サボテン・ブラザーズ

●451 サボテン・ブラザーズ 1986

 街へ若い娘カルメンと少年ロドリゴがやってくる。彼らは自分の村メキシコのサンタ・ポコにやってくる野盗えるエル・グアポを倒してくれる男を探しに来たのだった。酒場で皆に語りかけるが冗談であしらわれてしまう。失望した2人は街の教会で上映されていた映画を見る。その映画はスリーアミーゴズが悪党たちに襲われている村を助ける話で、アミーゴズは村人からの謝礼も受け取らない正義の味方だった。

 映画に感銘を受けたカルメンは映画のポスターを見て、ハリウッドに自分たちの村を助けてくれるように電報を打つ。村を救ってくれれば映画と同じように10万ペソの謝礼を払うと。

 その頃ハリウッドではアミーゴズが映画会社社長から映画の不振を咎められており、次回作の提案を受けていた。しかしアミーゴズはその提案を受けず、その結果クビになってしまう。

 衣装も剥ぎ取られたアミーゴズは会社から追い出される。そこへカルメンからの電報が届く。10万ペソの誘惑に負けたアミーゴズは新しい映画の撮影だと思い込みメキシコへ行くことに。

 その頃サンタ・ポコ近くの街の酒場にドイツ人がやってくる。酔客にからかわれるが、あっという間に彼らを撃ち殺す。そして自分の仲間がやってくるので礼儀正しくするようにと言い残し去っていく。その酒場にアミーゴズが現れる。店の主人や客はドイツ人の仲間だと思い丁寧に対応する。映画スターだから歓迎されていると思い込んだアミーゴズは歌や踊りを披露し店を出る。その直後、ドイツ人の仲間の2人組が酒場へ入り酔客たちにからかわれる。2人組は酔客を撃ち殺す。

 店を出たアミーゴズはカルメンたちに誘われ村へ。彼らは歓迎を受ける。翌日エル・グアポの一味の3人が村へやってくる。撮影だと思っているアミーゴズはいつも通りの決めセリフを決める。それを聞いた一味の3人は不気味に思いエル・グアポのアジトへ引き返す。その夜、村では祝いの祭りが行われる。

 翌朝エル・グアポ一味が大勢で村にやってくる。昨日と同じようにアミーゴズは対応するが、彼らが本物の野盗だと気づき逃げてしまう。エル・グアポは助けを呼んだことに激怒し村を焼き払ってしまう。そしてカルメンを連れ去ってしまう。

 エル・グアポたちが去ったのち、アミーゴズは荷物を取りに村へ戻ってくる。村人たちは冷たく対応、アミーゴズはカルメンが連れ去られてことを知る。彼らはハリウッドに帰ろうとするが、アミーゴズで一番若いネッドが反対する。残りの2人ラッキーとダスティはエル・グアポと戦えば死んでしまうと話すが、ネッドはハリウッドに帰っても仕事もない、死んでいるのと同じだと話し、戦うことを決意する。ラッキーとダスティも同調する。

 アミーゴズは謎?の指令書に従い、エル・グアポのアジトへの道を探す。その頃アジトではエル・グアポの40歳の誕生日を祝う準備をしていた。エル・グアポはカルメンと結婚するつもりだった。ドイツ人からは大量のライフルをプレゼントとして受け取る。

 アミーゴズはエル・グアポのアジトを見つけ中に侵入する。しかしラッキーはあっさりと見つかり地下牢に捕らえられ、ネッドは空中の飾りに引っかかり、ダスティだけがカルメンのいる部屋へ。そこでダスティは一味の一人を倒し、服を奪い一味の仲間に変装する。

 エル・グアポの誕生日のパーティが行われている時にダスティは変装を見破られる。ネッドも飾りから落ちて見つかってしまう。しかしドイツ人がネッドの映画を見ており、彼の映画の中での早撃ちに憧れていた、しかしそれは作り話だったと話し、ネッドと早撃ち対決することに。その間にラッキーは地下牢から脱出、ネッドはドイツ人を撃ち、その混乱に乗じてアミーゴズはカルメンを奪取、アジトから逃亡、ドイツ人が乗ってきた飛行機を奪い、一足先にサンタ・ポコの村へ。

 エル・グアポたちが襲ってくるのに備えるために、村人の得意なことを聞くと裁縫だと村人が答える。彼らは全力で裁縫をする。エル・グアポ一味が村へやってくる。村の様々な場所からアミーゴズが現れ一味を困惑させる。裁縫でアミーゴズの衣装を村人全員分作り、一味を混乱させたのだった。一味はエル・グアポを残し逃げていく。アミーゴズはエル・グアポを撃ち殺す。

 村に平和が戻りアミーゴズは帰ることに。村人からわずかな謝礼を差し出されるが、映画と同じように村人に返し、アミーゴズは村から去っていく。

 

 なぜだか覚えていないが、映画公開の翌年ぐらいに当時普及し始めたレンタルビデオ屋さんでこの映画のビデオを借りて観たことがある。いわゆる「新作」だったから借りたのだろうか?なんだかバカバカしい面白さだけを覚えている。

 ストーリーは「七人の侍」「荒野の7人」がベースと言えるが、本家とは全く違うおバカ映画となっている。村を救う話が映画の撮影だと勘違いされるのが可笑しすぎる。それでも一味の3人を追い返すのも可笑しい。で相手が本物だと気づくが、戦うことを決意するところまでで映画の半分。

 後半をどうするのかと思ったが、アジトへの潜入と村での戦いで見事に話をおさめてしまった。一味とどう戦うのかと思ったら、いかにもおバカ映画らしい戦い方でこれも見事。ルパン三世1stシリーズのどっちが勝つか三代目、を思い出した。

 正月明けに観るにはもってこいのコメディでした。