天岩屋戸の研究 田中啓文

●天岩屋戸の研究 田中啓文

 前作に続く第3作にして完結編。

「オノゴロ洞の研究」「天岩屋戸の研究 序説二」「雷獣洞の研究」「天岩屋戸の研究 本論」の4編。

 「オノゴロ」は古事記イザナギイザナミが最初に産み落とした島の名前。「オノゴロ〜」ではさらに2人が最初に産み落とした神の名前ヒルコを模した?怪物が登場し騒動を巻き起こす。

 「雷獣洞〜」は大学生の集団も登場し少しミステリー風な小説となっているが、ラストによくわからなかった登場人物の名前やセリフの意味が示され、大きくズッコケることになる(笑 作者の落語関連の小説も読んでいるので落語好きなのは当然知っているが、こんなオチを持ってくるとは(笑

 「天岩屋戸〜」は前作にも序説があり、このシリーズの最大の謎が明かされる1編。怪しかった顧問や校長の思惑が示され、民俗学研究会の面々が危険にさらされるが、主人公が最後に大活躍して大団円?となる。こちらも古事記の天岩戸話に関連したものとなっており、その場所についてはまだしも、研究会顧問の学説は少し驚いた。しかしオチがふた昔前の「スーパーマン」そのものとは…(笑

 

 様々な言葉で紹介されるシリーズだが、私にとっては、くだらなくてちょっとだけ笑えて面白いシリーズだった。