影武者

●479 影武者 1980

 武田信玄の弟信廉が信玄にそっくりな盗人を連れて来る。いつか信玄の影武者として利用するためだった。信玄は徳川の野田城を攻めていた。城から聞こえる笛の音を聞くために野田城に行った信玄は徳川の鉄砲で狙撃されそれが元で無くなってしまう。

 信廉らは盗人を信玄の影武者とすることで信玄の死を遺言通り3年秘することとする。孫や側室との対面、愛馬の乗馬など様々な試練があったが影武者はなんとか乗り越えて行く。しかし勝頼は自身の扱いや影武者に対する不満などを爆発させつつあった。

 ある日影武者は愛馬黒馬に乗ろうとして落馬する。その際側室に本来あるべき怪我の跡がないことに気づかれ影武者であることが発覚、追放されてしまう。信廉らは勝頼を総領とするが、勝頼は皆の制止を振り切り、織田徳川との戦いに挑む。そして武田軍は全滅してしまう。戦いの場にいた影武者だった男も戦場に現れ敵めがけて突進して行く。

 

 若い時に観たことがあるかもしれないが何も記憶に残っていなかった。最近戦国時代の本を何冊か読んだことで、この時代の背景が理解できていたため、3時間の長尺だったが、なんとか話について行くことができた。

 しかしやはり3時間は長い。影武者が試練を乗り越えて行く場面はなかなか面白かったが、やはり史実が基本となるため、ストーリー展開はこれまで観た黒澤映画に比べると平凡に思えてしまう。

 となると本作の次に製作された「乱」のストーリーに期待したくなるが、これもまた長尺なんだよなぁ(笑