鬼平犯科帳 第8シリーズ #07 同門対決

第8シリーズ #07 同門対決

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 雨の日の夕方、粂八が営む船宿鶴やに男女の二人連れがやってくる。女の顔に見覚えがあった粂八は女中に合図に隠し部屋に続く二階の部屋へ案内させる。女は砂蟹のおけいで昔野槌の弥平一味の引き込みをしていた女で、男は笠倉の太平という役者上がりの盗人だった。二人は仕事の話をしており、おけいのお頭は長沼又兵衛という名で鬼平の知り合いだということだった。粂八は店を出たおけいの跡をつけ日本橋住吉町の住まいも突き止めていた。

 粂八は鬼平に報告、鬼平は早速見張り所を設けおけいを見張るよう命じる。翌日おけいと太平はまた鶴やで密会、おけいは太平にお頭が江戸にやってくるので、翌日おけいの家に来るように、また狙いは巣鴨の徳善寺で10日後だと話す。

 知らせを受けた鬼平は小林を呼び出す。鬼平は忠吾に徳善寺を訪ねさせ、適当な理由をつけ徳善寺に住まわせる。忠吾からの話で徳善寺の和尚は金貸しで設けており、土蔵に金を溜め込みその鍵を肌身離さず持っているとのことだった。鬼平は小林に徳善寺のことを調べさせる。

 おけいを見張っていた粂八、おまさ、彦十は、鬼平と又兵衛との因縁について話す。又兵衛は鬼平と高杉道場の同門で、免許皆伝の書付を盗んだ男だった。おけいの家に又兵衛がやって来る。彼は鬼平に吠え面をかかせるために今度の仕事をするつもりだった。

 鬼平は又兵衛の到着を聞いて、徳善寺の和尚が遊び歩いている店に、引き込みの女がいないかどうかおまさに調べさせる。おまさは店に入ったばかりで和尚から気に入られている女中を見つける。

 皆が張込みを続ける中、その女中がおけいの家を訪ねる。女中は和尚が明日寺に戻ることを又兵衛に伝える。一味は準備を始める。鬼平も知らせを受け明日だと判断する。

 翌日又兵衛一味が徳善寺に侍一行に化け通夜の回向を願う。そうして寺に入り込んだ一味は和尚を脅し土蔵の鍵を奪い土蔵の金を盗む。そこへ鬼平たちが現れ捕物となる。鬼平は又兵衛と一騎打ちとなり又兵衛を倒す。

 役宅で鬼平は彦十から和尚がおとなしくなったという話を聞く。

 

 鬼平の同門だった男が悪事に身を染めてしまった話。似たような話があったような、なかったような。同門で、しかも鬼平とともに龍虎と呼ばれた男だったため、最後は二人の一騎打ちが見せ場となる。前回の「おれの弟」では鬼平の怒りの剣が炸裂したが、今回はそれ以上の斬り合いとなった。第8シリーズも終盤となり、鬼平の見せ場が続くことに。

 森次晃嗣根岸季衣石丸謙二郎、と懐かしいバイプレーヤーがゲストの豪華な回。レギュラーとも言える3人の密偵も登場、見事な第8シリーズラス前の話だった。