私の頭の中の消しゴム

●439 私の頭の中の消しゴム 2004

 建設会社社長令嬢のスジンは勤務先の上司と不倫をしていたが、相手が駅に現れず失望する。コンビニファミマでコーラを買ったスジンはその店でチョルスと出会う。

 後日父の会社の現場へ同行したスジンはその現場で作業するチョルスと再会、彼にアプローチし二人は付き合うことに。交際は順調だったが、母親との確執があるチョルスはスジンとの結婚を望まず、スジンは悲しみにくれる。スジンはチョルスとの食事の場へ自分の家族を呼び寄せるが、スジンの父親は娘の交際相手が自社の作業員と知り、交際に反対する。しかしその場から立ち去ったスジンが雨の中倒れてしまい、病院での二人の姿を見た父親は交際を許す。

 二人は結婚、チョルスは建築士の試験にも合格し、二人は幸せな生活を営み始める。しかしスジンは物忘れがひどくなってきており、医者に診察をしてもらう。二人は新居の話をし、チョルスの師匠に会いにいく。そこでスジンはチョルスの母親のことを聞く。チョルスの持ち物を調べ、彼の母親のことを調べたスジンは、チョルスに母親のことを許すべきだと話をする。怒るチョルスだったが、最終的にはスジンの話を受け入れ、新居のための金を母親のために使うことに。

 スジンの診察は続き症状が悪くなっていく。その頃スジンの会社にかつての不倫相手が異動で戻ってくる。チョルスもスジンの異常に気付き始める。スジンの病気はアルツハイマーだと診断される。チョルスも医師から病名を聞く。

 スジンは記憶がなくなる前にチョルスと別れようとするが、彼はスジンを受け止める。スジンは会社を辞め自宅にいたが、ある日元の不倫相手がやってくる。そこへ帰ってきたチョルスは彼を殴り倒すが、そこへ二人の家族もやってくる。スジンの父親はチョルスに別れるように話すが、チョルスは全てを受け入れる決心をしていた。

 ある日、家に一人でいたスジンは記憶を取り戻し、チョルスと別れる決意をし、彼に手紙を残して家を出ていく。

 後日、施設にいるスジンから手紙を受け取ったチョルスは彼女に会いに施設へ。そして彼女を連れ出し、あのファミマへ連れていく。

 

 初見だったが、タイトルから話の内容は想像がついた。観ている途中で20年ぐらい前に日本で流行った小説や映画ドラマのようだなぁと思っていたら、まさにそのまま。日本のドラマのリメイクだった。

 それでも主役の二人が良く、良い映画に仕上がっていたと思う。チョルスは若い頃の福山のようだし、スジンも場面場面での表情の変化が素晴らしい。冒頭の不倫相手に振られた時、チョルスに惚れて酒を飲み干した時、幸せな新婚生活、自身の記憶に不安が現れた時、病状が進んだ時。それぞれの表情がまるで別人のようで見事だった。

 映画としてもストーリー展開のテンポも良く、脇役の使い方も上手だったように思う。ラストのファミマはさすがに泣けたし。韓国映画はほとんど観たことがなかったがこれは良作。