ドラマ「鬼平犯科帳」の原作の第1巻。以下の8編からなる。
「唖の十蔵」「本所・桜屋敷」「血頭の丹兵衛」「浅草・御厩河岸」「老盗の夢」「暗剣白梅香」「座頭と猿」「むかしの女」。
吉右衛門さんが亡くなり喪失感があったことと、池波さんの「信長と秀吉と家康」が面白かったこともあり、これまで読んでこなかった原作を読んでみることに。
読んでいると当たり前のことだが、ドラマでの吉右衛門さんが蘇って来た。第1巻の短編を原作としたドラマは第1シリーズでドラマ化されているものがほとんどで、それを見たのは2019年の5月6月だったが、どの話もドラマの映像が思い出される。
「唖の十蔵」
第1シリーズ6話。十蔵は柄本明さん、おふじは竹井みどりさん。おふじがキレイだったなぁ。
「本所・桜屋敷」
第1シリーズ2話。おふさは萬田久子さん。ラストで左馬之介役の江守徹さんの涙が印象的。
「血頭の丹兵衛」
第1シリーズ4話。粂八が登場、ラストの蓑火の喜之助役の島田正吾がカッコ良かった。
「浅草・御厩河岸」
第1シリーズ18話。後に鬼平常連となる本田博太郎さんが登場。
「老盗の夢」
「暗剣白梅香」
第1シリーズ1話。鬼平の命を狙う金子半四郎役の近藤正臣さんが印象的。
「座頭と猿」
第1シリーズ3話。原作を二つ合わせたドラマになっている。
「むかしの女」
初めて原作を読んだが、第1巻は短編集といってもそれぞれの話で登場する人物(主に盗賊たち)につながりがあり、全8話を通して長編のような趣がある。それを池波さんも話していたようだ(by解説)。
また原作とドラマでは微妙に登場人物たちの思いが異なっている場面がある。
=原作第2話目の「血頭の丹兵衛」のラストで、血頭の丹兵衛の代わりに盗みに入った蓑火の喜之助と出会った粂八が、真実を知った蓑火の喜之助が驚くのではないか、と心配している。ドラマでは、粂八は紀之介を見送ってニヤリとするだけではなかったか。
でもそれはそれで面白かったし、ドラマをもう一度見直してみたいという気にもさせてくれた。あぁこの先も読みたい。
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