大砂塵

●461 大砂塵 1954

 山中を男が一人行く。彼は山での爆破や駅馬車が襲われているのを目撃しつつ、ビエンナの店へ。ビエンナは店の女主人で、男は彼女に呼ばれたジョニーギターだった。彼女はこの辺りに鉄道が引かれるのを目論んでおり大金持ちになるつもりだった。

 そこへ街の有力者マカイバーや皆を連れ、エマがやってくる。彼女は駅馬車で襲われて死亡した男の妹だった。エマは駅馬車を襲ったのがビエンナの店の常連でありビエンナの男であるキッドだと疑っていた。エマはキッドに惚れていたが、キッドがビエンナに惹かれているのを知っており嫉妬もしていた。エマは鉄道が引かれ街へ他人が押し寄せてくるのを恐れていたため、エマたちを追い出そうとしていた。

 そこへキッドが帰ってきて一触即発の状態になる。エマたちはキッドにどこにいたかを問うが、彼らは自分たちの銀山にいたと主張、しかしその場所は彼らだけの秘密の馬車だったため、疑いが晴れたわけではなかった。マカイバーはキッドやエマたちに24時間以内に街から出て行くことを命令する。

 皆が店から出て行き、ビエンナとジョニーが残る。彼らは5年前付き合っていたが、ジョニーが拳銃ですぐに人を殺すならず者だったため別れていた。しかし二人はお互いがまだ愛し合っていることを知る。

 翌日ビエンナは銀行に預金をおろしに行く。そこへキッドたちがきて銀行を襲う。彼らは街から出て行けと言われたことに腹を立て、最後に銀行強盗を目論んだのだった。ビエンナは無関係だったが、エマたちはビエンナとキッドたちがほぼ同時刻に銀行にあら現れたことから共犯だと疑う。そしてエマを筆頭に街の住人たちはキッドたちを追う。キッドたちは山道を抜けて街から逃げるつもりだったが、鉄道工事の爆破により道を塞がれてしまう。彼らは銀山にあるアジトへ向かうが途中一味の若者ターキーが負傷してしまう。

 ビエンナは店の従業員たちに金を払い店を閉めることを宣言する。ジョニーは一緒に街から出て行こうとするが、ビエンナは街に残ることに。エマたちはキッドたちを見つけられず、共犯だと疑っているビエンナの店へ。そこには店を閉めたビエンナだけがいた。ビエンナは銀行強盗と無関係だと主張するが、怪我を負ったターキーが見つかってしまう。エマたちはターキーを脅しビエンナが共犯であると自白させる。彼らはターキーとビエンナを絞首刑にすることに。

 ターキーが絞首刑にされ、ビエンナの番になった時にジョニーが彼女を助け出す。二人はキッドのアジトへ向かう。エマたちはターキーの馬を見つけ、その馬の追いキッドたちのアジトへたどり着く。そこでキッドの仲間バートはエマたちと交渉、自分だけが助かろうとするが、ジョニーに撃たれてしまう。銃声を聞きつけエマたちがアジトへ。そこでエマはビエンナと一対一で対決をする。ビエンナはエマを射殺、彼女はジョニーとともに街の皆の間を抜けて行く。

 

 昔からタイトルだけは知っていたが、今回が初見。西部劇でありながら、実質的な主人公が女性であることに驚く。その他にも驚くことがたくさん。

 冒頭、ビエンナの店でのシーンが40分以上続く。映画の3分の1。ここで登場人物たちの関係性がわかるのだが、それにしても長すぎじゃない?(笑 だってわかったのは、ビエンナの目的、それによる街の住人たちとの諍い、キッドをめぐるビエンナとエマの関係、ビエンナとジョニーの過去、ぐらい。これに40分はさすがに長い。

 でキッドが最後っ屁みたいな銀行強盗を起こすのだが、ビエンナが現場にいてしまうという偶然。それにより後半は追跡劇となる。若者ターキーの負傷から始まって、彼の馬が原因でエマたちがアジトを見つけるくだりや、アジトで服を着替えるビエンナがターキーの黄色い服を着る(女主人公らしい服装)くだりなど、なかなか上手いと思ったが、ラストがあまりに陳腐すぎる。いきなり女性同士の一騎打ちとなるのはいかがなものか。1954年製作の映画としては珍しかったんだろうけど、周りの男たちが手を引いてしまうのはどうなのよ、って感じ。

 更に言えば、ジョニーが実は名うてのガンマンだという話が出てくるにもかかわらず、それを生かしたエピソードもないし(最後にバートを撃ち殺すシーンのみ)。

 主役である女性クロフォードさんは確かにキレイだったが、さすがに年が行き過ぎている。wikiによればこの時50歳。大女優さんなのだろうが、この役はさすがにちょっと無理があったように思う。