無頼の群

●376 無頼の群 1958

 一人ジムがリオアラバの街にやってくる。この街では明日4人の絞首刑が実施される予定で、ジムはそれを見にきたと保安官に話す。

 ジムはジョセファという女性に5年ぶりに再会する。二人はかつて恋仲だった。そこへシムズという死刑執行人が現れる。ジムはジョセファに誘われ教会へ。途中ジムは結婚したが妻が亡くなったこと、3歳の娘がいることをジョセファに話す。

 教会で街の皆がお祈りをしている最中にシムズは牢へ行き、保安官を刺すが保安官に撃ち殺される。囚人たちは保安官の鍵を奪い逃走、途中父親のため教会を抜け出た若い女性エマを人質にして。

 街の皆は追跡隊を編成、4人を追いかける。4人のうちの一人が峠で待ち伏せし追跡隊は先に進めなかった。ジムは翌朝参加する。彼は4人に妻を殺されていたのだった。4人は峠を越え砂漠に向かうと思われたが、ジムは谷に進んだと判断、4人はジムの予想通りに逃げていた。

 4人はジムが指示を出していると判断し、彼を殺そうと1人が待ち伏せるが、ジムは囚人たちを一人一人倒していく。2人になった囚人はバトラーの山小屋を見つけバトラーを射殺、先住民は彼の持っていた金を奪う。2人がエマを強姦しようとしたところへジムが追いつき2人は逃亡、エマも助かる。

 2人は国境を越える。保安官はこの先にはいけないと言うがジムは一人追い続ける。そして1人を酒場で発見し射殺、最後の一人の先住民を家まで追う。そこで先住民の妻に殴られ気絶。気がついたジムは先住民はジムの妻の写真を見せるが知らないと言う。先住民が奪った金はジムのものだったためそれを指摘すると先住民は山小屋で奪ったと話す。ジムは4人が妻を殺したのではなく、山小屋に住んでいたバトラーが妻殺しの犯人だったことに気づく。

 街に戻ったジムは教会で懺悔する。しかし街の住民は彼を賞賛するのだった。

 

 これは異色の西部劇。まさかの結末と言える。しかしグレゴリーペックだからこそ出来た1本なのかもしれない。

 妻を殺された男が犯人(と思い込んでいる)の絞首刑を見に来るが、彼らは逃亡、その犯人たちを執拗に追いかけ3人を倒すが、最後の一人から意外な真相が語られる、と言う展開。

 真相を知ったペックがどのような行動をするか、が見どころ。教会で懺悔し、神父は彼を許す。しかも住民たちは彼を賞賛する。別の犯罪で死刑になるはずだった囚人たちだから仕方なかった、で済ませることもできるが、ペックはそうは考えない。さすがアメリカの正義と言われたペックらしい主人公。

 原題のThe Bravadosは「虚勢、強がりの行動」という意味のようだが、ペックの行動を指すのだろうか。ここだけがよく分からない。