彦十から話を聞く。彦十は鬼平が彦十を気遣ってくれていたことを知り涙する。そこへ鬼平も合流して話をする。市兵衛のことを聞いた鬼平はきっと市兵衛は江戸に戻って来ると話す。

 時が経ち、市兵衛は江戸に戻って来る。茶屋の隣の家を訪ね、小間物屋が再開されているのを見た市兵衛は店に入る。そこに待っていたのはおまさだった。おまさは市兵衛に彦十を会わせる。彦十は全ては鬼平が仕組んだことだと話し、市兵衛に鬼平の裁きを受けるよう勧める。

 市兵衛は鬼平密偵となり、五鉄で皆と一緒に酒を飲む。

 

 鬼平としては珍しく、物語中盤でメイン?の盗賊が捕まる。終盤は、鬼平と彦十、ゲスト主人公市兵衛との話となる。

 鬼平が彦十のことを気遣う、というのはちょいちょい出て来るパターンだが、彦十がそれを聞いて涙する、というのは珍しい。

 原作が短い話なのか、全体的に話が冗長であり、尾行シーンや利八が市兵衛を訪ねるシーンなどが微妙に時間をかけて描かれる。忠吾が茶屋女と仲良くなるのも珍しく、何かあるかと思いきや冒頭の下りで終わってしまう。 これがこの作品が第8シリーズまでドラマ化されなかった理由だろう。

 市兵衛が密偵となったことが最後に明かされるが、今後話に登場することはないだろうなぁ(笑 市兵衛役の加藤武さんは懐かしい。石坂浩二金田一シリーズの等々力警部の頃から20年ほど後の作品のためか、好々爺になっていて微笑ましい。