刑事スタスキー&ハッチ 第1シリーズ #04 地獄のトリップからの脱出

●刑事スタスキー&ハッチ 第1シリーズ #04 地獄のトリップからの脱出

 

あらすじ

 スタスキーは組織のボス、フォレストの女ジェニーと付き合っていた。フォレストはジェニーを奪還すべくハッチを拉致、ジェニーのことを聞き出すためにハッチをシャブ漬けにして情報を聞き出し、ジェニーを連れていく。ハッチは殺されそうになるが、なんとか逃げ出しスタスキーが確保する。シャブ中毒から抜け出すためにハッチは地獄の苦しみを味わう。

 

ストーリー

 夜、スタハチは容疑者を捕まえ警察へ戻る。スタスキーに事務仕事を任せ、ハッチは電話をする。相手は若い女性、約束をしていたが捜査で電話もできずにいた。相手の女性は怯えており自分のことをスタスキーにも話さないようにハッチに頼み、ハッチのその通りにしていた。その電話をドビー主任に聞かれていて、ハッチはスタスキーに仕事を任せ女性の元へ。

 ハッチは自宅に戻り拳銃を外し着替えをしている最中に悪漢に襲われる。彼らは密かにハッチを連れ出しアジトに運ぶ。その頃ハッチの電話の相手の女性はハッチを待っていた。ハッチの家へ電話するが、誰も出なかった。

 捕まったハッチは組織に捕まり拷問を受けていた。組織は電話の相手、ジェニーの居所を知りたがっていた。ハッチはスタスキーの名を語ったりしてとぼけるが、拷問を受け続ける。ジェニーは組織のボス、フォレストの女で、彼はジェニーを奪い返そうとしていた。部下たちはたかが女一人のこと、相手が刑事であることから、この仕事にあまり乗り気のでやり方に反対するが、フォレストはハッチをヘロイン中毒にしろと命じる。ハッチはヘロインを打たれてしまう。

 翌日警察でドビー主任がスタスキーにハッチの無断欠勤を咎めるが、スタスキーもハッチの居場所を知らなかった。その頃アジトではハッチがヘロインを打ち続けられていたが、ジェニーの居場所は吐かずにいた。スタスキーはヒョロ松の店へ行き、ハッチの行方を聞く。するとヒョロ松の店でハッチの女ジェニーが働いていたが、ある時ジェニーの様子がおかしくなり、ハッチが勝手に勤めを辞めさせたことがわかる。

 スタスキーは行方のわからないハッチの家へ。そこで脱ぎ捨てた服やホルスターが残されていたことを発見する。スタスキーはハッチのことをドビー主任に報告、主任は最初相手にしないが、スタスキーの真剣な態度にハッチのことを捜査するように全署員に指令を出す。1310

 その頃ハッチは完全にヘロイン中毒になっており、ジェニーのことをバラしてしまう。スタスキーは街にいた酔っ払いの情報屋ミッキーから情報を得ようとするが、彼は何も知らないと答える。1514 

 ジェニーの家へボスが。ジェニーはなぜわかったかと聞くとボスはハッチに教えてもらえと答え、ジェニーをシャブ漬けのハッチに会わせる。ジェニーはハッチを返してあげてと頼み、ボスの言うことを聞くと告げる。ボスはジェニーを連れて行き、残った部下たちはハッチを車に乗せて海へ。彼らは海へハッチを投げ捨てるつもりだったが、ハッチは車内で暴れ出し車から脱出、偶然パトカーが通りかかり追っ手を巻くことに成功、指示を受けていたパトカーがハッチを確保、知らせを聞いたスタスキーはハッチの元へ駆けつけ、事情を察したスタスキーは現場にいた警官を黙らせヒョロ松の家へハッチを連れていく。

 ヒョロ松の店の2階へハッチを連れ込み、ヒョロ松の助けも借りて、ハッチに禁断症状と戦わせる。

 ジェニーはボスに囲われていたが絶望していた。ボスは部下にハッチを殺すことを命令する。

 スタスキーはシャブを忘れさせるためにゲームなどをするが、ハッチのシャブ要求は止まらない。ヒョロ松が、ハッチのことを嗅ぎ回っている男たちのことを知らせにくる。スタスキーはハッチをなだめるが、ハッチの暴走は止まらず、手当たり次第ものをぶち壊す。2910それでもスタスキーは冷静にハッチから話を聞き出す。3009

 組織の部下たちがレストランで会う。ハッチを逃して慌てる部下たちだったが、ハッチはシャブ漬けのため警察に言えないはずだと考える。彼らは情報屋のミッキーを使ってハッチをさらった奴を知っていると噂を流すことにする。

 スタスキーはヒョロ松の店の2階でハッチを見守っていたが、ハッチが寝ている間にドビー主任に連絡を取り、ハッチのことを嗅ぎ回っている奴らの車のナンバーを調べてもらい、モンクという名と住所が判明する。ハッチにシャワーを浴びさせ、ハッチのことをヒョロ松に頼み、スタスキーはモンクの元へ。入れ替わりにドビー主任から電話が入り、ミッキーからハッチのネタをつかんだと言ってきたとスタスキーに伝えてくれとヒョロ松へ伝言する。

 シャワーを浴びたハッチがスタスキーの行方を聞き、ヒョロ松からドビー主任からミッキーが会いたがっていると連絡が入ったことを知らせる。それを聞いたハッチはヒョロ松にタクシーを呼ぶように頼む。ミッキーは組織の男と酒場にいた。男はモンクに連絡をする。ハッチは酒場にタクシーで乗り付けミッキーと会う。スタスキーはドビー主任から聞いた住所へ行き見張る。男が車で出かけるのを見て跡をつけようとするが、他の車に邪魔され男を見失ってしまう。その時ドビー主任からミッキーの件で連絡が入り、スタスキーは急いでミッキーの元へ。ミッキーと話していたハッチは気を失いかけ、組織の男に拉致されそうになるが、逃げ出す。そこへスタスキーが来て男を車で引き飛ばし、モンクと銃撃戦となり倒し、ハッチを助ける。

 屋敷から出かけようとするフォレストとジェニー。フォレストはジェニーがしけたツラをしているのを怒る。そこへスタハチが来てフォレストを逮捕する。フォレストはジェニーに過去をハッチに教えてやれと負け惜しみを言うがスタスキーに連行される。

 ハッチはジェニーにここにいろ、迎えに来ると話すが、彼女は障害が多すぎると話し、ハッチは別れるならキレイに別れようと話す。

 

 

今回の登場人物など

ハッチの恋人であり、ボスの元愛人ジェニー(右はボスに捕まった後)

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組織のボス、フォレスト

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フォレストの部下 モンク(左)とその部下(右)

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情報屋ミッキー(右は組織に頼まれハッチと会った時)

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今回のハッチの家

 ハッチが組織に拉致されるために、ハッチの家が登場する。

ハッチの家の外観(左)と室内のベッド(右)

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帰宅後、ホルスターを外すハッチ(左)と殴られ気絶するハッチ(右)

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スタスキーがハッチの家を訪ねる ハッチとジェニーの写真

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今回のハッチ拉致、シャブ漬けシーン

拉致され、シャブを打たれる

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ヒョロ松の家でシャブ漬けから抜け出そうとするが

シャブをスタさんに要求、家の中で暴れるハッチとなだめるスタさん

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やっと落ち着いたハッチとそれを見守るスタさんとヒョロ松

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今回のドビー主任

スタさんからの電話でハッチが復活したと聞き、喜ぶドビー主任

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今回の現場でのスタハチ

まだ回復していない体で逃げたハッチとそれを見て笑うスタさん

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壁の上から助けられたハッチと支えるスタさん

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今回の別れのシーン

ラスト、ジェニーとの別れを決めるハッチ

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今回のスタスキー

 ドラマ冒頭、容疑者を連れ署に戻ったスタさんはチョコを買うために自販機へ。ハッチは仕事をスタさんに頼み、部屋へ入ろうとする。小銭がないスタさんはハッチへ声をかける。

 

ハ「おいスタさん頼むぜ、俺は電話するから」

ス「10セントくんな」

ハ「なんだよ」

ス「チョコレート食いてえけど足りねえの。小銭がありゃお前も食えるぞ。(ハッチからコインをトスされ受け取る)チョコってのはよ、元気が出るんだ」

 

小銭を受け取ったスタさんだったが、それを使わずに自販機を蹴飛ばしチョコをゲットする(笑 自販機を蹴飛ばすシーン、右にいるのは手錠をかけられた容疑者

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 このチョコにこだわるスタさんの行動は、導入部の軽いギャグのように見えるが、シャブ漬けになり弱り切っているハッチに、チョコを渡そうとするシーンがあり、ほろっとさせる〜冒頭の「チョコってのはよ、元気が出るんだ」の意味がここに。さらにラストシーンでもチョコはキーワードになる。

 

今回のスタハチの会話

 シャブ漬け状態からやっと抜け出したハッチ。顔を見てそれがわかったスタさんが声をかける。ヒョロ松もその会話に参加。

 

ス「良かったな」

ハ「安楽死したかったよ」

ス「フフフ。絞め殺そうとおもったんだけどよ、ヒョロ松がウンって言わねえの」

ヒ「そうだよ。なぁシャワーでも浴びたら。アンタんち行って着替え持ってきたぜ」

 

今回のお笑いシーン

 ジェーンとの別れを告げ、スタさんの元へ歩み寄る元気のないハッチ。そんなハッチへスタさんが声をかける。

 

ス「大丈夫か」

ハ「あぁ」

ス「(少し間を置いて)チョコ食うか」

ハ「(笑い出す〜エンディング)」

 

写真は思わず笑い出すハッチ

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 ハッチのシャブ漬けや悲しい別れを見た後、ドラマをあくまでも楽しく終わらせる見事なラスト。

 

 

今回のまとめ

 これまた刑事物の定番、刑事が組織に捕まってシャブ漬けになってしまうストーリー。確か「あぶない刑事」でも舘ひろしがシャブ漬けにされる話があったように記憶している。これらのオリジナルは「フレンチ・コネクション2」。この映画の公開が1975年で、スタハチのこの第1シリーズも1975年放送。随分と素早いパクリである(笑

 

 今回も吹き替えから2つほど。

 冒頭、報告書を書くスタさんの元へドビー主任がやってきて、ハッチの報告書のミス〜時間の記入漏れを指摘する。それにスタさんは「ハッチはおつむが悪いんだ」と答える。「おつむが悪い」は、言葉の誤用だと思われるが、そのまま使われているのがうれしい(『頭が悪い』もしくは『おつむが弱い』が正解)。

 もう一つ。ヒョロ松がシャブ漬けから立ち直ったハッチと会話するシーンで、ドビー主任から連絡があったことを告げる際に、「クマさんから〜」と話す。「チョーさん」とか「クマさん」とか、ドビー主任はどのあだ名も似合う(笑

 

 情報屋ミッキーを演じた俳優はGene Conforti、とても特徴的な表情をしていて記憶に残る。ネットでも少し情報が得られる。

 

 ハッチのシャブ漬けをスタさんやヒョロ松、ドビー主任が心配したり、復活して安心したり、というシーンが多く、4人の仲が良く分かるエピソード。

 ハッチの家が出てくる珍しさもあり、ハッチが女性と別れるというちょっと悲しさもありだが、スタさんが最後に笑いで締めるのもスタハチらしくて良かった。