シャーロック・ホームズの殺しのドレス

●450 シャーロック・ホームズ殺しのドレス 1946

 刑務所で2人が男が話をしながらオルゴールを作っている。1人がオルゴールを作っている男に話しかけるが相手にされない。

 オークション会場で刑務所で作られた3つのオルゴールがオークションにかけられる。それぞれ非常に安く落札される。その後、会場にカノバー大佐が来て3つのオルゴールを購入したいと申し出るが既に売り切れた後だった。大佐は落札者の名前を聞く。2人の男性の名前は判明したが、1人の女性の名前がわからず、木曜日のオークションにまた来るだろうと聞いて立ち去る。

 ベーカー街ホームズの家にワトソンの友人エモリーが訪ねて来る。彼は絆創膏を貼っておりそれをホームズに尋ねられる。彼はオルゴール収集家だったが、家に泥棒に入られ高価ではないオルゴールを盗まれ、その際泥棒に殴られたと話す。話に興味を持ったホームズはエモリーにオルゴールを見せて欲しいと頼み、一緒にエモリーの家へ行くことに。

 オルゴールを見せてもらったホームズは、エモリーから盗まれた品と同じようなオルゴールがあると言われそれを見るが、それは昨日オークションで落札したものだった。ホームズは泥棒が落札品を狙っていたのではと考え、エモリーに落札品を隠しておくようにアドバイスする。

 ホームズたちが去った後、エモリーにコートニー夫人から電話が入り彼女が家に訪ねて来る。オルゴールを見せたエモリーだったが、夫人の運転手が彼をナイフで殺してしまう。そして落札品のオルゴールを持ち去る。

 ホームズとワトソンは警察にエモリーの殺害現場に呼ばれる。ホームズは落札品のオルゴールがなくなっていることに気づき、オークション会場へ。そこでオルゴールが3台あったこと、刑務所で作られたこと、オルゴールに興味を示していた男がいたことを知る。

 ホームズはもう1人の落札者キルゴアの家へ向かう。使用人らしき老女に出迎えられるが、彼女はホームズたちを残して出かけてしまう。家に残ったホームズは物音に気づく。少女が拘束されていた。そこでホームズは老女がオルゴールを盗んだ泥棒であることに気づく。老女はコートニー夫人の変装だった。ホームズは3つ目のオルゴールを泥棒たちより先に入手しようとする。

 木曜日のオークション会場。例のオルゴールを落札した女性イヴリンが人形を落札する。コートニー夫人たちは彼女を尾行し彼女の経営する店へ。そこでオルゴールを求めるが、既に落札品は売れており、買ったのはホームズだと知らされる。刑事が夫人たちを尾行する。

 ホームズは警察で、オルゴールを作った受刑者が紙幣の原板を盗んだ男だと知る。ホームズは原板のありかを示す暗号が3台のオルゴールに隠されていると推理、役者が集う酒場へ行き、音楽に詳しいジョーに、既にホームズが聞いていた2台のオルゴールの曲を聴かせ、何の曲か教えてもらう。ホームズたちが家に帰ると家中が荒らされていた。ホームズはハドソン夫人から訪問客が若い女性と老紳士だったと聞く。また残されていたタバコの灰に気づく。

 推理をしていたホームズはワトソンの子どもの頃の思い出から、オルゴールの曲の音符を数字化し、音が外れている場所が暗号になっていることに気づく。S教授というワードが出て来るが、暗号は完全ではなく、それは泥棒たちも同じはずだった。

 ホームズは残されていたタバコの灰からそれを購入した人間を探り出し、コートニー夫人にたどり着く。彼女の家を訪問するが、拘束されてしまう。そして大佐たちに殺されかけるが、何とか脱出する。その頃ベーカー街を夫人が訪ね、ワトソンと話している際に煙幕を張り、3つ目のオルゴールのありかを知り盗み出す。

 ホームズは家に戻りオルゴールが盗まれたことを知る。しかしワトソンとの会話でS教授がサミュエルジョンソン教授のことだと気づく。コートニー夫人たちは教授の家の本棚から原板を見つけるが、そこにはホームズや警官たちが待っていた。

 

 なぜかわからないが(笑 Amazonプライムであなたにオススメの映画としてあげられていたので鑑賞。

 ホームズの実写化は何種類も見てきたが、これはその中でも一番古いもの。アメリカでは有名なシリーズらしい。ストーリーは原作にはないものでオリジナルだが、なかなか面白く1946年の作品にしては、キッチリと作られている印象。

 3台のオルゴールに秘められた暗号、その暗号が曲の中の間違った音符、というのはなかなか斬新なアイデアだが、いかにもホームズっぽいとも言える。ホームズが聞いた2台のオルゴールのメロディを完全に覚えているのはご愛嬌だが、ホームズのバイオリン好きからヒントを得たのだろう。またホームズが留守の際に犯人の夫人がワトソンと会話するが、美人に弱いワトソンが描かれていたり、拘束され泣いていた少女を元気付けるためにワトソンがおかしなモノマネをしたり、とワトソンがコメディリリーフをしている一方で、事件解決(曲の暗号の解き方、S教授の謎)の鍵となる言葉をワトソンが発するのは、このシリーズの定番なのか。

 何れにしても意外なホームズ作品を観ることができ楽しかった。10作以上あるシリーズらしいので、観る機会があれば他の作品も観てみたい。