鬼平犯科帳 第8シリーズ #08 影法師

第8シリーズ #08 影法師

 

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 忠吾が鬼平の肝いりで結婚することになった。相手は同じ同心吉田藤七の四女おたかであった。

 婚礼が10日後に迫った非番の日、忠吾は遊女千代菊と遊ぶために店に向かっていたが、その忠吾を見て驚く浪人がいた。浪人は塩井戸の捨八という盗賊だった。捨八は忠吾の跡をつける。忠吾は途中叔父中山茂兵衛と出会う。行き先を聞かれた忠吾は墓参りだと嘘をつくと茂兵衛が一緒に行くことに。寺で忠吾はこの後はお役目があると嘘を言い、茂兵衛と別れる。忠吾をつけていた捨八は忠吾を見失ったため、茂兵衛をつける。捨八は茂兵衛が菓子舗池田屋に入っていったのを見届ける。

 忠吾は茶屋へ行くが千代菊は昨日見受けをされていた。

 宿に戻った捨八を井草の為吉が待っていた。捨八は為吉にりゃんこの源三郎を見つけたことを話す。捨八と為吉は昨年秋熊谷宿料理屋棚田屋へ押し込んだが、源三郎に奪った270両を奪われ、仲間たちを斬り殺されていた。為吉は傷を負ったが生き残っていた。源三郎は長坂万次郎と手を組んでいた。捨八は為吉に源三郎と万次郎に恨みをはらすため、源三郎が狙うだろう池田屋を先に襲う、と話す。

 翌日捨八は仲間を集めるために藤岡へ出かける。為吉は万次郎と会い捨八のことを話す。実は万次郎と組んでいたのは為吉だった。為吉は今回も捨八が池田屋を襲った後にその金を奪い、捨八一味を皆殺しにするつもりだった。為吉は池田屋の見張りに入る。 

 この2人の話をおまさが偶然聞いていて、鬼平へ報告する。おまさは為吉の宿が井筒屋であることも報告する。鬼平は井筒屋に見張所を設けるよう小林に命じる。さらに忠吾に井筒屋に泊まり為吉のことを調べるように命じる。忠吾は婚礼まであと9日だと言うが、鬼平は婚礼のことは忘れろと話す。

 忠吾は鬼平に命じられた通り、宿に入るとすぐに腹痛を訴え、医師の渋谷道仙とつなぎが取れる体制を取る。おまさと彦十は池田屋を調べる。池田屋の前をうろつく為吉を見た彦十は見張りではないと見抜き、為吉の跡をつける。おまさは池田屋に入り、最近奉公に上がった人間がいないか尋ねるが、そんな人間はいなかった。彦十は飲み屋で為吉が万次郎とその仲間の浪人たちと会っているのを目撃する。

 捨八が江戸へ仲間たちを連れて戻ってくる。為吉は万次郎に知らせ、捨八の仲間が増えたことをおまさは鬼平に知らせる。為吉は捨八に嘘を言い盗みを急がせ、捨八は明日押し込むと話す。

 鬼平の元に捨八、為吉について知らせが入る。鬼平は為吉の狙いを見抜く。

 忠吾は病人のふりに飽き店の外へ出てしまう。店に戻った際に捨八と出くわし、捨八は逃げる。忠吾が追いかけ斬り合いになり、沢田たちが捨八を捕まえる。そして捨八の仲間の盗人宿、為吉と万次郎たちがいる酒屋へ踏み込む。

 忠吾は牢にいる捨八に会いに行き、源三郎はすでに捕まり死罪になっていると話す。

 五鉄で鬼平は忠吾の労をねぎらいつつ、忠吾の考えを見抜き注意をする。その場に忠吾の叔父茂兵衛が来て、おまさ彦十も含め酒盛りが始まる。

 

 とうとう忠吾が結婚することに。以前見た「見張りの糸」が忠吾が既に結婚している状態での話だったので、今回の「影法師」についてはその時に調べていた。

 鬼平シリーズの中ではマスコット的な存在の忠吾なので、その彼が結婚するとなればもっと賑やかな話になるのかと思いきや、その忠吾が盗人に見間違いされる、という捕物メインの話で、忠吾の結婚話としては、婚礼前の女遊びとそれを見抜いていた鬼平に怒られるぐらいだった。

 一番驚いたのは、宿屋に潜入する忠吾を助ける医師渋谷道仙役の山内としおさん。ちょっと特徴のあるキャラで、今回の話のコメディリリーフ的存在となっていた。調べてみたら、必殺シリーズ中村主水の上役の田中をやっていた俳優さん。あー懐かしい。そう言われてみれば、忠吾との会話にその雰囲気がちょっとだけ出ていた。

 懐かしいと言えば、捨八役の新克利さんも、為吉役の赤塚真人さんも子供の頃からよく見ていた俳優さんばかり。

 これで第8シリーズも終わり。本数は少なかったが、まだまだ面白い話があると思わせてくれるシリーズだった。次からはいよいよ最終第9シリーズ。本数が少ないのがホントに残念だが、楽しんで見たい。