弔辞 ビートたけし

●弔辞 ビートたけし

 2020年のタケちゃんの新刊。「あのころのテレビ」「人間ってやつは」「お笑いの哲学」「さよなら古い世界」の4章立て。

 

 タケちゃんは冒頭で以下のように述べている。

 

 『俺自身が生きているうちに別れのメッセージを伝えておこうと考えた』

 

 相変わらず様々なことに触れてメッセージが書かれているが、前半のほとんどはこれまでどこかで見聞きしたメッセージと同じものでちょっとがっかり。

 後半、コロナ禍における現状を踏まえた上での漫才やエンタメに対する考えや政治や資本主義に対する考えが書かれている部分が少し新しいか。それでもここも昔からタケちゃんを知っているファンならば、「だよね」って感想しか持たないか。

 

 新しい奥さんとのケンカについてちょっと触れているが、多分多くの人が期待していた新事務所設立の経緯などについては触れられずじまい。

 昔からのファンが心配している、最近のタケちゃんの滑舌の悪さなどについても、収録で喋っても実際にはカットされている、という言葉が載っているが、ならばこのような本でこそもっとタケちゃんの考えの真髄を書いてくれれば良かったのに、と思う。

 

 それでもまぁ、昔からのファンとしては久しぶりにタケちゃんの言葉を読んで少しだけ元気をもらったかな。