若葉のころ

●499 若葉のころ 2015

 女子校生バイは母親ワンとコンサートに。そこで母親は男性客を見つめていた。

 バイは友人ウエンと仲良く過ごしていた。彼女たちをイエがいつも付いて回っていた。バイはピアノ教室の先生をしている母と祖母の3人暮らし。

 リンは建築家で女性キキと同棲していた。キキはリンと結婚したがっていたが、リンは態度をはっきりとさせなかった。

 ある日、野良猫に餌をあげていたバイと母親だったが、母親が交通事故にあい意識不明な状態となってしまう。母親ワンがリンに向けて書いていたメール。コンサートでの出来事が書いてあった。

 リンはキキと別れることに。リンは父親が怪我をしたと連絡を受け実家に戻る。自分の部屋でビー・ジーズのレコードを見つけ学生時代のことを思い出す。英語弁論大会でバイの母親ワンが1位、リンは2位になり次は負けないと宣言していた。しかしリンは次第にワンに惹かれて行く。

 バイもイエと仲良くなっていた。しかしある時、ウエンとイエが学校で仲良くしているのを見てショックを受ける。バイはPCに残っていたワンのリン宛のメールを送信、返事をプリントし、意識の戻らない母親に読んで聞かせる。

 リンは弁論大会の褒美として女性教師からビー・ジーズのレコードをもらう。そして歌詞を中国語に訳すように宿題を出される。歌詞を訳したリンはその文章を入れたレコードをワンに渡す。

 入院していたワンの病室に別れた夫がやってくる。祖母は追い返すが、バイは父親と食事を共にする。父親は積み立てていたお金の入った通帳と携帯電話をバイに渡す。

 バイはイエをラブホテルに誘う。そしイエの服を脱がし窓から捨てて逃げてしまう。後日問い詰めるイエにバイはウエンとのことで怒りを爆発させる。バイは父親からもらった携帯で父親に電話をかけるが、電話に出たのは父親の新しい家族の子供だった。ばいは嘆き悲しむ。

 バイはリンとメールのやり取りをし、二人で会うことに。

 リンはワンに告白の手紙を渡し喜んでいたが、学校で女性教師が男性教師と深い仲になっているところを目撃、カッとなったリンは男性教師を刺してしまう。そしてリンはワンに会いに行く。

 バイはリンと会う。母親が入院していることを告げ、リンを母親の部屋に連れて行く。そして学校へ。バイはリンから昔の母親のことを聞く。リンはバイに昔のワンの面影を見る。

 家に帰ったリンは思い出のレコードを持ち出す。その時、レコードジャケットの中からワンが書いた文章を見つける。それはワンがビー・ジーズの歌詞を訳したもので、彼女の想いが込められていた。

 

 先日NHKBSで「小さな恋のメロディ」が放映された。関係があるか分からないが、ネットで偶然この映画を知った。「小さな〜」で使用された名曲「若葉のころ」をモチーフにした映画、ということで観ずにはいられなかった。

 ストーリーは、現在女子校生の主人公バイと過去女子校生だったワンの恋物語が並行して描かれる。どちらも好きな相手に素直にその気持ちを表現できないもどかしさが上手に表現されていて、心地よい展開だった。

 しかしどちらの恋も障害が待ち受ける。現在のバイには親友が恋のライバルとなり、過去のワンには、リンが傷害事件を起こしてしまう、という展開。ラブホテルから父親への電話の流れは、観ていて本当に切なかった。

 どちらの恋も成就しないと思わせておいて、最後はリンが昔のレコードジャケットからワンの訳詞を見つけるというラスト。30年の時を経て、ワンの気持ちを受け取ったリン。そこで映画は終わり、美しいメロディと若者たちの映像で幕を閉じる。若い頃の切ない想いを見事に映像化しているといえるだろう。

 

 余談だが、映画のポイントとなる「若葉のころ」の歌詞の意味。初めて「小さな恋のメロディ」を観てから40年以上が経っているが、こんな意味だとは知らなかった。恥ずかしい(笑

 そしてバイと少女時代のワンを一人の女優さんが二役やっていた、というのも観終わった後にwikiで知った。どちらもあの年頃のキレイな女の子に適役だと思っていたが、まさか同一人物だとは。

 

若葉のころ(字幕版)

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