●刑事スタスキー&ハッチ 第1シリーズ #05 白い麻薬組織の黒い手
あらすじ
スタハチはコカイン取引の現場に仲間の刑事とともに踏み込み、300万ドルのコカインの押収に成功する。しかし組織のボスから100万ドル分の横領を疑われる。スタハチは真相を探り出す。
ストーリー
張り込みをするスタハチ。スタハチは別の場所で張り込んでいた仲間の刑事3人と連携を取り、麻薬取引の現場を抑える。2人を逮捕、1人は仲間の刑事が射殺、1人は取り逃がす。スタハチは仲間とともにコカインを発見する。この件はスタハチの情報屋から仕入れたネタが元だった。
ドビー主任の部屋。ドビー主任はコカインが300万ドル相当のものであること、逮捕した2人が黙秘していること、黒幕のストライカーの逮捕に全力を尽くせと話す。仲間の刑事が死んだ男のことを聞くと、主任はエドワードクラウンだと話し解散するが、スタハチだけは部屋に止める。主任は情報屋ことりからもっとネタを仕入れろと話すが、スタスキーは話が違うと抗議する。しかし主任はその情報屋は17歳の女性の暴行事件でペンシルバニアで手配中であること、ストライカー逮捕に協力すればペンシルバニアに話をつけても良いと話す。
スタハチはヒョロ松の店へ。そこには情報屋ことりがいた。ことりはネタを売ったことで手が切れたスタハチを避けようとするが、スタハチはペンシルバニアの件を持ち出しストライカー逮捕に協力させることに。しかし場所が悪いとことりは明日改めて会うことを要求し席を立つ。
スタハチはスタスキーの家の駐車場へ。そこで組織の人間に待ち伏せをされる。ストライカーもそこにおり、彼はスタハチが横取りしたコカインを金で買い取ると話し出す。事情がわからないスタハチが話を聞くと、ストライカーは400万ドルのコカインがあったはずが、押収されたのは300万ドル分であり、100万ドル分をスタハチが横取りしたと思っていた。48時間待つので100万ドル分のコカインを持って来いと話す。
翌日スタハチはドビー主任から、内部調査部は、捜査に関わった5人、スタハチ、キャロウッツ、バーク、コーマンを疑っていると知らされる。それを聞いたハッチは、自分たち以外の3人はベテラン刑事であり家族もいる、彼らのキャリアに傷がつくのは致命的だと反論、スタスキーは(コカインを)横取りしたのはストライカーだから自分たちが取り戻すと話す。それを聞いた主任は二人を捜査から外すつもりだったが、スタハチにストライカーと同じ48時間の猶予を与える。最後にスタスキーはストライカーが喋った「俺たちに二の舞は踏むな」とは何のことだと主任に尋ねる。主任はエルモ・ジャクソンの名前を挙げ、彼が自分の相棒であり、ストライカーの捜査中に死体で発見されたと話す。
スタハチはハッチの車でパトロール中に情報屋ことり、クランドールが動き出したとの連絡を受け現場へ向かおうとするが、車に幅寄せされ止められる。相手は麻薬捜査を一緒にした3人の刑事だった。彼らは100万ドルのコカインを奪ったのがスタハチだと思い文句を言いに来たのだった。スタハチは邪魔が入ったためクランドールと会うことを諦める。
その頃ストライカーの部下ロジャースが昨日クランドールがスタハチに会っていたことを突き止めストライカーに報告、彼はクランドールを拉致して話を聞くことに。
その頃クランドールは小屋で刑事二人と会っていた。クランドールは刑事から言われ横取りしたコカイン2袋を隠し場所から取り出し、自分の分け前の1袋を貰おうとするが、刑事は拳銃を出しクランドールを殺す。彼らはクランドールがストライカーに捕まれば自分たちのことをバラすことを恐れていた。
その頃スタハチはクランドールとの待ち合わせ場所にいたが、彼は現れず、ハッチの車のことで言い争いをする。そこでハッチはまた犬を見る〜3回目。その時無線で現場へ急行するよう指示が来る。スタハチが駆けつけるとそこにはドビー主任がいて、クランドールの死体があった。殺され方からスタスキーはシンジケートのやり方、ストライカーの仕業だと話す。ハッチが小屋を怪しいと考え二人で中へ。そこで血痕とコカインを発見する。スタハチはストライカーの兵隊がクランドールの後をつけ、殺しを行いブツを取り返したと考える。クランドールを失ったことで捜査が難しくなった一方で、ストライカーがコカインを取り戻したことでストライカーも落ち着くと話す。
その頃ストライカーの部下がクランドールが殺されたことをボスに報告する。ストライカーはスタハチの仕業だと考え、二人がコカインを返すつもりがないと判断、部下にクランドールの家を見張り、スタハチを殺すように指示する。
署に戻ったスタハチは刑事たちとともに拳銃の弾痕検査をするように指示される。黒人とコーマンは非番でマス釣りをしに行くと言って去って行く。スタハチはドビー主任からクランドールの家の住所を聞き捜査しに行く。
クランドールの家の向かいのビルの屋上で組織の殺し屋が待っていた。クランドールの家を家捜ししたスタハチは建物から出て来る。殺し屋がライフルの照準を合わせた時、ハッチはまた犬を見かけしゃがみこむ。その時ライフルが発砲され殺し屋の狙いは外れる。二人は殺し屋を見つけ、向かいのビルに駆け込むが殺し屋は車で逃走する。
スタハチはヒョロ松の店へ行き、自分たちを狙った犯人を尋ねる。ヒョロ松はストライカーだと答える。そんなはずはねぇとスタスキーは言うが、ハッチはきっとコカインを取り戻していないんだと気づく。さらにクランドールを殺したのもストライカーでないことも。そして殺したのは警官だと気づく。
ストライカーの部下が殺し屋がミスったことをボスに報告、自分でスタハチを殺すと話す。
その頃コーマンと黒人はコカインの処分についてモメていた。コーマンはコカイン取引の倉庫で拾った拳銃を持っていた。その頃スタハチはドビー主任から拳銃の弾道検査の結果を聞いていた。クランドールが撃たれた弾道とコカイン取引の際コーマンに撃たれて死んだ男クラウンが持っていた銃の弾道が一致していた。主任は刑事の誰かが、コカイン取引の現場で銃をくすねてクランドールを撃ったんだと話す。3人は真相に気づく。その時ヒョロ松から電話が入る。スタスキーが出ると、ヒョロ松は「スタさんに替わってくれ」と話す。スタスキーが「俺だバカ」と話してもヒョロ松は「だからスタさんに替わってくれよ」と答える。異変に気付くスタスキー。ヒョロ松は伝えたいことがあるから店に来てくれと話す。ヒョロ松はストライカーの部下に銃で脅されていたのだった。
スタハチは急いでヒョロ松の店へ。2階へ上がると慎重にドアの外から声をかける。しびれを切らしたストライカーの部下が飛び出して来たところで銃撃戦となり、部下を捕まえる。スタハチは部下の一人に対し容疑を並び立て、ストライカーのこと、エルモジャクソン刑事のことを聞き出す。
スタハチはストライカーの事務所へ乗り込む。ドビー主任も来て、殺人容疑で彼を逮捕する。それでもストライカーはコカインの行方を気にする。スタスキーは俺たちじゃねぇよと答え部屋を出て行く。主任がどこへ行くんだと声をかけると二人はマスを釣りに行くと答える。
スタハチはコーマンたちの別荘へ。コーマンたちにクラウンの銃はどこへやったと尋ねる。それを聞いたコーマンたちはスタハチを脅すが、ハッチはマス釣りはまだ解禁になっていない、スタスキーはそれでよく刑事が勤まるもんだぜと言い放つ。コーマンたちが銃を抜こうとして乱闘になる。スタスキーは逃げようとした黒人を捕まえ、ハッチはコーマンを撃ち殺す。コカインのありかを聞き出し、スタスキーは主任に連絡を入れる。
ヒョロ松の店でスタハチとドビー主任が食事をする。そこへヒョロ松がやって来て、店の2階の修理代は誰が払ってくれるのかと主任に聞く。それを聞いたスタハチは逃げ出そうとするが、そこで店内にいた例の犬を見つけ、呼び寄せる。それを見てヒョロ松が文句を言うが…
今回の登場人物など
コカイン取引の現場に現れた犯人たち
スタハチとともにコカイン押収した刑事たち
左 コーマン(犯人を射殺) 右 キャロウィッツ
左 バーク 右 コーマン
スタハチの情報屋ことり=クランドール
コカインを押収された組織のボス ストライカー
ストライカーの部下
左 フレディ 右 ロジャース(ライフルでスタハチを狙う殺し屋)
ハッチが見る犬
今回の捜査
コカイン取引見張りのための家
2階のハッチに食い物を投げるスタさん それを受け取るハッチ
コカイン押収の現場、スタハチが二人ともサングラスをかけている
コカイン横領を疑われ、仲間の刑事に文句を言われる
今回の犯行現場
クランドールがコーマン刑事とバーグ刑事に脅され殺される
今回の狙撃
左 スタハチをライフルで狙撃するロジャース 右 危うく逃れるハッチ
左 狙撃に気づき車の影に逃げ込むスタハチ 右 屋上に出るスタハチ
(右 画面右の道路で向こうへ逃走するのがロジャースが乗った車)
今回のスタハチの会話
ドビー主任から促されクランドールからストライカーのことをさらに聞き出そうとするスタハチ。クランドールに会う直前にお互いの役割を決めようとするが…
ハ「どっちで行く?」
ス「たまにはお前悪役やれよ。飽きたぜ」
もう一つ。今回珍しくハッチの車で捜査に出る(ストライカーに目をつけられたためだと思われる)が、スタさんがハッチの車に対し文句を言う。
ス「ポンコツよりひでぇなぁ、この車は。いつ直すんだよ。ギシギシ言ってら。表に響くな」
ハ「小さなもんさ」
ス「耳くそが詰まってるんじゃないか」
ハ「そんなに嫌なら後ろから走って来いよ」
さらに、スタさんがハッチの車の窓開け用のレバーを壊してしまう。
レバーを壊したスタさんがハッチに
ス「俺の叔父貴の中古車屋へ行ってみな。見るだけでいいんだからよ。(中略)エンジンだってな、お前、改造してバッチリパワーアップして…」
ハ「お前のみたいに下品なバケモノに乗れってのかい」
ス「おい、下品ななんだと」
今回のヒョロ松
ストライカーの部下フレディーはスタハチをおびき寄せるためにヒョロ松を脅す。ヒョロ松の店の2階に到着したスタハチはフレディーたちと会話をする。
部下「スタスキー、ハッチ、いいから入れよ」
ハ「出て来い。話は外で聞こう」
部下「ダチを殺したくないんなら、入ってきな」
ス「(手ぶりでハッチに部屋へ入れと指示する)」
ハ「冗談じゃねぇや」
ス「ダチだと。ハギーが?どうとでも好きにしてくれよ」
ハ「用があるなら、そっちから出て来い」
左 ヒョロ松との会話でコカイン横領したのが刑事だと気づくスタハチ
右 ストライカーの部下フレディーに脅されて電話するヒョロ松
今回のドビー主任
自分の相棒エルモ・ジャクソンがストライカーに殺されたことを話す主任
「ワシはあいつとお前たちみたいな相棒だった。ストライカーの捜査中にあいつが死体で発見された」
最後にスタハチはストライカーを逮捕する。手錠をかけようとしたハッチだったが、ドビー主任に声を掛け、主任が手錠をかける。
今回のラスト
事件を解決、ヒョロ松の店で主任やヒョロ松と話したスタハチは、店の中でハッチが何度も見かけた犬を見つけて声を掛ける。店の中に犬がいることに文句を言うヒョロ松だったが…
ハ「オレのワン公だ。おいで。よく来たな。俺の命の恩人だぜ」
ヒ「店の中へワン公なんて連れ込んでなんだよ。ここは食い物屋なんだぜ。役所にどやされるぜ」
ハ「ワンちゃん?そんなもんどこにいる?(スタさんに)お前見えるか」
ス「ワン公見えねぇなぁ」
ヒ「またまた、ここにいるじゃねぇのよ」
ス「何もいねぇよ。お前また頭ボケたんじゃないか」
ハ「最近は酒が切れるとこうなんだ」
ス「全く、歳はとりたかねぇや」
ハ「なのに若作りしてさ」
ス「あぁみっともねぇ」
ヒ「負けたよ」
ス「よっ、愛してるぜ」
ハ「命の恩人だ」
今回のまとめ
前回の第4話がハッチがシャブ漬けになる話で、今回がコカイン押収の話。繋がりがあるように思えるが、全く関係ない。今回のメインは仲間の刑事がコカインを横領してしまうという警察内部の犯罪。
冒頭のコカイン取引の現場を抑える場面で、珍しく仲間の刑事が3人もいると思ったら、この展開のためだった。話がちょっとわかりづらかったのは、仲間の刑事はスタハチ以外に3人いたが、どうやらコカイン横領をしたのはそのうちの2人、コーマンとバークだったというところ。もう一人は無関係だったらしいが、それについては最後までわ説明はない。
今回のもう一つのポイントはハッチが偶然見かける犬。都合4回登場する。1回目はヒョロ松の店の前で。2回目はクランドールと話した後。3回目は狙撃の時で、この時初めてスタさんも犬を目撃する。4回目はラストのヒョロ松の店で。
今回も吹き替えから。ラスト、ストライカーを逮捕する際、ハッチが手錠をかける役目をドビー主任に任せるが、その時にハッチが主任に声を掛ける際に言ったのが、「親父さん」。相変わらずドビー主任の呼び名は数が多い。もちろん「親父さん」もよく似合っている。
これは吹き替えの問題なのかどうかわからないが、ゲストキャラの名前がよくわからなかった。以下の二人の登場人物は劇中、名前を呼ばれない。
一人目は、ストライカーの部下〜ヒョロ松を脅しスタハチを呼び寄せる男。ドラマ中彼の名前が呼ばれることはなかったと思う。最後の字幕で Freddie Jim Bohan とあり、俳優名で検索をかけ画像からフレディだと判明。
もう一人はコカインを横領する刑事の片割れ。一人は劇中でコーマンと呼ばれるが、もう一人の黒人刑事の名前が呼ばれない。これも最後の字幕で Burke Paul Benjamin とあったので検索で判明。
今回は警察内部の犯罪だったが、スタハチが組織からも狙われ、仲間からも疑われで大忙しで、組織内犯罪にありがちな暗いイメージにはならなかった。
ひょっとして、ハッチの車をめぐるスタハチの面白会話もそれを狙ったものだったのか。不思議な犬が登場したのもそれ狙いなんだろうか?
今回改めて気づいたが、スタスキー&ハッチは、残酷なシーンを画面に登場させない。今回で言えば、クランドールが悪徳刑事2人に殺されるが、脅されるシーンで終わる。3話でも女性の暴行殺人が起こるが、襲われるシーン直前で画面は切り替わる。スタハチ2人の活躍がメインであるためだろうが、なかなか細かい気遣いだと感じる。