●418 ヒトラー 〜最期の12日間〜 2004
ヒトラーの秘書をしていたユンゲ(本人)のインタビューから映画は始まる。
1942年11月、ユンゲはヒトラーの秘書として雇われる。
1945年4月20日、ヒトラー56歳の誕生日。ヒトラーは側近たちと地下要塞で誕生日を祝っていたが、戦況は圧倒的に不利な状況に追い込まれ、ソ連がベルリンまで迫っていた。幹部たちはヒトラーに脱出を提言するが本人は拒否する。ヒトラーは幹部たちにソ連軍攻撃の指示を出すが、どれも実現不可能な無理なものばかりだった。ヒトラーは幹部たちに退去を許可する。
幹部たちや国民は敗戦を認め始めていたが、一部のヒトラー信奉者たちだけは負けを認めていなかった。しかし幹部たちが徐々に地下要塞から去り始め、ヒトラーは遺書をユンゲにタイプさせる。
ヒトラーは恋人エヴァとの結婚式を挙げ、その翌日エヴァとともに自殺、自身の遺体は敵に見つからないよう焼却することを命令する。
残された幹部たちは戦争続行か降伏かで揉める。ゲッペルスは自身の子供たちを毒殺して自らも自殺。ユンゲたちは地下要塞からの脱出を図る。彼女は子供とともにソ連軍の包囲を抜け助かる。
最後に再度ユンゲ本人のインタビューで映画は幕を閉じる。
ヒトラーの最期に焦点を当てた一本。既に敗戦色が濃厚な局面でヒトラーがどう行動したのか、何を話したのか、おそらく秘書の証言を元に作られているため、リアルな再現だったのだろう。
幹部たちが負けを認める局面でも、それを認めない独裁者。いざとなれば国民の命を軽んじ、責任も国民自身にあるという傲慢さ。こんな独裁者を生み出してしまった政治も怖いが、最後まで彼を信奉する人間が一般人の中にもいたことももっと怖い。
戦争の悲惨さが、主人公の秘書だけでなく、軍医の視点や少年兵の視点で描かれているのもリアルだった。
日本の戦争映画では、いろいろなものが美化され描かれることが多いが、独裁者ヒトラーを決して美化せず描いたこの映画は見習うべきだと思う。
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