大統領の陰謀

●512 大統領の陰謀 1976

 大統領選間近の1972年、民主党本部に5人組が侵入、逮捕される。ワシントンポストのウッドワード記者はこの事件を調べることに。容疑者達の裁判に出向いた彼は、容疑者の所持品や弁護士などから取材を進めることを決意する。

 彼の書いた記事を手直しするバーンスタインとともに事件を取材。取材を進めううちに何かしらの圧力が関係者にかかっていることに気づく。ウッドワードは情報提供者ディープスロートから金の流れを追えと指示され、ニクソン大統領の再選委員会の選挙資金の流れにおかしな点を発見する。

 関係者の証言が得られない中、二人は地道に協力者を探し、ついに大統領とその側近達が事件に関係していることを暴いた記事を掲載する。政権はポスト紙を一斉に非難、証言者も証言を覆すなど、二人は窮地に立たされるが、上司であるブラットリーは戦うことを宣言する。

 翌年ニクソンは再選、二人は仕事を続けていた。やがて二人の記事が元となり政権にいる人間達が次々と逮捕されていくことに。

 

 ネットで書かれている通り、ウォーターゲート事件のことがわからないと単に多くの関係者への取材を続ける二人の記者、の物語になってしまう。まぁそれだけでも十分面白かったけど。

 冒頭、ドアの鍵の部分にテープが貼られているシーンがあり(工事関係者などが出入りを自由にするためによくやるアレ)、これが実際に侵入する際に使われた手口だとwikiで知り、驚いた。

 権力者がその権力を用いて犯罪を犯す、というのはどの時代でもどの国でも起こりうる、という怖さをまざまざと見せつけられる映画。実際に大統領が辞任した2年後にこの映画が製作公開されたのが、いかにもアメリカらしい。流石である。