麗しのサブリナ

●409 麗しのサブリナ 1954

 大富豪ララビー家の運転手フェアチャイルドの娘サブリナは、ララビー家の次男デビッドに恋をしている。しかしデビッドは離婚歴が3回あるほどの女好きで今も他の女に夢中だった。サブリナは次の日からパリに料理の勉強に行くことになっていたが、デビッドのことが忘れられず、父に遺書を残しガレージで一酸化炭素中毒による自殺を図る。しかしララビー家の長男ライナスに発見され助かる。

 サブリナはパリへ行き料理学校に通うことに。そこで知り合った男爵と仲良くなり社交界での振る舞いを教えてもらう。

 デビッドは会社にいるライナスの部屋に乗り込む。新聞に自分の婚約が発表されたためだ。相手はエリザベスで彼女の家はライナスが取り組んでいるプラスチックの原料となるさとうきび農場を所有しており、ライナスが仕組んだいわば政略結婚だった。

 サブリナはパリでの2年の勉強を終え、美しい女性になって帰ってくる。駅でサブリナを見かけたデビッドがサブリナだとわからないほどに。デビッドはサブリナを夜のパーティに誘う。サブリナの父は身分違いの恋を心配するが、サブリナは自信を持っていた。パーティでデビッドはサブリナをパーティ会場から抜け出しテニスコートで会う約束をする。しかし婚約相手をほっておくデビッドを見かねた父親に呼び出され、その場で怪我をしてしまう。テニスコートに現れたのは兄のライナスだった。ライナスはサブリナとダンスを踊り、デビッドの代わりにとキスをする。

 怪我をして動けないデビッドの代わりにライナスはサブリナとデートをする。そこでライナスの昔の女性問題の話を聞いたサブリナはライナスにパリに行くことを勧める。二人はデートを繰り返し、ライナスはパリへ行くとサブリナに告げる。サブリナはパリでの生活についてアドバイスをする。二人が家に戻ると怪我が完治したデビッドが待っていた。サブリナは自分がライナスに惹かれ始めていることに気づく。

 デビッドの結婚話が進む。ライナスはサブリナをパリ行きの船に誘って、デビッドとサブリナを引き離そうとする。もちろん自分は船に乗るつもりはなく、金銭面での補償を考えていた。

 サブリナはライナスの会社へ行き、夕食を一緒にできないと電話をするが、ライナスが電話ボックスの前まで来ており、一緒にライナスの部屋へ行く。そこで話をしている最中にサブリナは二人のパリ行きの船のチケットを見つけ喜ぶ。しかしライナスは、サブリナをデビッドから引き離すための作戦だったことを告白、サブリナは全てを理解し自分のチケットを受け取り去って行く。

 翌日、ライナスはデビッドの政略結婚を取りやめ、エリザベスの父の会社との合併も取りやめ、デビッドをパリに行かせる決心をする。そこへデビッドがやって来て、昨夜サブリナに会ったこと、彼女の気持ちが変わったことに気づいたことを話し、ライナスを殴る。それでもライナスはデビッドにパリに行くように勧める。

 サブリナの乗った船が出航したのを確認して、ライナスが合併話の会議を始まる。ライナスはその場で合併は取るやめると話すつもりだったが、そこへデビッドが現れエリザベスとの結婚と合併話のためのサインをすると言い出す。さらに新聞にライナスとサブリナの結婚話の記事が出ていることを告げる。デビッドがライナスのために仕組んだことだった。デビッドはタグボートを準備してあるので、船に乗りに行けをライナスに話す。ライナスは港へ行きタグボートで船に乗船、サブリナと会う。

 

 有名な作品だが初見。ラブロマンスものの王道の一本って感じ。オードリーの「ローマの休日」の次の作品であり、ボギーとホールデンとの共演、って当時どんだけスゴい話題になったんだろう、と思える。しかもワイルダー監督脚本だし。

 ストーリーは兄弟で同じ女性を好きになるという定番もの。仕事人間だと思っていたライナスが語る昔の女性問題を聞いて惹かれてしまうサブリナは可愛いし(笑 ワイルダーのちょこちょこと見せる笑いのシーンもさすがだし。サブリナを応援する屋敷の召使いの皆の喜ぶ表情も良い。

 ただちょっとだけ長いかな。どこが不要かと言われると思いつかないけど、サブリナがライナスに惹かれていることに気付いてからはもっと展開を加速しても良かったかも。2時間近い映画だが、あと15分ほど短ければ最高だったのに。