トッツィー

●385 トッツィー 1982

 マイケルは役者、若い役者たちに演技指導をしつつ、自分もオーディションを受けまくる日々だったが、現場で自分の意見を押し通すため、仕事にはありつけずバイトの日々。彼は脚本家のジェフと共に暮らしており、彼の脚本を芝居にするために8000ドルが必要だった。

 彼は女友達サンディの昼ドラのオーディションについて行くが、サンディは不合格となってしまう。その場で彼は自分が出るつもりでいた舞台の主役が他の人間に決まったことを知り、自分のエージェントであるジョージ話に会いに行き文句を言うが、ジョージはマイケルが現場で自分の意見を押し通すため、誰も使いたがらないと話す。マイケルは自分で8000ドルを稼ぐと宣言、女装してドロシーと名乗り、サンディが受けた昼ドラのオーディションを受け、合格してしまう。その時に共演者の女優ジュリーに一目惚れしてしまう。

 マイケルはドロシーに女装し、ジョージに会いに行き、オーディションの話をする。そして女装に必要な衣装を買うために1000ドルを借りる。ドラマのギャラで芝居ができることになったため、サンディに報告に行く。彼女の部屋で彼女の服を見たマイケルは女性用の服を着ようとしたところを見つかり、ごまかすためにサンディに愛の告白をし、一夜を共にしてしまう。

 マイケルはドロシーとしてドラマ撮影に参加する。男性とのキスシーンをごまかすために、アドリブでセリフを変えてしまう。ドロシーの役は次第に人気が出てくる。ある日の撮影で編集のミスで撮り直しとなってしまう。ジュリーからセリフ合わせのために夕飯に誘われる。ジュリーの家で彼女が未婚の母で子供がいること、ディレクターのロンと付き合っていることなどを聞かされる。そしてジュリーの理想の告白の受け方も聞く。

 その日マイケルはサンディと夕食を一緒にする約束をしていたことを思い出し、彼女の家へ行くが、サンディはマイケルの女装をマイケルの付き合っている女と勘違いしており、怒りをぶつけられる。

 ドロシーはまたも撮影現場でアドリブで暴力を振るう夫を持つ女性を応援するセリフに変えてしまう。ドロシーの人気が爆発、人気雑誌の表紙を飾るようにまでに。

 週末のパーティに招かれたマイケルはサンディを連れて行く。その場でジュリーと会う。マイケルはジュリーから聞いた理想の告白のセリフを言うが、酒を浴びせられてしまう。

 撮影現場でドロシーはジュリーから週末父親の農場へ誘われる。夜二人きりになった時にジュリーの父からドロシーは告白されそうになり逃げる。同じベッドで寝るドロシーとジュリー。ドロシーはジュリーから亡くなった母親の思い出を聞く。

 撮影現場でドロシーは1年間の契約延長を言われる。マイケルはジョージにドラマの降板を申し出るがジョージは無理だと話す。

 ドロシーはジュリーから電話で呼び出される。ドロシーの生き方に共感したジュリーはロンと別れると宣言し彼と出かける。帰ってきたジュリーが悲しむのを見たドロシーはジュリーにキスをしようとし拒絶される。ジュリーの父がドロシーに会いにくる。そして父親はドロシーに指輪を渡す。

 家に帰ったドロシーの姿のマイケルを、家の前で医師役のジョンが待っていた。帰るように言うドロシーだったが、家の前で大声で歌を歌われ部屋へ入れてしまう。ジョンはドロシーを襲うが、その時ジェフが帰ってきて難を逃れる。そこへサンディがやってくる。会えずにイライラしていたサンディは本当の気持ちを言って欲しいとマイケルに迫り、マイケルは他の女が好きになったことを白状する。サンデイは傷つき帰って行く。

 マイケルはジョージに全てを話し降板を申し入れる。

 撮影現場でトラブルがあり生放送でドラマを演じることに。ドロシーは台本を無視し、自分が男であったことをぶちまけ、皆驚くことに。

 男に戻ったマイケルはジュリーの父に会いに行く。そしてジュリーにも…

 

 久しぶりに観た。よくできたコメディ映画だと思う。あの頃日本のバラエティで散々パロディにされたのを思い出した。

 女装するコメディなので、どこかで男であることがだんだんとバレていく展開だと思っていたが、最後まで誰もドロシーが男であることに気づかず、ドラマの生放送で衝撃の展開って(笑 2時間の映画だが、ラスト30分がスゲェ面白い。サンディとの別れ、エージェントへの説明の混乱ぶり、生放送でのつじつま合わせしてからの男性であることの暴露。ここまでの1時間半はこの30分のための長い前振りのよう。

 今でこそ女装した男性をTVなどで見ることは珍しくもなくなったが、40年前に既に大スターだったダスティンホフマンが女装して主演するなんて、きっと衝撃的だったんだろうなぁ。