刑事スタスキー&ハッチ 第1シリーズ #16 悲運!嘆きのピアニスト

●刑事スタスキー&ハッチ 第1シリーズ #16 悲運!嘆きのピアニスト

 

あらすじ

 かつての名ピアニスト、ランキンは博打に狂ってしまっていた。賭場へ行くために金が必要な彼は、かつて働いたホワイトの店に出演料をもらいに行くが断られてしまい、2000ドルを盗んでしまう。しかしその金は偽札であり、ランキンはホワイトたちに命を狙われることに。

 

ストーリー

 スタハチは車でハンバーガーを食べていたが、スタスキーは歯痛に悩まされていた。

 トビーが出演しているホワイトのバー。しかしピアノを演奏していたのはランキンだった。そこへオーナーのホワイトがアタッシュケースを抱えて戻ってくる。ホワイトはランキンが何しにきたのかと部下に尋ねると、ボスに会いたがっていると答える。ホワイトはつまみ出せと命じる。ホワイトが戻ってきたのを見たランキンはホワイトの部屋へ。対応したのは部下フート、彼はランキンに帰るように話し、指を折ると脅す。ランキンは昨年この店でピアノを弾いた出演料2000ドルを求めるが断られ帰って行く。

 そこへホワイトが出てくる。フートは店の従業員の話を聞いてやって欲しいと頼む。ホワイトは持っていたアタッシュケースを引き出しにしまい店へ。ランキンは店の裏に隠れており、ホワイトの部屋の電気が消えたのを確認し、窓から部屋へ侵入する。そして鍵のかかった引き出しを強引に開け、アタッシュケースを見つける。中には札束が。その中から2000ドルを奪う。

 スタハチに女性の悲鳴が聞こえたと連絡が入る。女性がフートたちに脅されていた。そこへスタハチが駆けつけるが、彼らは逃げてしまう。二人は女性に話を聞くことに。ハッチは家でランキンのレコードを見つけ喜ぶ。ハッチはランキンのファンだったのだ。女性はランキンの妻だった。

 スタハチはランキンの妻から、襲ったのはホワイトの店の者で、ランキンが店から2000ドルを盗んだらしいと聞く。ランキンは今博打狂いであり今夜賭場へ行くために、去年ホワイトの店に出た際の出演料をもらっていないので店に忍び込み盗んだのだろうとのことだった。

 スタハチはホワイトの店へ。ホワイトに事情を聞くが、彼は家を襲ったことは勘違いで弁償をする、2000ドルは盗まれていないと話す。スタハチが諦めて帰ると、ホワイトはフートに警察よりも先にランキンを見つけて殺せと命じる。

 その頃ランキンはポーカー賭博をしていた。盗んできた2000ドルをチップに替えるが、それが偽札だと指摘され乱闘騒ぎに。そしてランキンは一人を撃ってしまいその場から逃げる。通報を受けスタハチが現場へ。そこでランキンが偽札を使っていたと知らされ、財務省からの通達で100万ドルの偽札が出回るという話を思い出す。つまりホワイトは持っていた偽札をランキンに盗まれたため、彼を殺そうとしているのだと気づく。その頃ホワイトはフートと話し、ランキンには知り合いが少ないのですぐに見つけられると報告を受けていた。

 スタハチはランキンの妻に会いに行く。彼女はランキンに愛想をつかし怒っていた。そこへランキンから電話がかかってくるが、ハッチに代わると電話を切られてしまう。ハッチは妻にランキンが頼りそうな人を聞く。ベリンダだと答える。ベリンダはランキンのバンドの歌手だったが、麻薬中毒になっているとのことだった。

 ベリンダの家にランキンがやってくる。彼はベリンダにかくまって欲しいと頼む。ベリンダは麻薬切れの状態だった。ランキンが寝たのを見たベリンダはホワイトへ連絡しようか悩む。

 スタハチはヒョロ松にネタをもらいに行く。ヒョロ松はベリンダのことを知っているオレンジという女性を紹介し、ベリンダの住所を聞き出す。

 ベリンダの家。彼女はホワイトにランキンがいることを知らせる。フートたちがベリンダの家へ。同じ頃スタハチもベリンダの家へ向かう。騒ぎに気付いたランキンは逃げようとするが、フートに撃たれてしまう。そこへスタハチが駆けつけ、一人を捕まえるがフートは逃がしてしまう。ランキンは窓から逃げ、フートもそれを追う。ハッチが追うが逃がしてしまう。ベリンダの部屋に戻ったハッチは、スタスキーから捕まえた男がレムケといい、ホワイトの店で働いていたと聞く。ベリンダからはランキンが怪我したことを聞く。ハッチはベリンダに小遣いを渡す。

 スタハチはホワイトの店へ。とぼけようとするホワイトだったが、スタハチはレムケの名前を出し、偽札の件も話し、近いうちに戻ってくると言い残し去る。スタハチはホワイトが動き出すのを店の外で待つ。そこへヒョロ松からの連絡があったと無線が入る。ホワイトのことも監視したい二人はある手を使うことに。

 スタハチはヒョロ松に会いに行き、ランキンが「宇宙人サム」を探している、カーニバルというダンスホールで待っている、という情報を聞く。宇宙人サムはランキンと一緒にやっていたドラマーだった。

 その頃ホワイトとフートはランキンの妻を拉致していた。

 スタハチはカーニバルへ。入り口前の車で血痕を発見しランキンがいると確信する。中に入ったスタハチは倒れているランキンを発見。救急車でランキンを病院へ運ぶ。ランキンに撃った男は助かったこと、奥さんが拉致されたことを伝える。そして奥さんを救うために、ランキンに囮になることを提案する。ヒョロ松がホワイトに会いに行き、ランキンが取引をしたがっていると伝える。

 スタハチはランキンを連れカーニバルに。そこへホワイトとフートがランキンの妻を連れやってくる。人質交換になり、ホワイトはランキンの妻を外へ。それを見て姿を見せたランキンをフートが後ろから撃つ。ハッチがフートを、スタスキーがホワイトを抑える。

 スタハチは、ランキンの妻とともにランキンの演奏を聴いていた。スタハチの紹介でランキンはピアニストとして復帰、博打もやらず真面目に暮らし始めていた。

 

今回の登場人物

かつての名ピアニスト、ランキン

現役ピアニスト、トビー

 

ホワイトと部下のフート

 

ランキンの家を襲ったフートともう一人の部下

ランキンの妻イヴリン

ランキンのレコードのジャケット

ホワイトの店の女性従業員

ランキンとともにポーカー賭博をしている男たち

ランキンのことをスタハチに話す賭場の男(中央)

ランキンを匿うベリンダ 若い頃の写真(左)と現在(右)

 

ベリンダのことを知っているオレンジ

ホワイトの車を見張るよう頼まれるガソリンスタンドのオヤジ

 

ヒョロ松の新しい仕事の女性パートナー(中央)

 

 

今回の捜査

アタッシュケースを持って店に戻るホワイト

ホワイトの部屋に侵入、引き出しをこじ開け、金を奪うランキン

 

ランキンの家を家捜しし、妻を脅すフートと部下

荒らされた家の中、ランキンの妻から事情を聞くスタハチ

 

賭場で争いになり、仲間を撃ってしまうランキン、その後逃亡

 

ランキンを匿ったベリンダの家

麻薬中毒で寝込んでいるベリンダ

ヒョロ松からの情報を聞くために集まったバー

 

ベリンダの家にいることを密告され、フートに撃たれるランキン

スタハチが駆けつけ、一人を捕まえる

 

窓から逃げるランキン

部下に一人を逮捕したことを告げられても、とぼけるホワイトに詰め寄るスタハチ

 

ホワイトの車を見張ってもらうために金を渡すスタさんとタイヤの空気を抜くハッチ

 

ランキンの妻を拉致するフートとホワイト

ランキンが待っていると言っていたダンスホール、カーニバル

 

倒れていたランキン

ランキンが運ばれた病院

ホワイトにランキンのことを告げるヒョロ松

カーニバルに現れたホワイトとランキンの妻

カーニバル内で無線で連絡を取り合うスタハチ

 

ランキンを後ろから撃つフート

逃げるホワイトを階段で飛びかかり、取り押さえるスタさん(連続写真4枚)

 

 

フィートを撃つハッチ

無事救出され喜ぶランキン夫妻

 

今回のモテるスタさん

 初めて会ったホワイトの店の女性従業員から「アナタ可愛いわねぇ、アライグマの子供みたい」と言われる(笑

 

今回のスタハチの会話

 追い詰められたホワイトが行動に出ると踏んで、外で彼の車を見張っていたが、そこへヒョロ松から連絡が入り、その場を離れなくてはいけなくなったスタハチ。困る二人だったが、スタさんが話し始めるのだが、その会話がまるで漫才のよう。

 

ス:去年の宝石強盗を覚えてるか?

ハ:いや、あぁ、4人を張り込んだ時か?

ス:いや3人だ

ハ:あぁ3箇所だったな

ス:いや4箇所だ

ハ:あぁ、4人を3箇所で張り込んだ

ス:いや3人を4箇所だよ

ハ:ともかく同時にだ

ス:あれで行こう

 

 その後、スタさんはその場にいたガソリンスタンドのおじさんに声をかけ、20ドル出すので、高級車(ホワイトの車)がタイヤの交換をしたら連絡をくれと話す。その時ハッチはホワイトの車のタイヤの空気を抜いていた。一般市民の手を借りて、張り込みを成立させてしまうスタハチ、見事。

 

今回の優しいハッチ

 ランキンを匿ったベリンダだったが、ヤクを買う金欲しさにランキンの居場所をホワイトにチクってしまう。そのことを知ったハッチは、別れ際ベリンダに小遣いを渡す。

 

今回の怖いスタさん

 ランキンを撃ったホワイトの部下を捕まえホワイトの店へ。まだとぼけるホワイトに強引に迫るハッチ、スタさんは店の酒類を乱暴に扱い、怒りを見せつける。

 「ダーティハリー」などに見られる強面の刑事がよくやるヤツ(笑 スタハチでもたまに見られるシーンだが、笑みを浮かべながらやってしまうスタさんがちょっと怖い。

 

今回の歯が痛いスタさん

 冒頭から左の虫歯が痛くてたまらないスタさん。ハンバーガーもまともに食べられない。

 

 ランキンの家に行ってもまだ歯が痛いため、ウイスキーを求めるスタさん。

ホワイトの車を見張っている際に、虫歯に薬を塗るスタさん

ホワイトを取り押さえる際に、彼から蹴飛ばされ歯が抜けるスタさん

 


今回のオチとラスト

 事件が解決、スタさんも痛かった歯が抜けたと喜ぶが、抜けたのは右の歯、痛かったのは左だとハッチに指摘され呆然とするスタさん

 

 

 この後、スタハチとランキンの妻で、ランキンの演奏を聴きに行くのが本当のラスト。ハッチは昔ランキンのファンだったため、傍らでおしゃべりをやめないスタさんを何度も注意する、というのが本当のオチ。

 

 

今回のまとめ

 かつての名ピアニスト、ランキンが盗んだ金が偽札で、追われる身となってしまうという話。スタハチがランキンを探すことに多くの時間が使われ、かつての仲間で今は麻薬中毒の女性やヒョロ松などが絡んでくる。最後は、妻の身を案じたランキンが自ら囮となって、本当の悪を逮捕するという展開。ピアニストはかつてハッチがファンだったというのが一捻り、という感じか。

 

 とても気になったのは、吹き替えでは「ホワイト」が「ワイル」と発音されていたこと。字幕ではキチンと「ホワイト」となっていたのに。ベリンダが密告するために見た店のマッチにも「White」を印刷されている。

 吹き替え時には、このマッチの写りがあまり良くないので、これを「White」ではなく「While」と読んだのだろうか?

 

 もう一つ気になったのは、最後のホワイト逮捕のシーン。スタさんが階段で飛びかかるという荒技をするのだが、

 

 明らかにスタさんが別人(笑 そうだよな、ちょっと危険なシーンだもんなぁ。でも右の写真のシーンは危なくなさそうなのに、明らかに顔が違って可笑しい。

 

 最後にもう一つ。冒頭ホワイトの店のシーンで、トビー出演という看板が表示される。

 

店ではランキンがピアノを弾いているが、その傍らにトビーが写っている。しかしトビーさんはこの後も特にドラマには絡んでこない。そのため、このトビーさん、有名なピアニストか何かと思って調べたが、ミュージシャンであることは間違いなさそうだが、エンドロールでも特に特別扱いはされていなかった。なんなんだろう?