ホット・ロック

●491 ホット・ロック 1971

 ドートマンダーが刑務所から出所する。義弟のケルプが迎えにきていた。ケルプは早速ドートマンダーに盗みの仕事に誘う。獲物はブルックリン博物館に展示中の宝石「サハリの石」だった。中央バタウィの大使アムーサ博士から、その宝石は自国のものだと彼は主張し取り戻して欲しいと依頼される。

 ドートマンダーは鍵師ケルプ以外に、運転のプロのマーチ、爆破のプロのアランを仲間にし、盗みを実行する。マーチとアランが博物館外で偽の事故を起こし、警備員の目を引きつけている間にケルプが宝石のケースの鍵を開け宝石を盗むことに。ケースは開いたが、最後でしくじってしまい、宝石を持っていたアランが捕まってしまう。

 アランは宝石を飲み込むことでなんとか隠す。アムーサ博士とともにアランの奪還計画を立てる。アランの弁護士には彼の父親グリーンバーグがつくことに。グリーンバーグにアランと面会させ、ドートマンダーたちはアランが収容されている刑務所へ侵入、見事にアランを奪還することに成功する。

 しかしアランは盗んだ宝石を警察の拘置所に隠してしまっていた。ドートマンダーたちはヘリを入手し、警察の屋上から拘置所へ侵入する。しかしアランが隠した場所に宝石はなかった。ドートマンダーはアランから宝石を隠したことを父グリーンバーグに話したと聞き、彼を拘束。宝石のありかを聞き出す。

 グリーンバーグは宝石を自分の貸金庫に保管していた。貸金庫には本人が出向かなければならず、宝石を取り戻す方法はないかと思われた。アムーサ博士はドートマンダーたちとの契約を破棄、グリーンバーグと組むことを宣言する。しかしドートマンダーは催眠術師のミアズモを使い、貸金庫の職員を催眠状態にすることに成功。自分の貸金庫利用のために入ったところで、職員を使い宝石をゲットする。アムーサ博士たちが銀行に来る前に、ドートマンダーは見事に宝石を奪って逃げていくのだった。

 

 盗みをテーマにした映画は何本か見ているが、本作は50年前の作品。警備する側も盗む側も、あまりにアナログ。冒頭の博物館に侵入する偽装事故シーンはまだしも、刑務所に簡単に侵入できたり、警察の屋上に兵で乗りつけたり、と無茶苦茶だった(笑

 同時期製作の「ルパン三世」1stシリーズの警備や警察がずさんだったのは、時代だったのかしら。まぁ本作はコメディだし。

 冒頭、刑務所から出所したばかりの主人公に早々と盗みの仕事を持ちかけたので、宝石泥棒がメインになるのかと思いきや、最初の30分で宝石泥棒は成功、今後の展開はどうするのかと思ったら、宝石をなかなか手に入れることができないドタバタに。

 ラスト、手の出せない貸金庫からの盗みをどうするのかと思っていたら、伏線もなくいきなり催眠術師の登場。これが許されるなら…という展開だったが、「ルパン三世」1stでも、最終回で宮崎駿が後に「これだけはやっちゃいけない」と語った、五右衛門斬鉄剣による金庫切りがあったのと同じじゃない、と感じてしまった(笑

 でもまぁ、「スティング」で売れる前のレッドフォードを見れたし、クインシージョーンズが映画音楽を手がけていることも知れたし、良かったとしましょう。