去り行く男

●459 去り行く男 1956

 牧場主のシェップは山中で倒れていた男ジューバルを助け家へ連れて帰る。牧童たちはジューバルをからかうが、中でもピンキーはジューバルが羊くさいをバカにする。

 翌朝ジューバルは礼を言って牧場から去ろうとするが、シェップはここで働くように勧め、ジューバルは残ることに。

 ジューバルは牧場で働き始める。シェップの妻メイは彼を誘惑しようとするが彼はそれに乗らなかった。メイと浮気をしたことがあるピンキーは嫉妬する。しばらくしてシェップはジューバルに牧童頭になることを提案、ジューバルは了承するが、ピンキーはやはり嫉妬し、メイはジューバルが残ることになり喜ぶ。

 ある日シェップの土地に宗教団体が野営をする。シェップの牧場の北にある牧場の牧童たちとピンキーは彼らを追い出そうとするが、聞きつけたジューバルが駆けつける。彼は団体の代表シェムに理由を聞くと病人がいるためだと答えたため、ジューバルは彼らの野営を許可する。ジューバルはシェムの娘ナオミと知り合い、また彼らとともに旅をしていたカーボーイのレッブをシェップの牧場で雇うことを提案する。

 牧童仲間たちはジューバルがナオミと仲良くしているのをからかうが、メイはヤキモチを焼き、夜中にジューバルに会いに来る。彼女はシェップとの結婚は失敗だったと話しジューバルを愛していると話すが、彼は受け入れなかった。

 ジューバルに会いにナオミがやって来る。彼は彼女に自分の生い立ちを話す。彼はナオミをシェムのところまで送るが、親の決めたナオミの許嫁ジェイクはそれを見て嫉妬する。

 シェムたちが翌日旅立つという日にナオミがジューバルに会いにやってきてハンカチをプレゼントする。

 その夜ジューバルたちは野営をしていたが、そこへメイが手紙を届けにやって来る。シェップは夜道が危ないのでジューバルに家まで送るように話す。しばらくしてレッブは野営から抜け出す。それを見たピンキーはレブがいなくなったこと、ジュバールが戻ってこないことをシェップを起こして伝える。シェップは何も気にしなかったが、ピンキーはジューバルとメイはデキていると話しシェップは驚く。そして彼は家へ向かう。

 メイを送ったジューバルは、メイを一人残し家から去る。シェップが家に戻ってきてメイが一人で寝ているのを見て安心するが、メイがジューバルの名前を言ったため取り乱しメイを問い詰める。怒ったメイはジューバルと一緒にいたと嘘をつき、シェップとの結婚は失敗だったと話す。その頃ジューバルは酒場で酒を飲んでいた。そこへレブがやってきて二人は話す。そこへ逆上したシェップがやってきてジューバルを撃つ。仕方なくジューバルはシェップを射殺してしまう。レブは酒場にいた人間たちに正当防衛だったと話すが、そこにいたのはいつかの北の牧場の牧童たちだった。彼らの一人がピンキーたちに事件を伝えに行く。

 ピンキーは家に戻りメイに事件を告げ、彼女を襲おうとする。しかしメイが反抗したためピンキーは彼女を殴り倒してしまう。

 レッブはジューバルをシェムたちのところへ送り、彼をかくまって欲しいと話す。ナオミの許嫁ジェイクは反対するが、シェムは彼を匿うことに。シェムたちは二手にわかれ旅立つ。ピンキーは街で事件のことを話すが、メイとジューバルのことについては嘘をつき、街の皆とともにジューバルを追う。彼らは二手に分かれたシェムたちに気づく。ジェイクは危険を知らせるためにシェムの元へ向かうが、ナオミがジューバルを看病しているのを見て、ピンキーたちにジューバルの居場所を告げてしまう。

 ジューバルはシェップの家へ。ピンキーたちはシェムたちを捕まえるが、すでにジューバルは家に行った後だった。ジューバルが家に着くとメイはピンキーに殴られ瀕死の状態だった。皆が家に着いた時、ジューバルは医者にメイを診るように頼む。彼女はピンキーに殴られたと話し死んでしまう。皆は騙されたことに気づきピンキーを取り囲む。

 ジューバルはナオミとレッブとともに去って行く。

 

 タイトルから「シェーン」のような感動作かと思って見始めたが、がっつり裏切られた(笑 西部劇には珍しい愛憎劇、とでも言える。流れ着いた主人公、彼が気に入った浮気者の妻、その妻と訳ありの牧童、という変な三角関係。また、主人公が出会った宗教団体の娘、親が決めたその彼女の許嫁、というもう一つの三角関係もある。で、主人公はいたって真面目な良い男(笑 となれば展開は自ずとわかってきて、その予想通りに話は進む。

 主人公のグレンフォードは、「シマロン」で観たばかりだが、西部劇の主人公が似合う2枚目俳優。「3時10分、決断のとき」の時のオリジナルに出演しているらしい。そっちも観てみたい。