底抜け大学教授

●475 底抜け大学教授 1963

 ケルプ教授は大学の授業中に爆発を起こしウォーフィールド博士に怒られる。その後授業中に学生からバカにされたケルプは助けてくれた女生徒パーディが忘れていった雑誌に載っていた広告を見て、ジムで体を鍛えようとするが上手くいかなかった。

 そこでケルプは専門である化学の力で強い男になろうと決意し研究を始める。出来上がった薬を飲んだところ、ケルプはハンサムで屈強な男に変身する。パーディに誘われた学生たちの集まる紫の館に出向くが、ケルプが変わりすぎていて誰も彼だと気づかなかった。ケルプはバディラブと名乗り、ピアノを弾き女性たちの人気者になる。バディとなったケルプはパーディを誘い出すが、薬が切れてしまったため逃げてしまう。

 翌日バディのことが気になったパーディはケルプの再テストを受けることに。ケルプはテスト中に薬でバディに変身し夜に紫の館で会う約束をする。しかしその夜も途中で薬が切れてバディは逃げ帰ってしまう。

 学校でプロムパーティが開かれることになり、バディは学生の推薦でパーティに出演することに。ケルプはパーティの途中でバディに変身して出演をするが、やはり薬が途中で切れてしまう。ケルプは正直に自分の正体を明かす。それを聞いたパーディはケルプを受け入れる。

 

 ジェリー・ルイスのコメディ映画。子供の頃にルイスの西部劇の映画を観た記憶が強烈に残っており、youtubeなどで探してそのエンディングを探し当てることができた。

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 ルイスが面白かった、というより吹き替えの二人(広川太一郎愛川欽也)が面白かったというべきなのか。それでもこのyoutubeでもわかるようにエンディングでこんな遊びをするというのも、子供の頃に見た映画ではなかったことだったので、強烈に印象に残ったのだろう。

 

 本作は大学教授となったルイスが騒動を巻き起こすわけだが、60年前の映画のため、今見て腹を抱えて笑う、といったものではない。むしろ日本のコメディアンたちも相当影響を受けたんだろうと感じる方が強い。セリフで笑わせるシーンもあるが、ルイスの顔芸?や動きで笑わせるシーンなどはドリフそのものだ。ただルイスが大学の博士をのせてハムレットの芝居をさせるシーンなどは今でも通用する笑いかもしれない。

 もう一つ気になったのは、ラストのケルプの告白。彼は強い男になりたいために薬を使って変身したが、その愚かさに気づいたというもの。ここまでずっと笑わせるシーンが続いてきたが、ここでちょっとホロっとさせる展開に。コメディと喜劇の違いは笑った後に泣かせることができるかという点だと思うが、さて本作は喜劇となっているのか。

 

 今回本作をNHKBSPで鑑賞したが、できればNHKさんには「底抜け西部へ行く」を吹き替え版で放送してほしい(笑