スペシャリスト

●371 スペシャリスト 1969

 駅馬車が盗賊ディアブロ一味に襲われるが、宿にいた1人の男が盗賊たちを倒す。しかし盗賊の頭だけは逃してしまう。男はハッド。ハッドは兄が銀行強盗の汚名を着せられ処刑されたブラックストーンの街へ行く。

 街では駅馬車で助けられた住民が、殺し屋ハッドが来ることを保安官に告げなんとかするように騒ぎ出す。住民はハッドの兄をリンチにかけ殺していた。兄は銀行強盗をしたがその金をどこかに隠していたのだった。

 ハッドは兄が住んでいた家へ行く。そこにはシドという女性が父ブートと暮らしていた。ブートが銃でハッドを撃とうとするところへ保安官がやって来て銃を取り上げる。保安官は住民から銃を取り上げ平和な街にしようとしていた。保安官はハッドからも銃を取り上げる。街に着いたハッドは住民から狙撃されそうになり保安官の銃で返り討ちにする。

 街には銀行を経営する未亡人バージニア、ハッドの兄の隠した金を狙うヒッピーたち、ハッドの昔馴染みで娼館を開くヴァレンシアなどがいた。ハッドはヴァレンシアの店でヴァレンシアからディアブロが会いたがっていると聞く。その時店でブートがヴァレンシアに絡んで来てハッドを含め大喧嘩となる。ハッドはブートに兄の家を買った金をどこから手に入れたか尋ねるがブートは答えず、ハッドはブートを撃ち殺してしまう。そこへやって来た保安官を殴りハッドは逃亡する。

 ハッドはシドの家へ行き、兄が殺された日の話を聞く。シドは兄は無実だと証言。

 ハッドはディアブロに会いに行く。途中保安官に襲われたが反撃、2人は一緒にディアブロのところへ行く。ディアブロはハッドの兄が銀行強盗をした後に会っており、金を隠したことを聞いていた。その時一枚の紙幣を受け取り、アベマリアという言葉を聞いていた。ディアブロはハッドに金を探させることに。

 ハッドはシドの家へ。シドを襲っていたヒッピーたちを蹴散らし、シドからアベマリアの鐘の場所を聞く。翌朝ハッドはアベマリアの鐘のある墓地へ行き、紙幣の形から壁に穴をあけ、日が差し込んだ先の墓を掘って金を見つける。そこに保安官が来て金を預かる。その時保安官助手に撃たれてしまうが、防弾チョッキで命は取り留める。保安官はハッドを街に運び牢へ入れる。住民は金を返すように騒ぎ始めるが、保安官は銀行で確認してもらった後だと話す。バージニアは確認に2日かかると話し、保安官は銀行に助手を置くことにする。喜んだバージニアは保安官にシャンパンをプレゼントする。

 その夜、薬入りのシャンパンを飲んだ保安官は眠ってしまう。ハッドは牢から脱獄する。バージニアは保安官助手を殺し、街から逃げる。途中逃亡を手伝った男を射殺、札束を燃やそうとしたところをディアブロに見つかってしまう。ディアブロはさつが偽札だと見抜き、バージニアを連れて街へ行き、住民に全てを話す。ディアブロバージニアに本当の金のありかを喋らせるために彼女をレイプする。保安官が丸腰でディアブロの前へ行き話し合いをしようとするが、射殺される。ハッドはバージニアを襲っている賊たちを撃ち殺し、ディアブロ一味と銃撃戦を始める。一味を倒すがハッドも怪我を負う。ハッドはバージニアに全てを告白させ、金のありかを聞く。

 バージニアの家で金を見つける。怪我をしたディアブロがハッドに勝負を挑むが、ハッドが彼を撃ち殺す。ハッドは金を取り出し、住民が見ている前で金に火をつける。火が燃え尽きたところでハッドは倒れてしまう。ヴァレンシアとシドがハッドの治療を行う。騒動の中、ヒッピーたちが銃を取り、住民たちを脅し裸にさせ金品を奪う。そしてヒッピーたちはハッドを挑発する。拳銃に弾がないハッドだったが、防弾チョッキを着て彼らの前に出て行く。銃を撃っても倒れないハッドを見たヒッピーたちは逃げ出す。

 ハッドは1人馬に乗り、夕日に向かって街から去って行く。

 

 なんというか、不思議、を越えてとても奇妙な映画だった。

 ストーリーとしては、兄を街の住民たちにリンチで殺された弟の復讐劇。だが、兄は盗んだ金をどこかへ隠して死んでいて、その金を探し出す、というサブの話もある。ここまでなら、なんとなく西部劇にありがちな話だが、そこへ癖のある人物たちが登場する。住民たちの銃を取り上げる保安官、主人公や保安官を色仕掛けで落とそうとする銀行経営者の女性、どうして西部劇に、と思わせる若者ヒッピーたち、なぜか主人公と気の合う盗賊ディアブロ。主人公も防弾チョッキを着ているしね(笑

 映画としても、銀行未亡人のヌードが出てきたり、ラストでは住民たちがなぜか裸にされたり。盗賊の頭のディアブロが保安官と頭突き勝負をしたり。B級映画、というよりカルトっぽい映画なのか(笑

 黒幕が銀行未亡人だと判明するが、主人公は住民たちの金を燃やすことで兄にリンチをした住民たちにも復讐を果たす。ストーリーとしては辻褄があっているが、それでも首をかしげることも多い映画だった。ネットにある解説を読むと、時代背景があり不思議だと思われたこともなんとなく納得できたが…。 

 まぁハリウッド製作の映画ではないから、一筋縄ではいかないんだろうなぁ。