家康(二) 三方ヶ原の戦い 安部龍太郎

●家康(二) 三方ヶ原の戦い 安部龍太郎

 前作に続き2巻目。章立ては、決断、今川滅亡、上洛、姉川の戦い、信玄と信長、三方ヶ原。

 家康と信玄の戦いに焦点を当てた第2作。信玄からの一緒に今川を叩こうという誘いが来るところから話はスタート。家康は信玄との約束を破り、今川氏真掛川城から追い払う。この結果、家康は信玄と敵対することになって行く。

 その後、姉川の戦いで信長とともに戦った家康は勝利するが、三方ヶ原の戦いで信玄に痛い敗戦を食らうことになる。

 

 本作での収穫は、戦国時代の武将たちの心理。敵味方という関係はいつでも変化し得るという怖さ。家康と信玄とのやりとりはまるで心理戦のよう。

 前半で、信玄が今川徳川を倒す策略を考えるが、後半では、それが信長を倒す策略に変化する。信長も家康も包囲網が引かれピンチに陥る様が歴史を知っていても面白かった。しかしこれが戦国時代の真実であり、いわゆる「戦国時代モノ」と呼ばれる本などでは知ることのできない内容だった。

 最後は家康最大の敗戦と言われる三方ヶ原。身代わりの者のおかげで城に逃げ込む家康。いやぁジャンプの漫画のような家康のセリフが痺れる(笑 続きが早い読みたくなる展開だ。