A.I.

●474 A.I. 2001

 地球温暖化の影響で土地が水没、人類は妊娠まで制限されることになった。一方人類の代わりに人型ロボットが作業を行うように。ロボット製作会社のホビー教授は子供を持てない夫婦のために子供型ロボットであるデビットを作ることを計画、社員であるヘンリー、モニカ夫妻にモニタとしての役割を与える。彼らは息子を不治の病で冷凍保存していた。

 子供型ロボットに戸惑うモニカだったが、デビットに惹かれ彼を子供として受け入れることに。しかし自分たちの本当の息子マーティンが奇跡的に回復し、一緒に住むことに。モニカがマーティンに夜ピノキオの話を聞かせる。それを聞いていたデビットも自分も人間の子供になれるのでは、と希望を持つ。

 しかしマーティンはデビットが気に入らず、無謀なイタズラを仕掛ける。ものが食べられないデビットに夕飯を口にするように仕向けたり、母親モニカの髪の毛を寝ている間に切るように命じたり。それでもデビットをかばうモニカだったが、マーティンの誕生日パーティに遊びに来た友人たちにいじめられ、怖がったデビットはマーティンをプールに引きずり込んでしまう。

 モニカはデビットの危険性を認識し、彼を研究所へ廃棄しに行くことに。しかしデビットが廃棄されることを悲しむモニカは近くの森に彼を置き去りにする。その森では人間たちによりロボット狩りが行われていた。デビットも愛人ロボット、ジョーとともに捕まってしまう。捕まったロボットはスクラップショーに連れ出され、多くの観客たちの前で破壊されていた。デビットも連れ出され破壊されそうになるが、子供型ロボットを見たことにない観客は彼を人間だと思い、主催者を非難する。デビットはジョーとともに逃げ出す。

 人間になるためにブルーフェアリーに会いたいと話すデビットのため、ジョーは彼を歓楽街に連れて行き、ドクターノウに会わせる。彼からマンハッタンに答えがあると聞いた二人はマンハッタンへ。しかしそこで待っていたのは、デビットを作ったホビー教授だった。彼はロボットでありながら夢を持ったデビットを賞賛するが、真実を知ったデビットは海へ身を投げてしまう。

 しかし海の底にあった昔の遊園地で、デビットはピノキオのアトラクションを目にし、ブルーフェアリーの像を目撃する。デビットは像に人間にして欲しいと頼むが像は何も答えない。彼の乗った乗り物は動けなくなり、やがてデビットの機能も停止する。

 2000年後、人類が滅亡したのちに未来のロボットたちがデビットを発見、彼のメモリーを探り、希望を確認する。デビットが切り取ったモニカの髪の毛が見つかり、それを元に1日だけデビットはモニカと時間をともにする。そしてモニカと一緒に眠りにつくのだった。

 

 タイトルも知っていたし、天才子役が主役だとも知っていたが、内容も知らず今回が初見。そして見事に驚かされた。

 最初の30分で、本当の息子が回復。その後20分でモニカはデビットを捨てることに。ここまでの展開はテンポよく、しかもある程度様子された展開。で、この後1時間半をどうするんだろう、というのが観ている時の感想。

 しかしこの後の展開もテンポよく進む。スクラップショーで30分、マンハッタンでの出会いまで30分、ラストの展開で30分。童話ピノキオを現代の世界でどう実現させるのかと思ったが、スピルバーグらしいラストだった。しかしwikiでこれがキューブリックが映画化を予定していたと知りさらにビックリ。なるほどなぁ。二人の天才が作った映画なのか。ある意味スピルバーグらしくないのはそのためなのか。

 母と息子の愛情物語に現代のテクノロジーを見事に融和させた傑作と言える。