トゥルーマン・ショー

●455 トゥルーマン・ショー 1998

 スタッフや俳優がトゥルーマン・ショーについて語る。トゥルーマンは島の保険会社に勤めるサラリーマン。彼はフィジーへ行くことを夢見ている。彼は幼い頃父親とボートに乗っている時に嵐に会い、父親を失っていた。そのため水恐怖症になっており、出張で船に乗ることもできなかった。

 ある日彼は街で父親を見かけるが、父親は連れ去られてしまう。彼は父を追おうとするがいく手を阻まれる。彼は地下室にある宝箱から学生時代に好きだった女性ローレンの思い出の品を取り出し思い出に浸る。しかしそんな彼を世界中のTV視聴者が見守っていた。ローレンは彼女の父親に連れ去られ二人は離れ離れになってしまうが、別れ際ローレンは全て嘘だと話し、フィジーに行ってしまう。

 トゥルーマンは自分の周りの出来事に不信感を持つ。エレベータの中にデスクがあるのを発見しそれを確信する。彼は親友マーロンに事情を説明する。彼は妻メリルにフィジーに行くと話し、彼女の仕事場へ押しかけるが周りの人間がうまくごまかす。彼は旅行会社に頼みフィジー行きのバスに乗るが出発の際にバスが故障する。

 家に帰ったトゥルーマンは自家用車に乗り、メリルの帰りを待つ。そして妻を乗せて島を出ようとする。水恐怖症のため島を出る道路を渡れなかったが、目をつぶって道路を通る。しかし原子力事故があると言われ、警官たちに取り押さえられ家へ連れ戻されてしまう。トゥルーマンは妻と話をするが、彼は暴走し妻も彼を制御できなくなってしまう。そこへ親友マーロンが来る。マーロンはトゥルーマンを説得、父親とトゥルーマンを引き合わせる。父親との再会は感動的な場面であり、視聴者も感激する。

 TVではトゥルーマン・ショーの監督クリストフがインタビューを受け、島全体がスタジオであり、住人は全て俳優、天候を左右できるプログラムで撮影をしていることを話す。そこへ視聴者であるローレンが電話をかけて来て、クリストフを非難するが彼はトゥルーマンが今の人生を楽しんでいると答える。

 ある日地下室で寝ていたトゥルーマンがそこにいないことにスタッフが気づき、島中を探し始める。彼は一人船に乗り島を出ようとしていた。クリストフは嵐を起こさせ彼を引き返させようとするが、トゥルーマンは諦めなかった。ついに彼の船は書き割りに激突する。

 スタジオの外へつながる扉を見つけたトゥルーマンはクリストフと話す。クリストフは説得しようとするが、トゥルーマンは挨拶をし扉から出て行ってしまう。視聴者は歓喜するが、すぐに次の番組を探し始める。

 

 これは設定を考えた時点で勝ちの映画。本人だけが知らないが、世界中が彼の24時間をTVで見守っている、というマンガにありそうな設定。しかもそれを閉じられた空間(スタジオである『島』)内で30年近く続けているため、リアリティがそれなりに感じられるのが怖い。

 ストーリー展開としても、父との事故で水恐怖症になり、学生時代の恋人により秘密があることを暴露される前半、そして疑問を持った主人公が行動を起こす後半と、話はとてもわかりやすい。約100分と尺もちょうど良かった。

 設定そのものが怖かったが、観終われば一番怖いのはTV視聴者であることに気付かされるラストも秀逸。ジムキャリーの映画は初めて観たが他の作品も観たくなった。